流麗で可憐な2008、強固で力強い2009、2010。反転するラルロー クロ デュ フォレ サンジョルジュ垂直。


こんばんわ。
本日はドメーヌ ド ラルローの08,09,10の垂直です。
ドメーヌ ド ラルローはかなり好きな生産者で、クロ ド ラルローの華やかさと言ったらないですね...。

ドメーヌ ド ラルローは大手保険会社アクサ ミレジム(日本のアクサ損保と資本関係あるのかな?)がオーナーのドメーヌ。責任者はジャックセイスのDNAを受け継ぐジャン ピエール ド スメを雇い入れています。
栽培は完全ビオディナミで除草剤、殺虫剤は使用しない。プレパラートを使用するかなり本格的なビオです。
収穫後は除梗、低温浸漬も行わなず、抽出は発酵後一週間後に行う1日3回のピジャージュのみ (状況によってルモンタージュも実施)。新樽率は45-50%以上。樽熟成期間は不明。無濾過で瓶詰めします。
今回のクロ デ フォレはクロ ド ラルロに並ぶラルローのモノポール。シルトと粘土で構成された緩斜面に位置しています。

ではいってみましょう。


生産者: ドメーヌ ド ラルロー
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ クロ デ フォレ サン ジョルジュ 2008

8000円、WA92pt。
色調は濃いルビー、粘性は中庸。
08にして凄まじく華やかでパワフルな芳香。ややブレタノ系の香りがある。卓抜したミネラル感。
チェリーリキュールやアメリカンチェリーのコンポートの様な濃厚な果実味と薔薇やスミレの華やかさが主体となる。なめし革やお香、八角、鉄釘、口に含むと茎やクローヴ、徐々にハーブの風味も。ワッフルなど。
華やかさが重視されており甘露さは強くは無い。3本の中で最も華やかで艶やか。
酸味、タンニンが強い。加えてやや苦味があり舌の上での印象はあまり良くないが、膨れ上がる香りの妖艶さが全てを帳消しにする。


生産者: ドメーヌ ド ラルロー
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ クロ デ フォレ サン ジョルジュ 2009

11000円、WA92-94pt
08に比べてやや閉じこもった印象。土やシャンピニオン、五香粉、線香などのやや樽っぽい香りが強力に先行する。
徐々にブルーベリーやダークチェリーの黒系果実の甘やかさや果実味が現れてくる。全体的な印象としてはローステッドで重々しい。
炭焼きやムスク、漢方、燻製肉、なめし革。ややシロップやスミレの様なニュアンスも現れてくる。
こちらも2010同様最後まで樽に支配されていたが、甘やかさは最もしっかりと現れていたと思う。
口当たりは08同様タンニン、酸が荒々しく、苦味を感じる。
香りが08と比べて重めなだけ、少し苦味が気になる。液体の密度は軽め。こちらも果皮の厚さを感じる風味。


生産者: ドメーヌ ド ラルロー
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ クロ デ フォレ サン ジョルジュ 2010

12000円。
色調は濃いルビーで粘性は中庸。
丁度2009と2008の間くらいの印象。適度に華やかで、樽香もしっかりと効いている。
五香粉や線香の様な樽香とダークチェリーやブルーベリーなどの黒系果実の濃縮した果実味がある。
最も野生的な風味が強く、煌びやかななめし革や鉄分の香り、そしてミネラル感が徐々に伸びてくる。ムスク、シャンピニオン、土っぽさ。
全体的には2009年同様ローステッドで炭焼きの様な印象を受けるが、その分薔薇やスミレの華やかさは強く感じる。また2008と比べて果実の蜜の様な甘露さがキッチリと現れてくる。
最後まで樽香が支配している。またやや茎っぽい青いニュアンスも感じられる。
こちらも他のヴィンテージ同様、タンニンと酸が強く、苦味が残る。口の中でちょい甘やかな果実味がある。華やかさもある。


どれも素晴らしかったですが、やや2010と2009は樽のニュアンスが強く取っ付きにくかったですね。特に2009はやや閉じこもった様な印象がありました。ただ開き始めてからのねっとりとしたシロップの様な甘露さの発露は最も明確であったと思います。
2008年はその逆で正に最初のフルパワー時期。べらぼうに華やかで強固なミネラル感、花や果実の蜜の様な清涼感のある瑞々しい甘さ、複雑な要素が一気に押し寄せてくる感じ。
2010年は丁度その間ですが、どちらかといえば2009年寄りですかね。樽は強いですが、適度に華やかで果実味も瑞々しかったです。要素も複雑。
タンニン、酸が強いのでポテンシャルは高そうですが、現時点ではあまりバランスが良くないかな、と。

2008年はこの中だと本当に卓抜していて、私が好きなラルローのワインそのものでした。純真無垢で清涼感のある凝縮感に満ちたピノノワール。素晴らしい。
ただ、これはヴィンテージ全般的に言える事ですが、タンニンの裏にある嫌な苦味が気になりました。
新樽比率が高いのとドメーヌで乾燥させているアリオ樽のロースト具合によるなのかしら...フェヴレのフランソワ 時代のワインを思い出しますね。これ。
さて、ヴィンテージとしてはそれぞれどうだったのでしょうか。


2010年 : 収量は落ち込み、開花も遅かったが、夏以降の天候が安定していた。

2009年 : 収量は多く、ビックヴィンテージ

2008年 : 収量が大きく減る様な天候には見舞われなかったが、1年通じて不安定な年。


2009年はブルゴーニュにとってのビックヴィンテージでした。ラルローのワインは硬く閉じこもっていましたが、確かに果実味は豊かでタンニンや酸は充実していたと思います。
2010年は収量こそ落ちましたが、夏に問題がなかったとの事ですので、こちらも比較的良いヴィンテージと言えるでしょうか。単純に冬場に自然による選定が行われたと考えれば、2009年程ではないにせよ、似た性質になるのは自然ですかね。
2010年にせよ、2009年にせよ、恐らくかなりタンニンや酸、果実味は出ているので、長熟型として樽をしっかり効かせたのではないかな、と思います。

対して2008年は成熟期である夏場が不安定な気候だった為、熟度が上がらなかったのかな、と。
ミルランダージュや未熟な房などもあったと思いますので、葡萄そのものの力自体が2009年, 2010年に劣っていて、それに対してバランスを取るために樽を弱めにしたのか。 若しくは抽出を強めにしたのか。まあ、わかりませんが、非常に現段階で均整の取れた味わいだと感じました。

ラルローは2008年いいですね。
2009年、2010年は年を追うと、素晴らしい味わいとなりそうですが、今飲むのなら2008年がオススメです。
それと2006年もなかなか良かったと思います。

そんな感じです。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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