甘美な誘惑。ルソーとルシアンのマジシャンベルタン。そしてルーミエのモレサンドニプルミエ


こんばんわ。
最近ボルドーに寄り道してましたが、ちゃんとブルゴーニュもしてますよ!
飲めば飲むほど分からなくなるのかブルゴーニュ。だが、それが楽しい!

今日はシャンボールミュジニー最高の生産者の一人ジョルジュルーミエのモレ サン ドニ プルミエクリュ、ジュヴレシャンベルタン最高の生産者の一人アルマンルソー、そしてパーカーポイント高得点連発のネゴシアン、ルシアン ル モワンヌのマジ シャンベルタンです。

コート ド ニュイにおいて至高の生産者を挙げると、ジュヴレシャンベルタンならクロード デュガ、アルマンルソー、デュガ ピィ、ドゥニ モルテ。モレ サン ドニならポンソ、デュジャック。シャンボールミュジニーならヴォギュエ、ルーミエ、ジャック フレデリック ミュニレ、グロフィエ。ヴォーヌロマネならコントリジェベレール、DRC、ルロワ、エマニュエルルジェ、メオカミュゼ、アンリジャイエ。NSGならティボーリジェベレール、アンリ グーシュなど。今回のは見る人が見ればヨダレが止まらないラインナップだと思います。

ジョルジュルーミエはシャンボールミュジニーに拠点を置くブルゴーニュを代表する生産者です。旗艦銘柄は特級ミュジニー、特級ボンヌマール、一級アムルーズ。ここの特徴はその希少さです。味わい自体は人を引きつけて止まないのに、球数が少なく、村名銘柄ですら手に入れる事は滅多になく、特級ミュジニー程になると世界から引き合いがあるのに手に入れられる人はごく僅かで幻のワインとも言われています。あと値段も希少性から3万、4万当たり前、アムルーズともなると20万を超える場合も。有機農法、グリーンハーベストを実践し、マロラクティック発酵後は澱引きせず、そのまま無清澄、無濾過で瓶詰めされます。新樽比率はグラン・クリュ40~50%、プルミエ・クリュ25~40%、ヴィラージュもの15~25%。

アルマンルソーはジュヴレシャンベルタン最高の生産者のひとり。ルーミエ程では無いにせよ、旗艦銘柄の特級シャンベルタン、クロ ド ベーズ、一級クロ サン ジャック、リュショットは瞬間蒸発銘柄です。僕も実店舗で見たことありません。某百貨店では早朝列ができるほどだとか。
葡萄の平均樹齢45年以上。ただでさえ収量の少ない古木。かつ収量を更に絞ったブドウは丁寧に醸造されます。新樽比率は基本的にシャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ サン ジャックが100%、その他の特級は80%前後。

ルシアン ル モワンヌは有名ドメーヌから購入した60の畑の最高の葡萄を厳選した最高の樽で醸造、非常にゆっくりとマロラクティック発酵を行い、手作業で瓶詰めしていきます。特級の新樽比率は100%です。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ド ラ ビュシエール 2008

約24000円、パーカーポイント93点。
抽出はやや強めで濃いめのルビー、粘性は低め。ちょっと熟成感があるような気がする...。
酸味の強いダークチェリー、ブルーベリーの凝縮感のある果実味。ややドライでストイックな味わい。
薔薇や茎、ローズヒップティーや土の香り。シシトウ、ナツメグ、焦げたゴム、ややベーコンや生肉などの野生的な香りなど。
極自然でシャンボールを想起させる様な味わい。
酸味はやや強めだが、凝縮した溌剌とした果実味と良くバランスが取れていると思う。瑞々しさが巧みに表現されている。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2009


約18000円、パーカーポイントは91-94点。
やはりアルマンルソーは凄い、メチャクチャ美味い。
色調は中庸なルビー、粘性は高い。
さすがアルマンルソー、果実の甘やかさと華やかさのバランスが、まさに芸術的な域。
甘露になったメオカミュゼ、またはジュヴレシャンベルタンの力強さを再現したエマニュエル ルジェ。
薔薇やスミレの赤い花、溶剤、ファンデーションとダークチェリー、クランベリーの超凝縮した味わい。果皮の深みのあるエレガンスが凄い。
ナッツやシナモン、バニラが香水の様に溢れ出す。樹脂、ローズウッド、なめし革。徐々にオリエンタルなお香の香りも現れる。
強靭で噛む様なパワフルな果実味が、穏やかな酸と、しなやかなタンニンとともに口内に溢れ出す。
余韻も長く、まさに官能的で完璧な造り。これが中級のグランクリュだっていうのだから異常事態だ。
同生産者の方向性としてはリュショットに近いかも。クロサンジャックや特級シャンベルタンのカラーはあまり感じられない。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2009


約21000円、パーカーポイントは94-97点。
これもまた凄い。溢れ出す濃厚な香りの奔流。
色調は透明度が高いがかなり濃いルビー、粘性は高い。
ルソーと比べてかなり抽出が強く、クラクラする様な果皮の華やかで甘やかな香り。
どちらかというとワッフル、ザラメの樽香に加えて、むせ返る様な薔薇、スミレ、ゼラニウムのねっとりとした濃厚な花の香り。
香りの強度は相当なもので一気にその華やかで濃厚な香りが広がる。コンポートしたダークチェリーやジャミーなプラムの様な甘やかな果実味と、シガー、パストラミハム、樫樽、ナツメグな香り。やはりこちらもオリエンタルなお香の香りが現れる。オイルの様な濃密度。
抽出が強いせいか、こちらの方が酸味が強くタンニンも強い。ただ香りにパワー感があり、その濃厚さとは上手くバランスが取れていると思う。
僕的には凄く好きな、香ばしくクリスピーなマジ シャンベルタンだ。
タイプは違うけどこちらも口当たりとスタイルはちゃんと合致してるね。


アルマンルソー、ルシアンルモワンヌのマジシャンベルタンのテイスティング。
同じ葡萄という噂だが、なるほど根本は良く似ている。
造りは全く異なるが思想の問題で根本の果実の風味は良く似ているとと思う。
凝縮感は同程度だが、手の入れ方が全く違う、そして何れも頂点と言っても過言では無い造り。
アルマンルソーはそのテロワールをもっとも美しく見える形で表現し、ルシアンルモワンヌは強い抽出で果実の持てるポテンシャルを全て引き出そうとしている。
表現の差はあれど根本の素材の近さを感じるし、どちらも卓抜した造りである事は間違いない。
どちらが優れているかは好みの問題だと思う。

ルシアン ル モワンヌの抽出の強さには驚きを隠せない。
恐らく新樽比率は高めで、長時間の低温発酵をしているのだと思う。
濃厚というと語弊があるが、凝縮感と香りの強靭さは比類無いものがある。
そこから導き出される香水の様な香りはブルゴーニュでもトップクラスといっていい。

アルマンルソーはルシアン ル モワンヌと比較した時に、色調は薄く抽出は弱めと感じる。しかしながらその分ピノの本来の姿を映し出していて、凄くピュアな造りだと言える。
こちらも新樽比率は高めだと感じたが、抽出は少なめにしていると思う。
とにかくべらぼうなバランス感。華やかで官能的でありながら、突出した要素は無く、全ての構成要素が絡み合う様に味わいの調和をもたらしていると思う。
甘く、華やかで官能的でエレガントな、マジシャンベルタンの極致とも言える香り、味わい。
また抽出の副産物とも言えるがタンニンも酸も穏やかで、全体のイメージを「華やかでしなやか、エレガントな味わい」という一点に方向性が向いている。
イメージの想像という意味ではエリックルソーの表現力の高さが伺い知れる。やっぱりここのジュヴレシャンベルタンは凄い。群を抜いている。

そしてジョルジュルーミエの モレ サン ドニ プルミエクリュ クロ ド ラ ブシエール。
ルーミエのワインを口にする事自体がもはや奇跡という他ないが、実はさほど感動はできなかった。
ややドライで果実の瑞々しさ、酸味を主張している造りは素直に素晴らしいと思えるが、ルソーやルシアン程の感動は無いし、できる事ならばシャンボールで味わいたかった方向性ではある。少なくともモレ サン ドニというテロワールにおいて期待していたものでは無い。
ジョルジュルーミエという事で期待はしていたが、やや拍子抜けした感じも。是非ボンヌマール、ミュジニー、アムルーズで感動してみたいね!



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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