2012ワイン総括(白)

こんばんわ。
2012年総括、白です。

■白総評
白同様、ブルゴーニュにおいては昨年と比較して、土壌、日照、ヴィンテージを幾つかの水平垂直を経て学ぶ事が出来た。また、その他の地域に関しては、赤に対してやや経験値が劣った各品種間の差をより理解する事が出来たと思う。

■ブルゴーニュ白
順位付の基準は概ね赤と同様としているが、より白においては好みを優先させている。従って必ずしも「上位ほど偉大なワインである」という訳では無い。
ブルゴーニュ白においては、やはりコート ド ボーヌより産出されるシャルドネが上位となった。テール ブランシュ、及びモンリュイザンなどのニュイの白一級、メルキュレなどのシャロネーズも素晴らしかったが、今回はいずれもムルソー、シャサーニュ、ピュリニーに比肩する白は無かった。
なお前提として私個人としてムルソー贔屓という事をご理解ください。

1.ムルソー 1995(コシュ デュリ)
2.ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2009(ルーロ)
3.シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2010(ラモネ)
4.バタール モンラッシェ グランクリュ 2010(ルフレーヴ)
5.ムルソー プルミエクリュ シャルム 2008(コントラフォン)
6.ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ シャンガン 2008(ドミニク ラフォン)
7.ムルソー クロ ド ラ バール 2009(コントラフォン)
8.ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ ラ ピュセル 2010(ルフレーヴ)
9.ムルソー プルミエクリュ クロ ド ラ ペリエール 2010(アルベール グリヴォー)
10.バタール モンラッシェ ポール ペルノ 2010(ポール ペルノ)

まず最上位としたのはコシュデュリの村名ムルソー。一級ではないし、ピュリニーやシャサーニュの特級ではない。
まず、村名のイメージと圧倒的に乖離した複雑さ、果実味である事、そして熟成感がバランスよく編み込まれていた事を評価したい。価格帯も村名レベルでは無いのだが、驚きと喜びに満ちた体験という意味でコシュデュリのムルソーを最上位に据えた。
次にルーロのムルソーペリエール。ムルソーとしての特徴は残しつつ強烈なミネラル感を包含し、非常に引き締まった清涼感のある印象のワイン。豊満なシュヴァリエモンラッシェと言ってもいいほど要素は充実している。
また序列3位に付けたラモネのシュヴァリエモンラッシェは更にピュリニーの特徴をすべて先鋭化させた様な作りでこちらも恐るべきミネラル感を持ったワイン。冷ややかで引き締まった強固な体躯を持ったワイン。
この2本は圧倒的にミネラル感が強く、そのミネラル感に負けないくらい、ペリエールであればオイリーさやリッチさが、シュヴァリエであれば白い花や果実味が溢れている。
ともすれば強烈なミネラル感によって閉じこもってしまいそうな香りを、卓抜したそれらの要素で均衡を保っている様な印象。そして全体的に強固で複雑なニュアンスと膨大なエネルギーを感じさせる味わいなっている。これらのことからこの2本を2位3位に選出した。

次に序列4位から8位まではルフレーヴとラフォンファミリー。
ルフレーヴだと特級バタールが最上位となり、一級ピュセルが続く。
ラフォンは、本丸コントラフォンの一級シャルム、次いでドミニクの個人ドメーヌの一級シャンガン、村名クロ ド ラ バールが続く。
ルフレーヴもラフォンも当然ながら、そのワイン作りに一本筋が通った作りをしている。
その中で卓抜したワインは数多く見られたが、特にこの5本はいずれも素晴らしく甲乙を付け難い品質だったと思う
ルフレーヴはブルゴーニュにおけるシャルドネの手本となるような、樽を抑えた透明感と凝縮した果実味を味わえるスタイルを、ラフォンはリッチで濃密感のあるスタイルを貫いていた。(ドミニクのシャンガンのピュリニーらしい清涼感やミネラルの硬質さがあるもの、どこかムルソーを感じさせるリッチで濃密な味わいだったと思う)。
これらスタイルは生産者の個性そのものだが、追従する生産者が多い為、飛び道具的な面白さは全く無かった。しかし、卓抜した品質と官能的な味わいは無二のものであり、上位3位にと全く遜色のないものだと思う。飛び道具的な個性、そして感動の瞬発力を反映せた結果、4位以下とした。二度言うが、品質としては3位以上と全く遜色はない。シャルムやバタールは品質だけで言うなら2位3位でもいいくらい。

最後の2本は完全に好みで選んでいる。ボリューム感とムルソーとしては強固なミネラルを持つクロ ド ラ ペリエール、酸味を感じるタッチから時間をおくと急激に甘さを放出するポールペルノのバタールモンラッシェだ。クロ ド ラ ペリエールのミネラル感はペリエール同様アペラシオンの個性に所以するものなのか。流石にルーロのペリエールと比較すると、やや凝縮感に欠ける部分はあるものの、非常に魅力的なミネラル重視のムルソー。いわゆるリッチでボリューミーなムルソー一本筋を立てた様な素晴らしさ。
ポールペルノは本当に好みで抜栓直後のドライさから、本当に一変して甘やかに変化して行く抑揚がいいですね。
なお今回アリゴテの可能性を見たポンソのモンリュイザン、強固でありながら甘露なボノーのコルドンシャルルマーニュ2010、可能性を感じさせたパトリックジャヴィリエのムルソーは選外としたが、これらも非常に素晴らしいブルゴーニュだったと思う。



■白(ブルゴーニュ以外)
やはり出来の良いシャルドネが好きなのか、概ね上位は新世界のシャルドネが占めるが、セミヨン、ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌ、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ピノグリなど、様々な品種において偉大な白を発見することが出来た。

1.シャトーディケム 2006
2.キスラー パーメリーヒル ストーンフラットヴィンヤード 2009(キスラー)
3.コングスガード ザ ジャッジ シャルドネ 2009(コングスガード ワイナリー)
4.エルミタージュ エクス ヴォト ブラン 2009(エティエンヌ ギガル)
5.プイィフュメ ド プイィ シレックス 2008(ディディエ ダグノー)
6.コンドリュー ラ ドリアンヌ 2010(エティエンヌ ギガル)
7.エルミタージュ ブラン 2009(ジャン ルイ シャーヴ)
8.マンブール アルザス グランクリュ 2009(マルセル ダイス)
9.リースリング シンガーリーデル トロッケン ベーレン アウスレーゼ 2009(ヒルツベルガー)
10.ラ クラルテ オーブリオン 2009

・ボルドー
ディケムは圧倒的でした。
甘口で粘性は高く、複雑な芳香を放つのに、ベタついた所が全く無い。文句無しのトップ。他の辛口と単純比較は出来ないが、それを差し置いても受けた感動を考えると序列一位に相応しい。
ラクルテは非常にシャルドネにタッチが近い、それでいてやや清涼感を感じさせる濃厚だが非常によく出来たソーヴィニヨンブラン、セミヨン。それがボルドーで産出されたものであるという事に感動を覚えた。
なおいわゆるアンドゥルトゥメールの様なソーヴィニヨンブラン主体のワインからは選出すべきものは無かった。

・新世界
キスラー、コングスガードのザ ジャッジ共に本当に素晴らしいシャルドネでした。
キスラーはモンラッシェを、コングスガードはシャンパーニュの最良のブラン ド ブランやムルソーペリエールを想起させる凄まじい「新世界の」シャルドネ。価格も高いが、既にフランスのコート ドールのシャルドネに肉薄している。タダのコピーでも十二分に奇跡的だが、そこに新世界のキャッチーさやボリューム感は確かに存在する。潜在能力では無く、単純に現時点での素晴らしさを評価したい。

・ローヌ
正反対の作りながら北部の白のブルゴーニュにも劣らぬ卓抜した個性を持ったギガル、シャーヴのエルミタージュ、コンドリュー。「ローヌとは(こういうものだ)」という問いに答えられる様な画一的な作りでは無く、生産者の個性に答える事の出来るアペラシオンと品種の多様性に心底感心した。生産者が己が個性を存分に発揮している。
コンドリューはソーヴィニヨンブラン的であり、かつ複雑さと骨格を併せ持ったワインだと思うし、エルミタージュの2種に至っては片やシャルドネ的な味わい片やゲヴェルツトラミネール的な味わいと多様性に富んでいる。アッセンブラージュはほぼ変わらないのにここまで素直に味わいに変化が現れるのは驚きだ。

・ロワール、アルザス、オーストリア
いずれも個性としては異なるが、非常に偉大な3本だと思う。
ロワールのプイィフュメは元々好きなアペラシオン。シレックスはその魅力である清涼感のあるフルーティな果実味とミネラル感を極限まで突き詰めている。特にそのミネラル感たるやピュリニーやコルトンシャルルマーニュを優に凌駕する硬質さ。
そしてマンブールはピノ4種類の枠にとらわれないアッセンブラージュ、その結果シャルドネを想起させるボディ、そして貴腐やTBA(トロッケンベーレンアウスレーゼ)の様な蕩ける甘露な香りを得た異形で偉大なワイン。そのスタイル、個性は既存のアルザスの枠を大きく飛び越える。
シンガーリーデルTBAはダージリンや桃、アプリコットなどの酸味や旨味をフィネスとともに残した鮮烈な作りの甘口ワイン。
いずれも素晴らしく個性に溢れていた。基準にはならないだろうが偉大な3本である事は間違いない為、選出した。


今回はブルゴーニュのシャルドネの素晴らしさを再確認すると共に、その他の地域の白にも、その多様性に非常に魅力を感じている。
その差異を表すのは大きな所言えば生産者、品種、日照条件であるが、テロワールなどの微細な違いも今後迫って行けたらいいなぁ、と思います。
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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