頂点に至るは必然か、神に祝福されたラトゥール、オーブリオン、ディケムを利く。


こんばんわ。
本気で首が回らなくなる前に更新します。
今回は前回同様ボルドーです。ただポムロールではなくメドックとソーテルヌになります。
両方ともジロンド川の左岸に位置していて、メドックはカベルネソーヴィニヨンとメルローで造る重厚な赤が、ソーテルヌはセミヨンで造る気品ある貴腐が有名ですね。
今回は左岸メドックの格付け一級シャトー ラトゥール、シャトー オーブリオン、ソーテルヌの特別第一級であるシャトーディケムを頂きます。


生産者、銘柄: シャトー オーブリオン2006
品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー37%、カベルネフラン18%

価格は103000円、WA96pt。
色調は黒に近いガーネット、粘性は高い。シェリーの様なやや熟成感の感じるニュアンス。
燻製肉や葉巻のスモーキーな香りと大地香、ブラックチェリー、カシスの香り、ミント、薔薇、西洋杉、シダの野生的な香り。僅かにピーマン香りが残留するが、インクっぽさはないと思う。炭焼きなどのニュアンスも。時間が経つと甘草や沢庵香が主軸となってくる。
タンニンは未だ強固で、酸も強い。スモーキーで複雑だが、ミディアムボディにも感じる軽妙さがある。


生産者、銘柄: シャトー ラトゥール 2006
品種: カベルネソーヴィニヨン80%、メルロー15%、カベルネフラン&プティヴェルト5%

約100000円、WA95pt。
色調は濃い黒に近いガーネット、粘性は非常に高い。
やはりラトゥールは強固だ、そして期待を裏切らない。異常な程のバランス感、甘露さ。
クレーム ド カシスやプラムのジャムの様な優美な果実味。やや柑橘の様なニュアンスやミント、ハーブの香りを主軸に、スミレや芍薬の華やかなアロマ。また西洋杉や炒ったカカオ、クローヴ、スーボワなどのスパイスや大地香を感じ取る事が出来る。
ややインクっぽく僅かにピーマンっぽい青っぽい香りも。しかしこのワイン時間が経ってもなかなか形が崩れない、徐々にイチゴなど軽やかな果実味も現れ、時と共に綺麗に変化していく。
アタックはやはりタンニンも酸味も強い。しかしエレガントなプラムの果実味の広がり(鉛筆の芯を伴いながら)が非常に素晴らしい。


生産者、銘柄: シャトー ディケム 2006
品種: セミヨン80%、ソーヴィニヨンブラン 20%

約90000円、WA96~98pt。
色調は濃い黄金色、粘性は高い。
ああ!すごいなこれ。
濃厚な黄桃やアプリコットのコンポート、蜂蜜、白い花、僅かに白胡椒、ややナッツっぽさ、マンゴーの様なトロピカルフルーツのニュアンスも。クリーム感も。
その残糖量としては奇跡的な程均整の取れたボディでアタックは軽やか、要素が非常に濃縮されている。この軽量感で濃度の高さはなんなんだろうね。とろける様な香りだ。


まずは赤から。流石にメドック一級ですね、一部のスーパーセカンドを除いて、他の格付けシャトーの一切を寄せ付けないクオリティだと思います。
一級随一の強固さと力強さを持つラトゥールと、ややミディアムボディ気味で神秘的なオーブリオン、この2本を平行出来たのは、その差異を理解する上でとても勉強になりました。
ラトゥールはポイヤックの王道とも言うべき造りを極限まで作り込んでいった極限に至ったポイヤック、そしてオーブリオンはグラーヴだけではなくボルドー全域を見渡した時にその特異性が際立つワインだと認識しました。
テロワールとしては隣接しているラ ミッション オーブリオンとも大きな違いがあり、こちらはどちらかというとポイヤックかサンジュリアンタイプだと思います。
なのでどちらかというと造りやアッセンブラージュに大きな違いがあるのかな、と勝手に理解してます。
ボルドーらしさを感じるのはやはりラトゥールでしょうか。卓抜した果実味や西洋杉、ハーブのアロマと強固で力強く、エレガンスも感じさせるボルドーとして最も心落ち着くタイプの造り。
対してオーブリオンは一見近寄り難く、排他的で内向的な性格が見られますが、神秘的でスモーキーな好きな人にはたまらないタイプのワインだと思います。
一級でもここの差異は大きいと思っていて、ムートンはややキャッチーながら完全にラトゥール寄り、マルゴーも同様ですが、滑らかさや軽妙さが突出している事を考えると中間、ラフィットはやや内向的な性格ながらポイヤックらしさを残している様に感じました。同じ一級でもかなり大きな差異がありますね。面白い。

次に今回特筆すべきワインだと感じたディケムですが、これは本当に凄いですね。
凡百の貴腐、レイトハーヴェストとは明らかに一線を画す存在だと思います。貴腐やレイトハーヴェストは所感では残糖に合わせて全体的に重さが伴いますが、まずディケムにはそれが無くて、非常にピュアで清涼感と軽やかさを伴います。
しかしながら、そこに内包する要素は非常に膨大で、さながら世界中の幸福の雫を集めて不幸の一切を拒絶した純水。ボトルの一滴一滴が幸福の顕現。

いいすぎかもしれませんが、それだけ感動したわけですよ。
これは値段つけられませんね。値段がついてるだけで安いと思います。

いやいや、貴重な体験をさせてもらいました。

  
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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