こんばんわ。
さて、今回はアルザス特集です。
生産者はアルザスでは珍しい瞬殺銘柄を持つマルセル ダイスと、ジェラールシュレール。人気の高い2人の自然派生産者です。詳細は今回もリンクを貼っていますので、そちらをご覧ください。
銘柄はマルセルダイスがモンブール グランクリュ、ビュルレンベルク プルミエクリュ。ジェラールシュレールはビルストゥックレ ゲヴェルツトラミネールです。
生産者:
ジェラール シュレール 銘柄:ビルステゥックレ ゲヴェルツトラミネール 2002

約4000円、98年ヴィンテージは89点。
色調は濃い黄金色、粘性は低め。
紅茶とライチ、カリン、アプリコット、灯油の様なオイリーな味わい。
ねっとりはしてないがドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼが如き濃縮度の高い高密度な味わい。強烈な果実味が強い。
それと並行するように蜜蝋、強烈な白胡椒、ドライハーブ、ローストナッツのニュアンス。
非常に力強いアタックで強力な果実味が喉を焼くように襲ってくる。ただし、果実的な酸が強いので噛むような味わいも含めて非常に甘やかでわかりやすい味わいだと言える。白バージョンのシラーの様な味わい。
とても素晴らしい。
生産者:
マルセル ダイズ銘柄:マンブール グランクリュ 2009
品種:ピノ ブラン、ピノ グリ、ピノ ムニエ、ピノ ノワール

価格は12000円くらい。パーカーポイント86点。
色調は淡いストローイエロー、粘性は高い。強固なミネラル感、弾けるようなフルーツの爽やかさと蕩ける様な甘みとオイリーさが特徴的。
黄桃、アプリコット、マンゴー、焦がしバター、バニラの濃厚な甘やかさ。酸味に裏付けられた爽やかさとともに、メロンの果肉が如き蕩ける甘みを感させる。そしてシャンピニオン、白い花、ムスク、ドライハーブ、杏仁豆腐などの複雑なニュアンスが伴う。
ムルソーやピュリニーモンラッシェの一級クラスの様な上質なシャルドネを思わせるボディ。
アタックはやや苦味があるものの全体的には柔らかで濃厚な味わい。酸味も柔らか。本当に素晴らしいアルザス。
アペラシオンの潜在能力と、マルセルダイスのアッセンブラージュセンスを遺憾なく発揮した贅を尽くした一本。
生産者:
マルセル ダイス銘柄:ビュルレンベルク プルミエクリュ 2004 ルージュ
品種:ピノ ノワール95%、ピノ グリ5%

約8000円、2008年ヴィンテージのパーカーポイントは89-90点。
色調は濃いめのルビー、粘性は高い。抽出は高めで若干熟成感を感じるような作りで、紫スモモやドライイチジク、炭焼き、ゴム、鰹節、毛皮など。
強烈な渋みがあり、かといってエレガンスが強調されているわけではなく、ピノノワールとしては及第点に至らない。状態の悪さでは無く単純にこういうワインだろうか。
今回のアルザスはやはり白の素晴らしさが際立ちましたね。
マンブールとビルストゥックレは品種の違いはあれど共に果実の濃密感が素晴らしくて、甘酸っぱい核種系果実の味わいに満ちています。
マンブールはそれに輪をかけてブルゴーニュっぽい複雑さが現れて、一般的なアルザスのイメージを大きく覆す壮大なワインになっています。
もちろんアルザスには素晴らしいグランクリュはありますし(シュロスベルクとか...)、シャルドネとは全く違うんですが、構成というかアウトラインが良く似ていると思います。
強固な骨格と規模感、緻密な構成を持った非常に偉大な白ワインですね、これはぜひまた飲みたい。
それに対してマルセルダイスの赤は好みではなかったです。抽出が強烈であるのは色調を見ればわかるのだけど、渋みだけが際立って、果皮の華やかな香りがあまり感じられませんでした。コルク香や還元香とも思えないイヤな香りが鼻をつく感じであまり好みではありませんでした。
赤でややケチが付いた感じですが、本当に白の出来は素晴らしいです。
惜しい事になかなか飲む機会には恵まれなさそうですが、アルザスの素晴らしさを知ったテイスティングでした。
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