【アルザス・ロワール:14】トリンパック テイスティング(ゲヴェルツトラミネール)

本日はトリンパックのテイスティングです。
今回はそのポートフォリオのうちの5つを試します。
本日はゲヴェルツトラミネールを主体としたワイン2種類となります。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セニョール ド リポビエール 2011

外観はやや濃いめのストローイエロー。
非常に明るい性質で、ライチやカリンの様なオリエンタルな果実味とレモングラスや白胡椒、カルダモンのようなスパイスの風味を強く感じさせる。ドライハーブ、白い花などの要素。一言で言うと甘露かつスパイシー。ミネラルの残滓的な小石感はあるがリースリングとは大きく差がある。
酸は控えめで、やや厚みがある体躯。ほのかに残糖が感じられる様な甘露さ。非常にスパイス感の豊かな余韻があり
、最後に少し苦味を感じさせる。


生産者: トリンパック
銘柄: ゲヴェルツトラミネール セレクシオン ド グラン ノーブル 2007

外観は濃いイエローで粘性は高い。
セニョール ド リボビエールからスパイス感を減らし、凝縮した果実味と濃密さを演出した貴腐。
シロップ漬けのライチやアプリコットの様な濃密な果実味が前面に現れており、カリンの様な爽やかな酸、黄桃など、フルーツの盛り合わせといった感じ。白い花やドライハーブ、レモングラスなどの要素も感じられるが、基本的には果実味が圧倒的な分量のバランスを占めている。ハチミツや藁、パンドミに見られるイーストの要素がある。
クリーンで焦がした樽などのニュアンスはない。
非常に甘口で、ねっとりとした残糖分がある。
酸はやや緩めながら、その分ボディは非常に豊かで、力強く。ヒリヒリする様な甘さがある。
ライチやシロップ、スパイスの様な余韻が感じられる。



【所感】
ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールとセレクション グランノーブル(貴腐)の2本です。
どちらもオリエンタルで甘露な香りを放つワインになっています。やっぱりゲヴェルツトラミネールはいいですね。キャッチーで、低価格レンジでも魅力が大変わかりやすい。
ただ今回は共に高価格レンジ。これらはどうかというと、やっぱりすごく良いのですが、品種特性の香りがとても強いので、低価格レンジとの違いはパッと感じにくいとは思います。貴腐は全く違うので、どちらかというとセニョール ド リボビエールの方ですが。
オリエンタルな果実味は強いですが、それだけではなく多分にスパイシーさやハーブの香りも包含しています。例えばカルダモン、レモングラス、白胡椒。
果実味も「爽やかな」というより、とろりとした厚みのある甘露さがかなり強く前に出ているとは思います。
MLF感はなく、クリーン。剥き出しのゲヴェルツを正当進化(複雑化、果実味の厚さを拡充する)する形となっています。
かなり良く出来ていますが、酸味が淡いので、多少くどさを感じてしまう部分も少しありますね。
次は貴腐のグランノーブル。
スパイシーな要素は減退し、より果実味と酵母香を強く前面に押し出した形に感じられました。
流石にかなり風格のある作りに仕上がっています。
ライチの様なオリエンタルスパイスの様な香りはしっかりと主軸として存在していながら、アプリコットの様な甘酸っぱさが感じられます。厚みはTBAやソーテルヌの上位ワイン相当。そこにイーストやレモングラスの様な香りが混じります。糖度はかなり高く重量感のある味わい。
酸味はやや緩く、余韻に苦味がある。
風格はありながら洗練さで前述のワインに劣るかもしれません。品質は高いですが、全体感で最上かと言われればそうではないですね。ただお値段も極端に高いわけではないので、十分に満足感はあるんじゃないかと。





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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