【アルザス・ロワール:15】トリンパック テイスティング(リースリング)


こんにちは、HKOです。
本日は昨日に引き続きトリンバック。
今回はその本懐とも言えるリースリングです。



【データ】
トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。アルザスで有数の規模を誇る老舗ワイナリー。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。フラッグシップはクロ サン テューヌ。
リースリングはトップキュヴェにフレデリックエミール、ガイスベルク、そしてクロサンテューヌ。ゲヴェルツトラミネールはセニョール ド リボビエールがあります。
フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ガイスベルグ40%と特級オステルベルグ60%の混醸。
グランクリュ ガイスベルクはその名の通り特級ガイスベルクの単一畑(2.66ha)。
そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。年間生産本数はわずか8000本。
セニョール ド リボビエールは標高250~300mの自社畑100%のゲヴュルツトラミネールを使用。
グランノーブルは良年にのみ作られる(40年に10回!)この中唯一の甘口ワイン。貴腐粒寄り。
特に今回のクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。
基本的にどのキュヴェもマロラクティック発酵は行なっていない。


【テイスティングコメント】
生産者: トリンバック
銘柄: リースリング キュヴェ フレデリック エミール 2007

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
石灰の様なミネラルとペトロール香が主体。ガイスベルクの規模感を一回り小さくしたキュヴェ。
果実味はシトラスやネクタリンを思わせる清涼感があり、ほのかにチーズやバターの様な風味を感じさせる。
白い花、ヨード香やドライハーブのようなニュアンス。
この中では控えめだが、ミネラル感は十分に強靭。
酸はソリッドで柑橘やバターのニュアンスを思わせる余韻がある。
引き締まった風合いで、余韻に旨味が溢れる。
ペトロール感を感じる含み香。



生産者: トリンバック
銘柄: リースリング グランクリュ ガイスベルク 2009

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
クロ サン テューヌに近いが、バランス的にはミネラルの方が強め。 チョーキーの様なミネラル主体で、非常に硬質。フレデリックエミールのミネラル感の強さをそのまま大きくしたような印象。ペトロール香がかなり目立っている。
その中に杏子やネクタリンの厚みのある果実味と強い塩気がある。
ほのかにカマンベールチーズを思わせる香りとイーストの香りが伴う。徐々に甘い蜜のような甘露さが現れてくる。
白い花やドライハーブ、ハチミツのようなニュアンスも感じられる。
こちらも酸はソリッドで、レモンの様な鋭さがある。
その中に熟したみかんの様な甘露な香りやペトロールの香り、バターが鼻を抜けて行く。余韻は長い。


生産者: トリンバック
銘柄: クロ サン テューヌ リースリング 2011

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
最も厚みがあり、果実起因のボリューム感とガイスベルク並みのソリッドなミネラルを感じさせる。
強靭なミネラル感と供に厚みと塩気を感じる厚みのある果実味、双方がバランスよく備わっている。
ドライアプリコットやスモモの様な旨味に満ちた果実味とペトロール香、石灰の様な強靭なミネラルが主体となる。
そこにトースティーなイースト香、徐々に果実味がアプリコットジャムのように遷移する。白い花、ドライハーブ、濃密なハチミツのニュアンス。凝縮感だけでなく、厚さが比類ない。
酸は力強く厚みがある。オレンジや杏子的な酸味の現れ方で、レモンの様なシャープさは希薄。濃厚でフルーティー。2007年と比べると硬質感は控えめで心地よいオレンジやアプリコットの余韻が残る。



【所感】
今回はトリンパック、その本懐と言うべきリースリングです。ゲヴェルツは良く出来ていながらも、どこか過不足があったのですが、リースリングはどうかというと...
流石です、ほぼほぼドライリースリングの最高峰を行っているといいくらいには素晴らしい。
今回はフレデリックエミール、そして特級ガイスベルク、
特級ロケザールの最上区画クロ サン テューヌです。
全体感で言うと、フレデリックエミール、そしてガイスベルクはミネラル感に偏った印象があり、クロ サン テューヌはガイスベルク同等クラスのミネラルがありつつも果実味の厚さも備わっている印象です。
フレデリックエミールは強靭なミネラル感と共に柑橘の酸味を感じさせるシャープな果実味、ガイスベルクはフレデリックエミールを一回り強固にした堅牢なミネラル感、そして厚みを感じさせるネクタリンの様な果実味があります。
フレデリックエミールとガイスベルクの関係性は相互に互換していて、ガイスベルクが全体的に一回り規模感が大きい作りになっています。
この2本はかなりミネラルに寄った作りの印象で、ペトロール香も前面に感じられます。
そこから多少バランス感が異なっているのがクロ サン テューヌ。過去に飲んだ時はミネラルの堅牢な際立ちに気圧されましたが、この中では意外とバランスの取れたタイプに仕上がっている様に見えました。

まあ、ミネラルは相変わらずすごいんですけど。

塩気と酵母、樽、そして核種系の厚みのある果実味を包含しています。そこに甘露な香りが混ざってくる感じですね。
凝縮感と厚みのあるリースリングになっています。
シャープというかソリッドですね。

全体感でいうとそんな感じですね。
個別に言うとフレデリックエミールはやや果実味が冷涼。
柑橘の様な風合いとミネラル、ペトロール香が主体的です。
そこにハーブの香りが感じられます。
この中では最も普通のレンジに近いものですが、とはいえゴールドラベル。一般的なキュヴェと比べると上位ワインの風格は感じられます。
ガイスベルク。
基本的にはフレデリックエミールの上位互換で、ミネラルの強固さ、果実味の厚さが増しています。甘露さも感じます。
トリンパックはMLFをしていませんが、ほのかに乳酸発酵を帯びた様なチーズやバターの様な風合いを感じるのが不思議ですね。意図的に仕込んだと言うよりは自然にそうなった可能性はあるかもしれません。酸は幾分か厚みがありますが、ややこちらも立っている印象。
最後クロ サン テューヌ。
ミネラルの堅牢さ、ソリッドさ、ペトロール香を維持したまま、核種系の分厚い果実味を感じました。
トーストやハチミツ、ハーブのニュアンスがあり、太い酸と力強いボディがあります。
この中でピーキーさを控えめにして完成度を上げた感じしますね。ただ2007年のミネラルに偏った作りを知っているだけに、偶発的なのかもしれない...とも思うのですがね。

いずれにせよ、3種とも極めて高いクオリティのリースリングになっていると思います。
個人的にはフレデリックエミールあたりでも十分楽しめるのですが、最上を求める方はやはりガイスベルクやクロ サン テューヌを是非お試し下さい。













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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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