【カリフォルニア:59】キスラー ヴィンヤーズ テイスティング(Part1:白)

こんにちは、HKOです。
本日はキスラーの白です。


【データ】
キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。除梗は100%。発酵には100%自然酵母を使用している。
醸造工程はそれぞれ異っている。

◾︎シャルドネ
マックレアヴィンヤードはソノママウンテンの12haの石灰岩と火山岩の混じった畑。MFLを行いフレンチオーク新樽50%旧樽50%で11-18ヶ月熟成を行う。
ダットンランチはソノマカウンティの中心部に位置する創立当初から存在する畑。
ストーンフラットヴィンヤードは2005年初リリース。カーネロス西側に位置する川から流れてきた丸い石が沢山存在する冷涼な畑。

◾︎ピノノワール
キスラーヴィンヤードは1979年から所有する自社畑、キスラー・ヴィンヤードは山の尾根の上に位置しています。
一方に海、他方にルシアン・リヴァー・ヴァレーを臨むこの畑の土壌は砂岩を中心にした構成。
キュヴェ ナタリー シルヴァーベルトヴィンヤードは2006年からリリースされているキスラーのトップキュヴェの一つ。
キュヴェ名の「ナタリー」は、スティーヴ・キスラー氏の三女の名前。隆起した赤い、鉄と砂利の混じった土という特異な土壌の畑。

他にフラッグシップはキュヴェ キャスリーン キスラーヴィンヤード (Ch100%)、キュヴェ キャサリン オクシデンタル ステーション ヴィンヤード (PN100% 現在はオキシデンタル)、キュヴェ エリザベス ボデガ ヘッドランズ ヴィンヤード(PN100% 現在はオキシデンタル) が存在する。

オキシデンタル ワインズはキスラーのスティーブキスラーが、2013年にソノマコーストでスタートした新プロジェクト。
使用する畑はオキシデンタル ステーション ヴィンヤードとボデガ ヘッドランズ、SWKヴィンヤードの3畑のみ。
フラッグシップのSWKヴィンヤードは同名畑の単一、キュヴェ エリザベスはボデガ ヘッドランズ、キュヴェ キャサリンはオキシデンタル ステーション ヴィンヤードの単一畑。ソノマコーストはこの2つのキュヴェのアッサンブラージュ。収量は30hl/ha、厳密なグリーンハーヴェストか行われ、収穫は夜間に行われます。除梗はせず、天然酵母を使用して全房発酵。ピジャージュは最低限に。新樽25%、MLF後5ヶ月熟成後無濾過無清澄で瓶詰めされます。




【テイスティングコメント】
生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: マックレア ヴィンヤード シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
引き締まった凝縮感のある甘露な果実味を強く感じるシャルドネ。果実味、酸、MLFのバランスが良い。
上白糖の様な甘露さを感じさせる甘やかさとラムネの様な酸味を感じさせる果実味、メイプルシロップがあり、シトラスや洋梨のコンポートの様な果実味がある。
酸味を感じさせるアロマがあるが、蜜の様な甘い香りを伴います。バニラや白い花、はちみつの様なアロマがあります。多少スパイシーさを感じる。
樽の要素はあまり前に出ておらず、ほのかにローストナッツを感じる程度。
しっかりした酸はあるが滑らかで、広がる旨味とシロップや洋梨の様な余韻を感じさせる。余韻の苦味は控えめ。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: ダットンランチ ソノマコースト シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
シャープかつミネラリーな体躯と酸を持つシャルドネ。
砕いた石の様なミネラル感にシトラスやレモンなどの酸味を感じさせる果実味があるが、徐々に温州みかんの様な甘露さが現れてくる。引き締まった冷涼な作りとなっていて、有塩バター、そしてローストナッツの様な樽香。
そしてドライハーブの様な香りが感じられる。
比較的樽とMLFは強く感じられる。
酸はこの中だと最も強くシャープ。柑橘やチョーキーな余韻を残す。バターや洋梨の様な甘い果実味と厚みもある。
冷涼だが完成度は高い。


生産者: キスラーヴィンヤーズ
銘柄: ストーンフラット ヴィンヤード シャルドネ 2014

外観は淡いイエローで粘性は中程度。
豊かな樽香と広がりのあるボリューム感を感じさせる果実味のシャルドネ。いかにもニューワールド的なワイン。
オイリーなミネラル感も感じられる。
コーヒーやモカの様な苦味を想起させる豪華な樽香とトースト、そして煮詰めた洋梨や黄桃の果実味を感じる。そしてバターの様な厚み、ドライハーブ。 徐々にブリオッシュやドライハーブ。ほのかにラムネの様なシトラスも感じる。
かなり強い樽香があるが、果実味にもボリューム感がある為、よくバランスが取れている。
酸は豊かだが厚みがある。モカや洋梨、ブリオッシュの様なふくよかな余韻があり、旨味もしっかりと広がってくる。ミネラル感もあるが、ふくよかな含み香が主体的。



【所感】
本日は白になります。
キスラー白のラベルは相変わらず風格があってカッコいいですよねえ。ブルゴーニュみたいで。モンラッシェみたいで。
今回はマックレアとダットンランチ、ストーンフラットの3種類。
この中ではストーンフラットが、気候的には冷涼な様ですが、最も冷ややかなタッチを感じるのはダットンランチでした。逆にストーンフラットはふくよかで、マックレアは引き締まった凝縮感があります。一番高級感を感じるのはマックレアですね。マックレアとストーンフラットはなんとなく近しいところを感じるのですか、ダットンランチだけ少し方向性が異なる様な気がします。
ストーンフラットとマックレアは果実味が強いのに対して、ダットンランチはやや冷涼でミネラルが先に来る感じです。
時間が経つと近しい方向性に収束していくのですが、スタートの出だしに差異がありますね。

マックレアはこの中ではブルゴーニュに近く、引き締まった酸と豊かな果実味があります。安納芋の様なほっこりとした果実味とメイプルシロップ感はニューワールドですが、全体のバランスはもっともそれに近いと感じました。軸はメイプルシロップとシトラス、洋梨のニュアンス。バニラやハチミツの要素。樽の要素は程よく突出しているという感じではないですね。クリーンというわけではないですが、樽が程よく溶け込んだ絶妙な1本です。

対して樽が強めに感じるのが、このストーンフラット。
のっけから樽の強いロースト、トースト香が前に出ています。そこと分離した形で感じるニューワールドの王道的な豊かな果実味。酸味がひかえめでボリューム感を感じさせるアレです。洋梨や黄桃、そしてブリオッシュ。
感覚としてはこの中でもっともリッチでふくよかな体躯をしています。これはこれでニューワールドの典型としてよくバランスが取れています。(※とはいえそれにしては焦げ香が強い様な気がしますが)
マックレアがブルゴーニュファンと親和性が高いだとするならば、こちらはパーカーポイント高得点を叩き出しそうなワインになっています。


そしてそれらと方向性を異にするのがダットンランチで、唯一鋭角的なタッチを持つワインになっています。
ミネラルと酸が良く目立つワインで、果実味はレモンやシトラスなどの柑橘を中心としています。あと樽香もローストナッツの様な要素がはっきりとありますね。MLFもあります。
キリッと引き締まった体躯のワインとなっています。
MLFはワインの中の酒石酸とリンゴ酸を消費して乳酸に転化するので、かなりMLF前は酸味がかなりあったんじゃないかな...
現状でもやや酸味は強いです。
とはいえブルゴーニュの中においては平均的な酸味では有るんですけどね。比較するとシャープさ感じるなと。
とはいえ時間経過でミカンの様な甘露さも出るので、一概に冷涼とは言い切れないんですが、他の果実味の強さを考えると、やっぱりそう感じてしまいましたね。
このワイン、けっして冷涼な地域から出来ているわけではないので、タイミングによってボリュームが跳ねる可能性も無きにしもあらず。ボトル差という可能性も。
ただ個人的な所感としてはそんな印象でした。












関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR