アンリ ルブルソー、畑の個性が明確に現れたジュヴレシャンベルタン特級3種



こんばんわ。
今年も残すところ、あと3日ですね。
一年、早いもんです。

それはそれとして、更新速度はできる限り緩めずにいきます。正月は実家に帰りますが、それ以外は特になんもないので。あー、またフランス行きてえ。

今回はアンリ ルブルソーのシャルムシャンベルタン、マジシャンベルタン、シャンベルタンの3種類です。

アンリ ルブルソーはジュヴレシャンベルタン村に拠点を置く伝統的な生産者で、シャンベルタンを含む4つの特級畑を所有しています。
いずれもスター生産者の様に凝縮感が強い訳ではなく、抽出が強い訳でもなく、樽が強い訳でもなく、いわゆる非常にスタンダードなブルゴーニュルージュを作っています。ただ、テロワールの特徴に基づいた非常に厳格なワイン作りをしていると思います。


生産者: アンリ ルブルソー
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2000

約12300円、WA85-88pt(1999)
色調はややエッジに橙を帯びた赤みの強い明るいルビー、粘性は中庸。
かなり熟成感が出ていて、クラシックでしなやかな印象を受ける。
枯葉、紅茶などの枯れたニュアンスと共に、生肉の熟成香、レッドカラント、ストロベリー、フランボワーズの穏やかで柔らかい果実味が感じられる。控えめながらドライフラワー、スミレなどの華やかなニュアンスと腐葉土、濡れた樹皮、トリュフなどの大地香。クローヴ、鰹節、クルミのニュアンス。
酸は柔らかいがしっかりとタンニンが残っている。口に含むと枯葉などの紅茶のニュアンスが広がる。クリーミーで柔らかい印象。


生産者: アンリ ルブルソー
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2000

約21000円、WA85-88pt(1999)
色調はややエッジに橙を帯びた赤みの強い明るいルビー、粘性は中庸。
シャルムと比べるとべらぼうにパワフルで野生的な印象を受ける。枯葉、紅茶、シベット、生肉などの枯れた香りと野生的な香りが際立っている。果実味は未だ力強く主張しておりフランボワーズ、ストロベリー、アメリカンチェリー、やや梅柴の様な旨味を感じさせる味わい。黒い果皮のスミレ、茎の華やかな香り。ローズヒップ、腐葉土、トリュフなどの大地香、クローヴ、クルミ、甘草、炭焼きなどの複雑なニュアンス。
酸もタンニンも力強く、口の中でシベットや枯葉のニュアンスが現れる。パワフルだが非常に複雑な味わいが楽しめた。


生産者: アンリ ルブルソー
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2000

約40000円、WA86-89pt(1999)
色調はややエッジに橙を帯びた赤みの強い明るいルビー、粘性は中庸。
力強すぎで閉じこもっている、硬い。少しづつ開いてくると果実味と花の香りを強く感じる、若々しさが突出している。
ダークチェリーやブラックベリーの厚い果皮を想起させる華やかなニュアンス。果皮から現れる華やかな薔薇やスミレのニュアンス。やや枯れた印象を受ける紅茶、ローズマリー、燻製肉の要素。控えめながらシベットやベーコンなどの野生的な香り。樹皮、トリュフの大地香。クローヴ、タール、炭焼きなど。少しずつ、枯葉などのニュアンスが現れてくる。
骨格や全体の要素が非常に力強くパワフル。群を抜いたポテンシャルがある。まだまだ熟成しそうな印象。過度に野生的では無く、強固ながらエレガンスも感じさせるグランクリュ。


さて、なかなか特徴的な3本でしたが、アペラシオンの特徴と照らし合わせていきます。

まずシャルムシャンベルタンはシャンベルタンの下部にある特級畑で、やや緩やかな斜面ですが東向きに大きく開けた立地。バジョシアンの泥灰岩とウミユリ石灰岩。

マジシャンベルタンはクロ ド ベーズ北側に隣接するグランクリュですね。序列でいうとシャンベルタンとクロ ド ベーズに次ぐ第三位とされている時が多いです。ジュラ紀中期のバトニアン地質(褐色石灰岩と粘土)で表土はやや厚め。ラヴォー渓谷とモレ渓谷の背斜面からの冷涼な風の影響を受けて硬質で骨格の強いワインになります。

シャンベルタンはジュヴレシャンベルタン最高の特級畑。土壌はジュラ紀中期のバトニアン地質(褐色石灰岩と粘土)で表土はやや厚め、土壌は概ねマジと似ており、またシャンベルタンはグリザール小渓谷からの冷涼な風の影響も受けているので、こちらも堅固で骨格の強いワインが出来上がります。この2つの畑は概ね生育期間も近いかと思います。

シャルムシャンベルタンとマジ、特級シャンベルタンの間には大きな違いがあると感じました。
今回のルブルソーを例に見ると、シャルムシャンベルタンはやはり斜面下部であり、成熟度がシャンベルタンより低いままグリザール小渓谷からの風の影響を受けるので、シャンベルタンと比べるとやはり体躯は劣るし似てもいないかな、と。
故にシャルムは12年の熟成期間に若干耐えきれていない様で、やや枯れ気味の味わいが出ていたと思います。
これがグリヨットやシャペルなら斜面下部ではあるなら風の影響は受けないのでちょっと良くなってくると思うんですが。
各渓谷からの風の影響を受けるジュヴレシャンベルタンのテロワールですが、なんとなく思ったのが相当地質と日照が好条件でない限り冷涼な風が与えるニュアンスはバランスが取りにくいのではないかなと思いました。

上記の方程式に当てはめるとシャンベルタンは相当好条件の土壌が与えられていて、下部でありつつ特級足りうるシャルムは日照は良好だが、根が経由する地層が少なくで複雑味に欠ける、そのため冷涼なニュアンスでアンバランスさが生じてしまうと。
またマジはシャンベルタンと標高、日照、地層の構成は変わらないのですが、恐らく土壌の性質そのものが若干シャンベルタンと比べると弱くシンプルになるのではないかと思います。
マジがシャンベルタンより下位のアペラシオンとすると、その下部にあるコンボット、クロ プリュール、ペリエールという一級畑指定されるのも納得、シャルムのグリザール小渓谷同様、ラヴォー渓谷からの風のニュアンスに耐えられないという認識です。
ただそうは言ってもルブルソーのマジは本当に体躯がしっかりしていて、熟成感を感じさせつつ果実味も十分に残っている。野生的でジュヴレシャンベルタンらしい堅固なニュアンスがあって非常に魅力的なワインになっていました。
対してシャンベルタンは、間違いなく若々しいのですが、やや閉じこもり気味の印象です。日照や風の影響は似たもんだと思いますので、恐らくは地層の違いによるものだと思いますが、非常に力強く複雑で、エレガンスに満ちたワインになっています。

まとめると
1:地層的にシャンベルタンはマジシャンベルタンの上位互換である
2:マジとシャンベルタン日照条件は同等である。(シャルムと一級群も)
3:冷涼な風の影響に若干差異があるかもしれないが、まあまあ近いと思う。
(グリザール小渓谷とモレー、ラヴォー渓谷)

そのため、マジとシャンベルタンは概ね地質的な問題で風味の違いが、シャンベルタンとシャルムは地層の違いで強固さに違いが出ているのではないかと考えます。

稚拙な予想ですが、年末ですし、ゆっくりとお正月に本でも眺めて調べてみようかなーと思っています。


  
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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