優美なイノセンス。マルゴー'07とパヴィヨンルージュ'09




こんにちは、今日はボルドー特集です。
先ほどはラトゥールとレオヴィルラスカーズでしたが、今回はマルゴーの2007年と、マルゴーセカンドの2009年です。
ポールポンタリエ率いるシャトーマルゴーはご存知の通りメドック一級格付けのシャトーです。ラトゥールが男性的なボルドーの筆頭とするならば、マルゴーは女性的でエレガントと表現されます。日本ではもっとも人気の高いボルドーワインと言えるでしょう。
ここ10年の低収量かつ厳しい選定によりグランヴァン比率は60%程度に。更にファーストラベルに使用される葡萄は約40%です。カベルネ比率は近年高くなる傾向で、新樽比率は100%。メルローはパヴィヨンルージュに使用されています。


生産者、銘柄: パヴィヨン ルージュ シャトー マルゴー 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン 67%、メルロー 29%、プティヴェルト4%

約19000円、パーカーポイント91-93点
色調は澄んだ濃いガーネット、共に粘性は高い。
香水の様なマルゴーファーストと比較すると幾分か庶民的な味わい。まさにパヴィヨン。
2009年は作柄的にかなり黒めの味わいが前に出ていて、ドライプルーン、カシスの濃厚で甘やかな香りが楽しめる。そして甘草、クローヴなどのスパイス類。ピーマンの青っぽさ。穏やかなスミレや芍薬、ラベンダーなどの赤い花。チョコレートドリンクやトースト、マホガニー。
収斂性とタンニンはやや強め、酸味も強い。木樽の絶妙な使用感。華やかな香り。キャッチーな作り。


生産者、銘柄: シャトー マルゴー 2007
品種: カベルネソーヴィニヨン 82%、メルロー 7%、プティヴェルト7%、カベルネフラン 4%

約66000円、パーカーポイント92点
色調は澄んだ濃いガーネット、共に粘性は高い。
さすがマルゴー。卓上に供された瞬間から放たれる一級にしか成し得ない芳香性。瑞々しさを感じさせるクレームドカシス、ブラックベリーの濃厚かつな果実味。ミントの清涼感。
チョコレートドリンク、西洋杉、マホガニーなどの甘やかで香ばしい樽香。
徐々に現れてくる毛皮、鉄釘、ムスクなどの動物的な香り。甘草、クローヴなどのスパイスの香りが芍薬の華やかさと相まって艶やかな印象を演出する。ややゼラニウムの清涼感も。
全体的には豊満で甘やかな印象。口の中ではクレームドカシスや樽の調和の取れた甘やかな味わいが、強固なタンニンのアタックと共に広がってゆく。酸味はまだ強いが、これはこれから長い熟成を経る事で美しく変化をしていく事だろう。

自画自賛したくなるのですが、パヴィヨンルージュのプルーンっぽさや穏やかさは、恐らくメルロー比率が高い事に所以してるんですね。品種の特徴的にもそんな感じです。逆にカベルネ比率の高いマルゴーは最も左岸らしさを感じました。こう考えると本当にカベルネソーヴィニヨンって奴は高貴品種何だな、と思います。
さて、結論からいいますと、パヴィヨンはマルゴーの面影は感じるものの別物。よりキャッチーというかボディが豊満で甘やかです。マルゴーはそれに比べて透明感やエッジ、芳香の指向性、クリアさが段違いに高いです。多くはカベルネの特徴に所以するものですが、やはり雑味が少なく凝縮感が高いのは厳格な選果によるものだと思います。
どちらが悪いというわけではなく、別物と考えて差し支えはないかと思います。ただ、作柄によって比率は変わるので、カベルネ比率の高いパヴィヨンならマルゴーファーストに近い香味が出てくるかもしれません。ぶっちゃけパヴィヨンもメルローの特徴が綺麗に出ていて、方向性としてはポイヤックのピジョンラランドに近かったと思います。
マルゴーはまさにマルゴーでしたけどね。凄まじく妖艶なボディ感、あれは普通の一級でもなかなか見られないニュアンスです。

いや、この位若い方が品種特性わかりやすくていいですね。
これだけのワインで品種特性を理解出来るってのは贅沢です。


シャトー・マルゴー[2007] 750mlCh.Margaux

シャトー・マルゴー[2007] 750mlCh.Margaux
価格:58,800円(税込、送料込)

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No title

はじめまして。くぼたと申します。1年以上前の記事への書き込みをお許しください。

こういうテイスティングは素晴らしいですね。参考になりました。特に、セカンドの方がよりよいヴィンテージなので、圧倒的なボディの差のない上での比較で、より品種の個性が分かるのかも知れませんね。

半年ほど前、ブラネールでファーストとセカンドの入り混じった水平テイスティングをしたことがありますが、ちょっとわかりにくかったです。やはりセカンドの方がボディは軽めでしたが、ファーストの中でもヴィンテージの良し悪しでボディ感が違いましたので。その中でNo1だったファーストの09は閉じ気味でしたが、かなりの潜在能力は感じられました。

マルゴーのファーストは、今より安かった頃に98を若いうちに飲んだことがありますが、結構タニックでした。ただ香りの品位はさすがで、なかなかこういう香りのメドックはないよな、と感心しましたね。

No title

くぼたさん

お世話になっております、ご参考頂きありがとうございます。
おっしゃる通り2009年のボルドーはとても作柄が良い年だったので、マルゴーの葡萄の50%がセカンドに回ることを考慮すると、ボディ的にはほぼファーストとセカンドの違いは無くなってくるのかと思います。
なので品種の差異は非常にわかりやすいのかな、と思います。
また他の2009年のファーストがかなり固く閉じていたのできっとマルゴーもそうなのではないかと思いますが・・・流石に飲まないとわかりませんね笑

今はマルゴーも相当高くなってしまって手を出せる値段を超えてしまいましたが、09の検証も機会があったらやってみたいですね!
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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