新世界探訪1: ナパヴァレー再検証。絶妙な安定感、シェーファーのワンポイントファイブ、謎めくコングスガード シラー。

こんばんわ。
先日はカリフォルニアのピノノワールをレポートしましたが、今回はピノノワール以外の品種を追っていきます。
ついでにここ最近飲んだオーストラリア、カナダ、スペイン、チリの素晴らしいワインを5回に渡ってレポートしたいと思います。
まだ全然書いてないんで、毎日という訳にはいかないと思いますが、週に2回は最低更新したいと思っていますので、気長に宜しくお願いします。
毎日更新出来たら...褒めてください笑

さて、1回目はシェーファーのワンポイントファイヴとコングスガードのシラーです。

1973年に設立されたシェーファーはナパヴァレースタッグスリーブ地区に拠点を置くカリフォルニアカルト。
作付面積は赤で50ha、白はカーネロス地区で33ha。
今回のワンポイントファイヴはファイアーブレイク(サンジョベーゼ)を引き抜き、カベルネソーヴィニヨンを植え直した区画から作られています。2004年が初ヴィンテージのワインで、有機農法によって栽培、醸造された葡萄はフレンチオーク、アメリカンオーク半半で、65%新樽で20ヶ月間の熟成されます。
フラッグシップはご存知の通り、パーカーポイント100点を獲得したヒルサイドセレクト、カリフォルニアを代表するカルトワインです。

コングスガードはナパヴァレーに拠点を置くカルトワイナリー。
主にシャルドネ、シラー、ヴィオニエ、ルーサンヌ、カベルネ ソーヴィニヨンを産出しています。
このワイナリーは何と言ってもシャルドネですが、ハドソンヴィンヤードから産出される卓抜したシラーも高品質。グリーンハーヴェストによって収量は一般的なワイナリーの約半分。さらに厳格な選果が行われ、新樽比率50%のフレンチオークで24ヶ月熟成される。無論、無濾過、無清張。
フラッグシップはシャルドネを使用した、ザ ジャッジ。


生産者: シェーファー
銘柄: ワンポイントファイブ ナパヴァレースタッグスリープス ディストラクト 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン98%、マルベック1%、プティヴェルト1%

約8000円、WA91-94pt
色調は濃いガーネット、粘性は高い。いかにも素晴らしいカベルネソーヴィニヨンだな、といった感じ。下級キュヴェにして風格を感じる。
非常にボルドー的な作りで、甘露なブラックベリーやカシス、そしてタバコやシダーウッド、ドライハーブ、ミント、燻製肉、リコリス、アーモンド、炒ったコーヒー豆のロースト香が漂う。
驚くほど滑らかでタンニン、酸ともに非常に強いのにシルキー。
まるでボルドーのグランヴァン、左岸の若いニュアンスを感じさせる。口に含むとブラックベリーの柔らかで甘露な果実味が広がる。


生産者: コングスガード ワイナリー
銘柄: コングスガード シラー ハドソン ヴィンヤード 2007
品種: シラー100%

約26000円、WA94pt。
色調は濃いガーネット、粘性は高い。非常にスパイシーでオイリー、かつスモーキーで濃厚なシラー。
独特の雰囲気を放つシラーで北部ローヌ的ではない濃厚な果実味と、新世界的ではないスパイシーさが特徴的である。オーストラリアのヌーン シラーズが所謂王道的な新世界シラーズだとしたら、こちらはローヌ、新世界どちらにも属さない異端のシラーだと思う。
五香粉、胡椒、リコリス、ゴムの様なスパイシーでローステッドな芳香。重々しい雰囲気を放つ。
徐々にプルーンやブラックベリーの濃厚な果実味。やや牛肉の脂身、濡れた樹皮などのオイリーでウッディなニュアンスが現れる。
ヌーンの様に外交的なシラーでは無く、果実味は凝縮していながらも、やや内向的な性質を持つ。
タンニン、酸味ともにとげとげしさはあまり感じられない。口の中では豊満な果実味とスパイシーさが両立している。特異だが不思議な魅力を放つシラー。


どれも流石ですね...
シェーファーのワンポイントファイヴはポートフォリオの中では準上級みたいなポジショニングなのですが、これでも十分凄い...
いや、むしろヒルサイドセレクトがパワフルで力強過ぎるせいか、とても絶妙なバランスですね。エレガントって程、軽やかな訳じゃないですが、丁度ボルドー的な味わいを感じられます。
新樽60%にしてはしっかりと樽を感じられるし(逆に言うと果実味がヒルサイドセレクトよりかなり落ち込んでいる...といった感じ)、この価格帯にして、このレベルか、といった感じです。
レオヴィルラスカーズみたいですね。プチラトゥールというか。この手の豪華でエレガントなカベルネソーヴィニヨンはいいですね。
ボルドーではラトゥールとマルゴーが好きな私としてはウェルカムな作りですね。
コングスガードのシラーは、いわゆる新世界のシラーズ的なボディを持ちつつ、どこかローヌを感じさせるスパイシーさがあるのが面白いですね。
新世界のローヌはコテコテのジューシーな果実味と豊かな酸味が特徴で、その酸味やタンニンを残しつつ、胡椒や五香粉、オイリーさがあって、特異な印象ですね。
立地はカーネロス地区にあるハドソンヴィンヤード。比較的冷涼ながら日照条件が良く、粘土が少ない水捌けの良い土地だからこそ現れる特徴なのかもしれませんね。
ローヌやシラーズの生産地域は大抵気温が暑いですし。

いや、カーネロスとスタッグスリーブディストラクトというナパにおいても気候が異なる土壌の異なる品種を利けたのは、とても勉強になりました。
普段ナパと一言で片付けてしまう地域を寄りで見るとここまで違うんですね。参りました。





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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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