J.F.ミニュエ、2010年待望のミュジニー、ボンヌマールを利く



さて、こんばんわ。
本日はシャンボールミュジニー最高の生産者のうちの一人、ジャック フレデリック ミュニエのミュジニー、ボンヌマールの2010年です。ジャック フレデリック ミュニエのミュジニーおよびボンヌマールは今年の4月にも2009年をレビューしていますが、今回は2010年です。

ジャック フレデリック ミュニエは19世紀後半にその大本となるドメーヌが設立されましたが、実際に本格的にワイン作りが行われるようになったのは1985年から。現在はシャンボールミュジニートップクラスの名手となっています。指揮は5代目のフレデリック ミュニエ。
ミュジニーは2カ所1.13ha、ボンヌマールはテールルージュ、テールブランシュ5カ所に0.36ha保有しています。
ぼぼ有機農法、グリーンハーヴェストによって収量を制限した栽培がおこなわれる。選果は収穫時に入念に行われ、除梗機で100%除梗は行われる。発酵前に2、3日低温浸漬を行なわれ、徐々に温度を上げ自然に発酵を行なうが、必要によってシャプタリザシオンも行う。発酵は18日間。新樽比率はミュジニー、ボンヌマールは20−25%で24ヶ月熟成を経て無濾過、無清澄で瓶詰めされます。
個人的に凄い好きな生産者で(ヴォギュエより好き)毎年楽しみにしています。2010年はどうでしょうか。

さていってみましょう。


生産者: ジャック フレデリック ミュニエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2010

約33600円、WA93-95pt(2009)
色調は中庸なルビー、粘性は高い。エレガントでありながら非常に果実味が強い。
サーヴ直後の印象としてはミュジニーの甘露さが強く感じるが、徐々にミュジニーを上回る。ミネラル感は存在するがミュジニー程明確ではない。
蜂蜜や赤い花の蜜、シナモンの甘露なニュアンス。やや樽っぽさも感じられる。ラズベリーやブルーベリーの力強い果実味。(密度はさほど高くはないか)
ミュジニー同様スミレの強い香りを感じるが、果実味の方が目立つ。そしてコーヒーや炒ったカカオのロースト香。なめし革、毛皮なとのやや野性的なニュアンス。そして僅かに茎や白檀の樹皮、グローヴ、アニスなどのシャンボールらしい風味も現れる。
酸やタンニンは非常に軽やかでシルキー、口に含むと花の蜜や果実味が大きく広がる。優しい液体感があり13%のアルコールを感じない。


生産者: ジャック フレデリック ミュニエ
銘柄: ミュジニー グランクリュ 2010

約53350円、WA94-97pt(2009)
色調は中庸なルビー、粘性は高い。
サーヴ直後はボンヌマールと比較すると意外な事にこちらの方が果実味が強いがかなり冷ややかな印象。ミネラルに由縁する印象だろうか。
岩を砕いた様な石灰石を感じるカッチリしたミネラル感。赤い花の蜜、シナモンの甘露なニュアンス。ダークチェリーやブルーベリーの高密度で凝縮した果実味が感じられる。
そしてそれとバランスを取るような瑞々しいスミレや薔薇の花の香り、甘露さよりミネラル感や茎、下草、フレッシュハーブ、グローヴの様なやや青っぽい香りがボンヌマールと比べて強く現れる。
なめし革や紅茶、僅かにアーモンドやワッフルの様なロースト香も感じられる。徐々にミネラルのせいか、より硬い印象が強くなっていく。甘露さはボンヌマールに劣るものの、強烈無比な凝縮した味わいがある。
酸もタンニンも穏やかだが、幾分かはボンヌマールと比べると酸味が強く、赤系果実や梅しばの様な凝縮感を強く感じることが出来る。


個人的には2009年と比較すると(記憶レベルでしかないですが)今年の方がバランスが取れている様な気がします。
2009年の負の面、良好なヴィンテージだからこそ現れてしまう過熟感があって、ミュジニーとしては重すぎる、甘すぎる印象がありました。勿論2009年のミュジニーも個人的にはとても美味しく頂けたのですが、テロワールの再現という意味ではちょっとズレたのではないかな、と。「謎めいたミュジニー」というイメージに対してキャラクターがはっきりしすぎていた様な気がするんですよね。ボンヌマールはキャラクター的に合致していると思いますが。
それに比べると今回の2010年はしっかりと熟していながらもシャンボールミュジニーらしい複雑さや(ミュジニーにおいては)ミネラル感、それらのバランスがすこぶる良く取れていて「最高のシャンボールミュジニー」になっていたと思います。
さて、2010年のこの2つのグランクリュ。改めて思いますが、同じシャンボールミュジニーでも大きなキャラクターの差を感じました。
ボンヌマールは最初はミュジニーと比べても果実味が落ち着いているのですが、時間経過とともに強烈な凝縮感と果実味が開いてきます。それこそミュジニーを凌駕するボリューム感と甘露さ。ただ液体は滑らかでシルキー。
そして大きく膨れ上がった規模感は更に時間経過でややもって落ち着き、スパイスと青さを残します。
対してミュジニーは最初からボンヌマールより硬質なミネラル感と果実の凝縮感があるのですが、それが時間経過しても全く印象を変えない。一見華やかで甘露だから開いていると勘違いしそうになりましたが、じっと縮こまっていて、ひたすら強固なミネラル感と一定の果実味、スミレや薔薇の香りを放ち続ける。そして何よりも特筆すべきはその液体密度。ボンヌマールが膨れ上がるドラスティックなワインだとしたら、ミュジニーは同クラスの熱量をひたすら高密度に凝縮されたワイン。ミネラル感、酸味、タンニンがミュジニーのイメージを明確にかたどっている様に感じました。
いや、ホントすばらしいです、この2本。
今更ミュジニーとボンヌマールの特徴は説明しませんが(これを読んでる人は大体ご存知かとおもいますし。)、正にその特徴がはっきりと現れていたかな、と思います。

やっぱり卓抜した生産者は違うなぁ。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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