超絶古酒を味わう(ブルゴーニュ赤 90年代)

こんにちは。
今回はブルゴーニュ赤古酒、ジョルジュルーミエのクロ ヴージョ1996、エマニュエル ルジェのクロパラントゥー1995です。

ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限、そして無清張、無濾過で果実本来の力を引き出す造りをしています。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率となります。フラッグシップは幻とも言えるミュジニーグランクリュを筆頭にボンヌマール、レ ザムルース。今回は1995年以降ローランルーミエに譲渡した為現在のポートフォリオには含まれていないクロ ヴージョです。

エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ トップクラスの生産者である事は間違いないでしょう。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。
フラッグシップはエシェゾーと一級レ ボーモン。そしてまさに旗艦銘柄に相応しいアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥー。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 1996

約63000円、WA89-91pt。
色調はエッジに橙を帯びたルビー、粘性は中庸。
香りは大きくは立っていない。
綺麗な熟成香が強く出始めており、クロヴージョとしてのキャラクターは弱くなっている。
ベーコンや生肉、沢庵。トリュフや濡れた樹木、腐葉土、タバコの香りを主軸として、グローヴ、リコリスなどのスパイス。ドライフラワー、焼いた藁などのアロマ。紫スモモの果実味がある。白カビやドライハーブの風味も。
タンニンも酸も共に力強く若干トゲトゲした感覚がある。
やや果皮の厚い紫スモモの旨味が口の中で広がる。
エレガントだが、更なる熟成によって素晴らしい味わいに転化するだろう。


生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 1995

約130000円、WA93-95pt(1996)
色調は澄んだ濃いルビー、粘性は高め。
こちらもやはり熟成香が中心となっていて、先日のメオカミュゼのクロ パラントゥーとは全く異なる印象を受ける。
コリアンダーやシベットの強烈なインパクトを感じる芳香。
そしてドライハーブやグローヴ、スパイシーな燻製肉など野生的なアロマ。ドライフラワー、梅柴、紫スモモなどの凝縮した果実味がある。枯葉、腐葉土、トリュフなどの大地香はやや控えめ。時間が経過するとシナモン、チョコレート。そして乾いた藁、粘土、紅茶、コンソメが現れる。
凝縮感と熟成香は強烈で、酸とタンニンが堅固。口の中でやや荒っぽい梅柴風味と旨味を感じられる。こちらもクロ ヴージョ同様、更なる熟成が必要となるだろう。


(熟成的な観点)
ともに熟成過程で未だ本領が発揮されていない感じ。
タンニン、酸ともに荒々しく、ボディはしっかりしていたので、あと5~10年は待たないといけないかもしれません。タンニンと酸が旨味と熟成香に転化して果実味がまだ残っている状態になればきっと美味しいのだろうな、と思いました。
現状としては熟成香とタンニンの刺々しさ、酸のキツさがやたらと目立つワインだと思いました。ただその中にあるエネルギーや複雑さは、やはり他のブルゴーニュとは群を抜いている感じはしましたね。


簡単にブルゴーニュピノノワール限定で熟成チャート作ってみた。
もちろん生産者、ヴィンテージ、畑によって全然違うんだけど、なんとなくこんな感じの推移で、こんな感じの時が飲み頃的な感じ?的な所をまとめてみました。割と適当なんですが...。


(畑の立地的な観点)
熟成香が強く出ていた為、あまり畑の個性は感じ取る事が出来ませんでした。
ちなみにルーミエのクロ ヴージョの立地はフラジェエシェゾー寄りで海抜240m~260m(下部、中部)に0.53ha畑を所有しています。立地としては結構平凡な立地になります。とはいえかなり力強い骨格を持っていて、荒いタンニンは現在のルーミエからはちょっと想像しにくいなぁ、という気がしました。現当主のクリストフは92年からジョルジュルーミエの指揮をとっていますから、このクロ ヴージョもクリストフの手によるものでしょう。
そもそもこの頃の若い状態でのルーミエのワインを飲んだ事が無いので何とも言えませんが、強いて言えばクロ ド ラ ブシェールに近いでしょうか(ただタンニンはもっときめ細やかだし、酸も奇麗です。)
クロ パラントゥは説明不要ですね。リシュブールの上部、プティモンに隣接している畑です。
こちらでも詳しく書きましたのであまり言及はしませんが、元々比較的冷涼な気候でミネラル分が豊富な立地の為硬い印象を受けますね。ただメオカミュゼとエマニュエルルジェではタイプが全く異なるし、ルジェの1995の若い状態のワインを飲んだ事がないので何とも言えない・・・

正直な気持ちとしては美味しいか美味しくないかと言われれば「ううん?」としか答えられないですね。とても偉大なワインである事は良くわかるのですけど、まだ、全貌は表してない感じですね。
もう少し時間を置かないと奇麗な形にはならないかもしれません。
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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