超優良生産者シリュグ、コンフュロン、トランブレーの一級、特級を利く

こんばんわ。
今日もブルゴーニュですが、特に縛りは設けず3本レビューします。
ロベール シリュグのヴォーヌロマネ一級プティモン、ジャン ジャック コンフュロンの特級クロ ヴージョ、セシル トランブレの特級シャペル シャンベルタンです。


ロベールシリュグは1960年創業の小規模ドメーヌ。某コミックで偉大なワインとしてグランエシェゾーが紹介されていましたが、まあ、今ではちっとも手に入りません。元からレアですが...
今回はプティモンです。
平均樹齢は45年。栽培はリュットレゾネで行われ、収穫はすべて手作業。収穫後の果実は100%除梗を行った上で、30℃から32℃の温度に維持したまま、ステンレスタンクによる発酵が行われる。プティモンは新樽比率50%で18~20ヶ月熟成される。熟成中の澱引きは2回程度。無濾過、無清張で瓶詰めされる。フラッグシップは前述の通り、グランエシェゾー。

ジャン ジャック コンフュロンはプレモープリゼで18世紀に設立されたアラン ムニエ率いるドメーヌ。
今回のクロ ヴージョは前当主とシャルル ノエラとの結婚によってもたらされた特級畑。(その時にサンヴィヴァンも継承している)
クロ ヴージョの区画はグラン モーペルテュイ(か、その周辺)。
平均樹齢は45年、1991年よりビオロジックを導入し、馬での耕作、厳格なヴァンダンジュ ヴェールトが行われる。
除梗は特級で70%程度。低温浸漬を行った上でアルコール発酵を行う。ピジャージュのみで、ルモンタージュは行わない。キュヴェゾンは2週間前後。新樽比率はクロ ヴージョおよびロマネ サン ヴイヴァンで80-100%。熟成期間は15ヵ月から18ヵ月間。その後無清澄、無濾過で瓶詰めされる。
フラッグシップはロマネ サンヴィヴァンとクロ ヴージョ。

セシル トランブレは2003年からメキメキと頭角を表してきているルーキー生産者。有機農法やビオディナミの手法を実践している。
一部除梗した果房を木製発酵タンクで1ヶ月ほど発酵を行い、垂直式圧搾機でプレス、新樽比率75%で18ヶ月の熟成を行う。その際に澱引きは行わない。無濾過、無濾過で瓶詰め。抽出は過度には行わないそうです。
フラッグシップはエシェゾー ドゥスュ、シャペルシャンベルタン。

さていってみましょう。


生産者: ロベール シリュグ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ プティモン 2010

約9000円
不安定さが一切無い堅実な作りのヴォーヌロマネ。
外観は淡いルビー、粘性は中庸。ややミネラル感を感じる。
シナモン、コーヒーやバターの様な風味と華やかな薔薇とスミレの芳香、ダークチェリーやブルーベリーの果皮の厚い果実味がある。
燻製肉、中華料理のスパイス、バニラの甘やかさ、グローヴ、茎、白檀などの風味が現れる。
全体的に甘露な作りだが、ミネラルによる芯がしっかりと通っている。
樽と果実味の均整が素晴らしい。
口に含むとびっくりするほどヴォーヌロマネでエレガント。タンニンは穏やかだが、鋭い酸によってスミレの華やかさが綺麗に表現されている。凝縮感もある。


生産者: ジャン ジャック コンフュロン
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2010

約14000円、WA88pt(2008)
やや樽のニュアンスが強いが、バランスの良い香りだと思う。そして果実の凝縮感が素晴らしい。
色調は濃いルビー、粘性は高い。
良く炒ったコーヒー豆や薔薇、スミレの華やかな香り、クローヴ。
そしてダークチェリー、ブルーベリーの黒系果実の凝縮した風味がある。甘露なシナモンや花の蜜、バニラなどの風味、ローズウッド、若い茎、燻製肉、クルミ、シベットなど。
ボディは非常にしっかりしている。パワフルでエネルギッシュ。強靭な果実味。口の中でスミレの様な華やかな味わいを楽しめる。
酸味とタンニンは力強いが、果実味が強いため、さほど気にならない。シュヴィヨンと比べて非常にパワフル。スプリンターの様な力強さがある。
ジュヴレシャンベルタン的な特徴に近いが花の香りを強く感じるあたりヴージョっぽい感じもする。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: シャペル シャンベルタン グランクリュ 2010

約19000円、WA91-94pt(2009)
ぐっと閉じ籠った印象のシャペル。セシルの強烈な妖艶さは一体どこに...風味は間違いなくセシルなんだが、本当に閉じこもっていて、その魅力が殆ど感じられない。
色調は濃いガーネット、粘性は低め。非常に強い土っぽさ、埃っぽさ、線香や中華料理のスパイスの風味。
ダークチェリーとブラックベリーの黒系果実の凝縮した果実味。ほのかにバニラの様な甘やかさもある。
パストラミハム、毛皮、生肉などの野性味、土っぽさ、グローヴ。
徐々に樽っぽさから果実味も現れてきた。時間が経つとより鮮明になってきたが、まだ硬い。
タンニン、酸は強めで強固。口の中で芳醇なロースト香りが漂う。
セシル トランブレーは抜栓から十分に時間をかけないと良くないね。むしろ抜栓直後からフルパワーの村名の方がいいかもしれない。



さて、さすがにどれもいい感じでしたが、やはりこの中で最も気になったのはセシル トランブレのシャペルシャンベルタン。
セシル トランブレは個人的にとても好きな生産者で村名、一級、どれを飲んでも美味しかったのですが、今回のは最上級キュヴェゆえか、そうとう閉じこもっている印象を受けました。
もしくは今まで飲んだのが、V.R村名と一級ルージュ、C.Mだったからかもしれませんが、このシャペル、めっちゃ硬くて男性的です。土っぽい印象と言いましょうか。
ヴィンテージが若いからか樽のニュアンスが全くワインに溶け込んでいないんですよね...タンニンと酸もかなり強固。勿論グラスで徐々に解けてくると、卓抜した果実味が現れてきますが、恐らく最初の飲み頃まで、あと2年くらいはかかりそうですね。
ポテンシャルはすごい高いと思いますし、ジュヴレシャンベルタン的な肉厚さがしっかりとありますので、じっくり待てば、本当に凄まじいワインになりそうです。
粘土質で石灰岩を母岩としており、傾斜も強いのでミネラリーかつしなやかで味わいになるかとは思いますが、今の段階ではちょっとわかりませんでした。
ちなみにシャペルシャンベルタンはクロ ド ベーズの下部。母岩はウミユリ石灰岩で、表土は極めて薄く粘土質が強い。傾斜は東向きです。

次にジャン ジャック コンフュロンのクロ ヴージョ。こちらもセシル トランブレ同様、やや樽の風味が強く感じられましたが、非常に甘露で果実味がはっきり出ていました。かつ華やかさもあって非常に肉厚でリッチなクロ ヴージョだったと思います。ボディもしっかりしてます。
コンフュロンのクロ ヴージョは非常に恵まれた区画にあって、最上部においてはユドロ ノエラとルロワの畝の間、中腹部においてはモンジャールミュニュレとクリスチャンコンフュロンの畝の間にあります。基本的にグランエシェゾーに近い位置に畑を有していますので、クロ ヴージョとしては最上のものと言えると思います。
強めの樽のニュアンスを差し引くと、この伸びていく様な果実味は、どことなくグランエシェゾーを感じさせる部分が確かにある様な気がしますね。

最後はロベール シリュグ。
個人的には勝手に華やかで艶やかなワインを想像していたのですが、意外とボディはしっかりしていて、地に足が付いた作りだと思いました。
とはいえミネラル感、膨れ上がらないシャープな果実の濃密さ、目の細かさはまさにヴォーヌロマネっぽかったと思います。
プティモンはリシュブールの上部に隣接する優れた一級畑で、東北東に向いた斜面(傾斜はキツい)地質は石灰の多い、粘土石灰土壌です。
リシュブールとの共通点は果実の濃密さと、やや劣るけどボディが際立っているところですかね。
ただ正直比較しないとなんとも...と言った感じですが。とりあえず素晴らしいのは間違いないです。


4回続けてのブルゴーニュレポートでしたが、次の白でちょっとお休みです。
多分新世界かアフタヌーンティーあたりにいこうかと思います。





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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