ラターシュに隣接する一級畑マルコンソール、区画による差異を探る。



こんばんわ。
本日はユベール ド モンティーユのヴォーヌロマネ プルミエクリュ オー マルコンソール2種類です。

オー マルコンソールは、ゴーディショと共に、DRCのモノポール「ラターシュ」に隣接するプルミエクリュですが、ユベール ド モンティーユはこの区画において2種類のワインを作っています。
「ヴォーヌロマネ1級 オーマルコンソール」そして「ヴォーヌロマネ1級 オーマルコンソール クリスティアンヌ」。
共にAOC的には同一ですが、じゃあ、何が違うのかと。

それはオー マルコンソール内の区画です。

写真でみると一部小道を挟んでラ ターシュにせり出している部分があります。ここの区画で収穫された葡萄を単一で仕込んだものが「クリスティアンヌ」になります。左側の広い区画が何も付かないマルコンソールですね。
なぜ分けられているかというと、本来はラターシュに併合されるべき土地であったからです。
DRCラターシュは周辺のゴーディショなどを併合して今の所有面積となりましたが、現在のクリスティアンヌの区画は別の所有者が持っていた為併合できず、歯抜けの様にマルコンソールとなってしまっています。
ゆえにクリスティアンヌはラ ターシュであるという意味合いを込めて別途仕込んでいると、そういう事ですね。
実際土壌も立地もラターシュとほぼ変わりませんので、非常に優れた特級並の一級といって差し支え無いと思います。

さて、件のユベール ド モンティーユはヴォルネイ、ポマールの筆頭ドメーヌでどちらかというとコート ド ボーヌ寄りのドメーヌで、現党首になってからニュイにも大幅に範囲を広げています。
栽培は一貫したビオディナミで行われ、収量は芽掻きと果実選定で30hl/haまで抑えられます。除梗は年によって比率を変えています。アルコール発酵は高めの温度で行われ、過度の抽出(ルモンタージュ、ピジャージュ)はしません。フレンチオークでの新樽はクリスティアンヌで80%、一級では30%とドラスティックに変えているようです。樽熟成の期間は20ヶ月前後で、ノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰めされます。
フラッグシップはポマール リュジアン、クリスティアンヌ、クロ ヴージョ。

生産者: ユベール ド モンティーユ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ オー マルコンソール 2010

約25200円、WA92-95pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。スパイシーでやや冷ややかな印象を受ける。
華やかさを重視しているのか、ドライハーブ、薔薇とスミレの香りが突出している。チェリーリキュールとブラックベリーのエレガントで瑞々しい果実味。蕩ける様な甘露な味わいで、僅かにシナモンやコーヒー豆のロースト香、シロップの様な甘やかさも徐々に現れる。またトースト、土っぽさ、茎、グローヴなどの香りも。
密度は高いが、酸、タンニンが刺々しい感じは無くて、シルキーで滑らか。口に含むとスミレやブラックチェリーなどの華やかな果実味が開いていく。
意外とクリスティアンヌよりマルコンソールの方が出来は良いか?


生産者: ユベール ド モンティーユ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ オー マルコンソール クリスティアンヌ 2010

約37800円、WA92-95pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
スパイシーな印象がありミネラル感も感じる。無名マルコンソールと比較すると何故かこちらの方が果実味が弱い印象で香りも穏やかで一瞬拍子抜けしてしまった。
しかし徐々に妖艶で華美な香りが現れる。基本的にはマルコンソールと構成要素は同じで、ドライハーブや薔薇とスミレの香りが突出している。そして果実味も濃厚で、チェリーリキュールやブラックベリー、プラムの凝縮したエレガントな風味を感じられる。トースト、シナモン、コーヒーの樽香。なめし革、パストラミハムや生肉などの野性的なニュアンス。土や茎、松の樹皮、ミルクティーなどの青っぽさ、スパイシーなグローヴ、オリエンタルスパイスなどのニュアンスも。
徐々に果実味が強く現れ、全体的に香りの強度は無名マルコンソールを上回る。肉厚で高密度だが、スロースターターだ。
酸味、タンニンはクリスティアンの方が強い。特に酸味から生まれる凝縮感は無名マルコンソールを超越する。口に含むと華やかなスミレなどの風味とダークチェリーの果実味。余韻は長い。


どちらも華やかで妖艶な作りですね。
甘露さが前に出るキャッチーな作りでは無いんですけど、スパイシーで冷ややかで、どこか瑞々しい甘みがある、良いヴォーヌロマネだと思います。(ヴォルネイっぽくもあり?)
基本的にはこの2本、ややシャープな輪郭のワインだと思いますが、どちらかといえばマルコンソールの方が素直な甘さや華やかさが出ていて、クリスティアンヌは凝縮度が高いのと、スパイシーさ、ミネラル感が複雑に絡み合った印象を受けますね。
タンニン、酸もクリスティアンヌの方が強いので、やや長熟しそうな雰囲気です。クリスティアンヌの方がやや硬質です。
さて、クリスティアンヌとマルコンソールの土壌ですが、マルコンソールは土石灰分の強い粘土石灰質土壌。クリスティアンヌは(ラターシュ下部と同等と考えると)バジョジアンの硬いウミユリ石灰岩を基岩としているようです。
特にここら辺は大きな違いが無いという認識です。(というか基岩と表土ではちょっと比較が出来ないので...)
位置的に、モンティーユがどのような場所にマルコンソールを持っているのかわかりませんが、もし、斜面上部に保有しているとしたら斜面下部のクリスティアンヌと比べると、実はマルコンソールの方が良いのでは...とも思ってしまいます。
実際テイスティングした感覚だとクリスティアンヌの複雑性、凝縮感はマルコンソール以上のものを感じますが、果実味としてはマルコンソールの方が豊かだったりするんですよね。新樽比率の関係かな?
いずれにせよ、どちらも非常にウマイ...というか偉大なワインなので言う事ないんですが、イマイチここら辺の位置関係と味わいがビタッと合わないのが、ちょっとモヤモヤするんですよねえ。

一度他のマルコンソールやゴーディショと照らし合わせてみないと、畑の本質はわからないかもしれません。
ただ、とても興味深い比較だったと思います。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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