キスラーのノワゼッティエール、マックレアヴィンヤード、ルシアンリバーヴァレーを利く



こんばんわ。
今日はカリフォルニア、キスラーのテイスティングレポートです。
ノワゼッティエール シャルドネ、シングルヴィンヤードのマックレアヴィンヤード シャルドネ。そしてレアなピノノワール ルシアンリヴァーバレーです。

キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。
醸造工程はそれぞれ異っており、ノワゼッティエールはMLF後フレンチオークの新樽30%1年樽70%で10ヶ月熟成。
マックレアヴィンヤードもMFLを行いフレンチオーク新樽50%旧樽50%で11-18ヶ月熟成を行う。
ルシアンリヴァーヴァレーはフレンチオーク新樽60%旧樽40%て14ヶ月の熟成(MLFの記載はありませんでしたが、赤ですし、まず間違いなく行っているでしょう)させる。
すべて無濾過、無清張で瓶詰め。
ブラックシップはキュヴェ キャスリーン(Ch100%)、キュヴェ エリザベス(PN100%)。

さて、いってみましょう。


生産者: キスラー
銘柄: ソノマコースト レ ノワゼッティエール シャルドネ 2011

10500円
色調はストローイエロー、粘性は高い。かなりしっかりとしたミネラル感を感じる作り。
非常に甘露だがシロップの様な甘みではなく、核種系果実の蜜の様な果実味が主軸となる。洋梨や白桃の濃厚な果実味とバニラのリッチな風味。ヘーゼルナッツやドライハーブ、シナモン、ややスパイスの様な風味も。たまにソーヴィニヨンブランの様な清涼感を感じさせる部分もある。
酸味は柔らかくシルキー。口の中でバターや洋梨の果実味があふれる。
最上の生産者のムルソーペリエール的な作りと言える。


生産者: キスラー
銘柄: ソノママウンテン マックレアヴィンヤード シャルドネ 2010

16800円
こちらはより石灰を砕いた様な強固なミネラル感を感じる。
粘性は高く色調は淡いストローイエロー。
より複雑でナッツ類や焦がしバターのオイリーなニュアンスが主軸となる。徐々にノワゼッティエールに見られる白い花やバニラ、そして洋梨と黄桃の酸味と蜜の甘みが現れる。ドライハーブ、シナモン、シャンピニオン、蜜蝋、リコリスなど、より複雑な風味が感じ取れる。
液体の密度はよく目が詰まっており、しっかりしたミネラル感がある。酸味は比較的穏やかで、口内で膨らみのある果実味とバニラの芳香を強く感じられる。やや出汁の様な風味も。


生産者: キスラー
銘柄: ルシアンリバーヴァレー ピノノワール2010

10500円
色調は深いルビー、粘性は高い。
若干酸化が進んでいる印象だが、アメリカンチェリーやラズベリーのジャムの様な果実味が主軸となっている。
薔薇やスミレのドライフラワー、茎や若い葉の青っぽさや、野生的なパストラミハムや生肉のニュアンス、シナモン、シロップの甘い樽香、グローヴ、クルミ、ワッフルなど。
酸味とタンニンはやや強めで凝縮感と旨味がしっかりと感じられる。
やや酸化しているのは残念だが、密度の高い果実味やベリー系の香りがなかなか官能的だ。いわゆるカリフォルニアのピノノワールではなく、ブルゴーニュの良い所もきっちりと取り入れている。


ここで際立つのが、最も手に入りやすい銘柄であるノワゼッティエールの品質がべらぼうに高い事ですね。
価格はキスラーでは最安値でありますが、ピュリニーの様なミネラル感と濃厚さがあります。そして非常に甘露。
これはフレンチオークの新樽の風味と生来の果実の品質の高さに起因するものだと思います。ミネラル感は...土壌に言及がないので、なんとも言えませんが、多分他のヴィンヤード同様石灰岩地質かなとは思います。
そしてそのミネラル感は上位キュヴェのマックレアヴィンヤードで更に増していきます。また濃厚さ、液体の厚み、全体的な規模感が一回り大きくなっている様に思えます。
もともとノワゼッティエールのバランスが非常に良いので、ややミネラル感、複雑さが突出しているのは、なかなか個性が出ていていいんじゃないでしょうか。こちらはムルソーペリエールを想起させる様な作りだったと思います。
マックレアヴィンヤードは標高250mにあり、気候は冷涼。石灰岩と火山岩で構成されているという事なので、ミネラル感の強さは、恐らくそれに起因するものではないかと。濃厚さと複雑さの違いは新樽比率がやや増えたのと熟成期間の違いですかね。多分。

最後はレアなピノノワール。
ルシアンリヴァーヴァレーにあるピノノワールの畑は土壌は小石が多い砂質土壌と海の堆積物に構成された土壌で構成されており、標高は高く気候は冷涼なようです。
ちょっと酸化のニュアンスがあったのは残念ですが、素姓はとても良いのはよくわかりました。膨れ上がった様なボリューム感ではなくて、目の詰まった凝縮感のある果実味のピノノワールでした。
ややタンニンや酸の強さは目立つのですが、比較的冷涼な気候かつ、もともと果皮が厚いか、もしくは抽出を強めに行っているからか。非常に華美な印象を受けますね。
ここらへんの華やかさはカリフォルニアっぽくなくて、むしろかなりブルゴーニュの濃いめのピノっぽさを感じます。
かなり良いですが、ブルゴーニュや先日飲んだポールラトーのピゾーニの方が魅力的に感じました。最高の状態で飲めば、また違った感想が出てくるかもしれませんが...

ピノノワールも良かったですが、やはり真価はシャルドネですね。
確かにブルゴーニュのグランクリュに接近する白である事は間違いないと思います。やや厳しい印象も残すそれに比べると、こちらの方が近寄りやすい気もしますね。


ところで散々MLF(マロラクティック発酵)書きましたが、あれって15度から18度と高めの温度でリンゴ酸を乳酸に分解する現象だったと思うんですが、一個だけ疑問点が。
もともと低温でアルコール発酵を行う白ワインは意図的に温度をあげてMLFを行いますが、赤は自然発生的に起こるんですよね。それはわかるんですが、12度程度(MLFが起こらない温度)で行う低温浸漬と組み合わさった場合どうなるんだろうな、と。
勝手な想像ですが、破砕圧搾→低温浸漬(12度程度)と同時にアルコール発酵→徐々に温度を上げてマロラクティック発酵(12度以上)みたいな感じ?
だれか教えてください!



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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