清廉でフェミニンな印象を受けるデュジャック。シャルムシャンベルタン2006-2008を効く。




こんばんわ。
最近ちょっと体調が悪かったので、更新が滞っていましたが、徐々に更新して行きます。
※エントリーもかなり溜まっていますので...!

さて今回はデュジャックのシャルムシャンベルタン3ヴィンテージ飲み比べです!
ドメーヌ デュジャックは天才ジャックセイス率いるモレ サン ドニの大スター生産者。
クレールダユやジェラールポテルの元で修行したジャックセイスが1967年に設立したドメーヌで、近年特に畑を買い足し規模を大きくしています。現在は16のAOCを保有しており、伝家の宝刀クロ ド ラ ロッシュ、そしてル シャンベルタン、クロ サン ドニ、ボンヌマール、ロマネサンヴィヴァン、エシェゾー、そして今回のシャルムシャンベルタン。綺羅星の如き特級畑を複数保有しています。
現在は約75%は有機農法が実践されており、一部の畑はビオディナミの実験が成されています。
(程度は変化しますが)基本的には除梗は行わず、数日間の低温マセレーションを行った後、圧搾、破砕。やや高温でアルコール発酵した後、(シャルム シャンベルタンは)軽く焼いた新樽100%で15ヶ月間熟成、そして無濾過、無清澄で瓶詰めされます。

今回のテイスティングは私がデュジャックのワインに抱いていたイメージを覆すワインでした。


生産者:ドメーヌ デュジャック
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2006

約21000円、WA91pt
外観は赤みの強い濃いルビー、粘性は中庸。
基本的には若々しい味わいだが、若干熟成のニュアンスを感じ取れる。
ダークチェリーやブルーベリーなどの黒系の果実味、香りに果実の甘やかさを若干感じる。基本はドライな味わい。
鉄っぽさや松の樹皮、生肉、土や焦がした枯葉などのやや枯れたニュアンス。そして薔薇やスミレの華やかさ。
粘土やグローヴ。そして徐々に青っぽい風味も現れる。
酸はやや強めで若干刺々しい印象を受けるが、その分タンニンは穏やかに感じる。後味に枯葉や凝縮感のある果実の香り。
全体の印象としてはエレガントで華やかな作り。2008,2009や他のデュジャックのキュヴェと比べると些か弱さを感じるものの、十分芳香は力強い。


生産者:ドメーヌ デュジャック
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2007

約19000円、WA89pt
外観は最も薄いルビーだが、粘性は高い。
比較的強めのミネラル感を感じる。凝縮感のある果実味で、甘露ではないものの強烈な華やかさを放つ。
オレンジの様な酸味を伴いながら、ダークチェリー、ブルーベリーの凝縮感のある果実味。
小豆やシロップ、シナモンなどの甘露さは感じるものの、基本的にはドライで、ギラギラした華やかさが主体となる。
密度の高いスミレや薔薇のオイルの華やかさ。なめし革、鉄分、グローヴなどのスパイシーさが感じられる。またトースト、ほのかにバニラの風味も感じられる。
酸味、タンニンともに際立っている。そのせいか細くはないのだが芯の途轍も無く強固な印象を受ける。ただ2006ほどキツイ印象はない。
全体的に華やかで筋肉質な力強いパワフル感がある。細マッチョ。


生産者:ドメーヌ デュジャック
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2008

約17000円、WA92-93pt
外観は最も濃い赤みの強いルビー、粘性は高い。鋭いミネラル感と共に強めのロースト香を感じる。
果実味が詰まっている為、一瞬硬い印象を受ける。樽のニュアンスが強く残っており、コーヒーや五香粉、線香などの風味が先行する。そして2007同様か、それ以上の凝縮した黒系の果実味...ダークチェリーやプラムなどの密度の高い果実味と、薔薇やスミレのアロマオイルの様な華やかさを感じる事が出来る。
なめし革、パストラミハムの様な野性的な風味。そして花の蜜やシナモンなどの甘やかな風味、樹皮やお香、切りたての木材、鉄っぽさ、焼いたゴムなどの複雑なニュアンスが混じる。
こちらも2006, 2007同様ドライで華やかな印象のワインだ。
酸とタンニンは3ヴィンテージの中で最も力強い。果皮と木材の香りが口の中で広がる。
最もパワフルで高密度、しっかりした骨格を持つワイン。そしてやはりエレガントなスタイルである。


そう、基本的にドライなんですね。
デュジャックのクロ ド ラ ロッシュを思い出して頂くと分かるのですが、果実味が豊かで華やかで官能的ですよね。
それがシャルムシャンベルタンにおいては華やかさに特化している様な気がします。フェミニンというか冷淡で細みで筋肉質な印象。ミネラリーというか硬いというか。
これはこれでデュジャックの別の一面が見えて非常に面白いと思います。まさかこういう造りにしてくるとは...
3ヴィンテージを通して同じ特徴だったので、デュジャックもかなり意識して作ってると思います。
ただ今回はテロワールとしては均一化して考える事は出来ないんですよね。まず区画が広すぎるし、デュジャックはマゾワイエールを保有していますが、マゾワイエール単体でリリースされていない事を考えると恐らくシャルムに混醸されてます。ただともにグリザール渓谷からの風の影響を受けるのでやや冷ややかな印象を受けるワインになりますので、デュジャックの造りは非常にテロワールに則していると思いました。。

さて、ヴィンテージ的な観点で見ると、これがまた微妙で、素晴らしいヴィンテージの2005と2009の間に挟まれた中凡な時期です。一応ヴィンテージとしては2006と2008が比較的優れていて、2007はそれにやや劣るといった感じ。(もちろん2009年、2005年には遠く及びません。)

印象としてはヴィンテージの特性よりも1年違いの熟成の方が強く出ていましたね。
確かに2007年と2008年を比べたときに2007年の印象は若干軽めと感じました。ただ、それより2008年は樽のニュアンスが液体に溶け込んでいないので、本来の果実味の差異よりも樽のニュアンスの強弱の方がはっきりと出ていました。
そして2006年と2007年でいうと、2006年はやや熟成香が出始めておりタンニンや酸は落ち着いていました。故に2007年と2006年のヴィンテージ差でいうと、2007年の方が本来は弱くあるべきですが、1年の熟成を経て、2006年と2007年は概ねボディとしては同等となっていると思います。
そういう点から考えると、2006~2008年はヴィンテージ差はほぼ無いと思われます。もしくは、無い様にデュジャック側で負を吸収しているか。
本来こういった短い期間を対象にした垂直はヴィンテージの差異を感じ取る為に行われると思いますが、あまりにも差がなさすぎて、僅かな熟成が差として出ている感じ。

うーん、今回のは中々面白いテイスティングでしたね。
デュジャックとしては特異ながらもテロワール、造り、ヴィンテージと一気に学べた印象です。(※特に2005と2009を入れた比較だとあまり2006~2008は気にしないものですから)

しかし...クロ ド ラ ロッシュ飲みたいなぁ(本音)




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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