ネゴシアンで大きな差。ルイラトゥールの特級シャンベルタン、ルイジャドの一級クロ サン ジャックを比較する。

こんばんわ。
本日もジュヴレシャンベルタン関連、ネゴシアン縛りです。
ルイ ジャドのクロ サン ジャック、ルイ ラトゥールのシャンベルタンの2本です。

ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。(逆にアンリガジェイとラルディエールが引退したらどうするんでしょうね。)

ルイラトゥールはルイ ファブリス ラトゥール率いる大手ネゴシアン。
栽培、醸造としては100%除梗を行った上で、破砕後、果皮発酵後に新樽率100%程度で長期間熟成させます。
やはり看板銘柄はコルトングランセ、コルトン シャルルマーニュ、ロマネ サンヴィヴァン、シャンベルタンでしょうか。ちなみに僕は最も廉価キュヴェのアルディッシュが好きです。

ではいってみましょう!


生産者: ルイ ジャド
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック 2006

約13000円、WA91pt
外観は中庸なルビー、粘性は高い。
凝縮感がありとてもフルーティーなプルミエクリュ。
野性的でなめし革やパストラミハムのニュアンスがまず前面に現れる。
徐々に完熟したダークチェリーやイチゴの甘露な果実味。甘露なシナモンやバニラ、赤い花の蜜。
そして華やかな薔薇やスミレなどニュアンスが主体となってくる。溶剤や紅茶などのニュアンスも感じられる。
香りだけみれば、一見穏やかにも見えるが、その実、要素が非常に凝縮しており筋肉質。
酸味もタンニンも引き締まっている。
甘露で華やかでありながら、強靱なパワフルさを感じる。
香りとのバランスも良好で品質の高いピノノワール。男性的な色っぽさを感じる。


生産者: ルイ ラトゥール
銘柄: シャンベルタン グランクリュ キュヴェ エリティエ ラトゥール 2001

約14000円、WA91pt(2003)
色調は淡いルビー、粘性は中庸。
豪奢な華やかさやパワフルさは一切無く穏やかな印象を受ける。
良く言えば瑞々しく清廉な印象、悪く言えば地味でひ弱なシャンベルタンだ。
ラズベリーやストロベリーの穏やかな赤系果実の果実味に薔薇のドライフラワー、シナモン、花の蜜のほのかな甘やかさが伴なう。土っぽさや生肉、紅茶など熟成香。そしてグローヴ、トースト、松の樹皮などのニュアンスが感じ取れる。
濃さや凝縮感といった単語は殆ど当てはまらない。密度も低め。
ただ酸味やタンニンは非常に落ち着いているし、赤い果実味が瑞々しく、旨味も感じられる。
滋味溢れる穏やかで柔らかい味わいだ。
しかしながらシャンベルタンという言葉から連想される男性的な騎士王の姿からはかけ離れた、なで肩のフェミニンな迷君を思わせる。これはこれで悪くはないが、シャンベルタンの品質には届いていない。


いや、なかなか好対照でしたね。堪能しました。
ルイジャドのクロ サン ジャックは本当に素晴らしい出来。特級クラス、さもありなん。
本来は特級並の南東を向いた急斜面にあるこの1級畑が、1級畑として格付けされている理由は本当にくだらないものなので、ぜひ調べてみてください。
基本的に所有者の関係(所有者はアルマンルソー、フーリエ、エスナモン、ブリュノ クレール、そしてルイ ジャドの5人のみ)ではずれが無いアペラシオンだと思いますが、ルイジャドもまた1級を超越する造りをしてきましたね。
クロ サン ジャックは白色泥炭質、茶色の粘土質、全体に小石が多い土壌、そして南東に向く急斜面。完璧な立地。
男性的で筋肉質でありながら華やかな雰囲気を持つジャドのクロ サン ジャックは、やはり何処かフーリエやアルマンルソーに近いものを感じますね。
やはりクロ サン ジャックとレ ザムルースを飲む時は凄く特別な感じがしますね。
ルイ ラトゥールのシャンベルタンは....申し訳ないですが、シャンベルタン足り得ないシャンベルタンだったかと。
ピノノワールとして決して悪い出来ではないのですが、燦然たるグランクリュであるシャンベルタンはやはり一歩抜きん出た存在ですし、何と言っても堅牢さが求められるアペラシオンなので、この造りはちょっと受け入れがたく感じました。今までルイラトゥールのコルトン グランセイ、コルトン シャルルマーニュも頂きましたが、何れも感動できない中凡な造りだったと記憶しています。飲む時期が悪かったのかわかりませんが、ちょっとネゴシアンとしてはあまり宜しくない方向かな、と思っています。

今回はやはりルイジャドの素晴らしさが際立ちました。
群を抜いた一級畑、というのもありますが、何より造りの巧妙さが際立っていると思いました。
ルイ ラトゥールも一皮むけてほしいですね。素晴らしい畑はたくさん持ってるのですから伸び代はあると思います。

※ジャック ラルディエールは去年引退されたみたいです...後任はフレデリック バルニエ氏。どうなるかはわかりませんが、ジャックのDNAを継いで頑張って頂きたいですね!



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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