ブリューノ デゾネイ ビセイ。テロワールを映し出した華やかなエシェゾー、グランエシェゾー。

こんばんわ。
あまりメジャーでは無いドメーヌですが、ブリューノ デゾネイ ビセイのエシェゾーとグランエシェゾーを飲みました。個人的にはかなりいい線行ってる生産者だと思います。

ブリューノ デゾネイ ビセイは、1975年にフラジェエシェゾーに設立されたクラシックな生産者。
栽培は樹齢80年の古木を中心にリュット レゾネで行われ、葡萄の収穫は手摘み。
収量はグリーンハーヴェストにより1株あたり8房に制限されます。
収穫後100%除梗を行い、20日間アルコール醗酵を行います。空圧式圧搾機でプレス、新樽比率33%で18か月熟成。ノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰めします。このテクニカルデータを見るに非常に丁寧な栽培を行っていることがよくわかります。ちなみにここのグランエシェゾーはドミニクローランも購入しています。

あまり雑誌やメディアで取り上げられる事が無いドメーヌですが、その実力の程はいかに。


生産者: ブリューノ デゾネイ ビセイ
銘柄: エシェゾー ヴィエイユヴィーニュ グランクリュ 2010

約11000円
外観は透明度の高い明るいルビー、粘性は中庸。
ハイトーンに伸びて行く、とても華やかで明るい印象を受けるエシェゾー。
ストロベリーやアメリカンチェリーの瑞々しい果実味や、茎や葉っぱのやや青いニュアンスが顕著に現れている。
そしてなめし革や薔薇やスミレの煌びやかなニュアンス。徐々に花の蜜、ハーブ、シナモンなどの甘露さも。鉄っぽさや樹皮、グローヴや香水など。
口当たりはグランエシェゾーと比べると非常に軽やかで、心地よい酸味と華やかな香りが感じられる。タンニンは適度に現れておりキュッと引き締まった清涼感がある。全体的に非常に華やかで伸びやかな印象を受ける。


生産者: ブリューノ デゾネイ ビセイ
銘柄: グラン エシェゾー ヴィエイユヴィーニュ グランクリュ 2010

約13500円
外観は透明度の高い明るいルビー、粘性は中庸である。
エシェゾーと比較して、より香りが濃厚でジャミーで甘露。輪郭がハッキリとしており力強さを内包している。
ストロベリーやデーツのジャムコンポート、花の蜜などの甘露で濃厚な果実味、スミレや薔薇のニュアンスをより強く感じる。またバニラやシナモン、白檀や紅茶などの要素が主軸となる。わずかに土っぽさやなめし革、スパイシーさも。ミルクティーの様なまろやかで甘露な味わいだ。
エシェゾーの様に伸びて行く様な清涼感や酸味は無いが、タンニンと酸のバランスが良くしっかりと現れており、強固なボディを強く感じる。若干ミニュエのボンヌマールみたいかも?


いや、マイナーながらも非常に良い作り手だと思います。
濃いだけではなく、テロワールの違いをしっかりと映し出している様な気がします。
個人的な感覚で、この2本の差異を説明するならば、シャープで伸びやかなエシェゾー、凝縮したジャミー、かつエレガントなグランエシェゾーといった感じ。
グランエシェゾーの方がきっちりと熟しているニュアンスがあって、凝縮感があり甘露。酸よりもタンニンが充実していて、しっかりとしたボディを感じます。
対してエシェゾーは引き締まった酸が特徴的で、香りの要素もハイトーンにまとまっている様に感じます。
甘露さもあるのですが、どちらかといえば華やかさや青さが前に出ていて、引き締まった清涼感がある。
全体的な方向性としては大きく違わないのですが(自然な果実味があるという点で)、その中においてきっちりと差別化が成されてますね。

テロワールに関しては、グランエシェゾーについてはゆるやかな傾斜で標高260m、バジョジアンの石灰岩の上部に酸化鉄が多く含まれた粘土質が乗る土壌で、総面積は9.14ha。
エシェゾーは小区画によって大分印象が変わりますが、仮に(ロベール シリュグが保有する)レ クリュオだとすると表土が浅く小石が多い土壌で総面積は3.29haとなっています。
デゾネイ ビセイのワインは概ねテロワールの特徴に則していて、エシェゾーは骨格がしっかりしてるし、グランエシェゾーはリッチでボディが強いイメージ。ミネラルという点ではエシェゾーの方が卓抜としていた様な気がしますが、まぁ気のせいだと思います。

いやどちらも素晴らしかったですが、やはり個人的にはグランエシェゾーですね。
びっくりするほど官能的ではっきりした輪郭があって、甘露。
グランエシェゾー自体はそんなにたくさん種類を飲んだ事がある訳ではないのですが、DRCやラマルシュのもそうですが、やはり全体的にピノノワールの官能性を凄く感じるんですよね。
エシェゾーも素晴らしいですが、やはりグランエシェゾーの方が、一歩抜きん出ていると思いますね。

いや、素晴らしかったです。

---------------------------------------------------------------------------------
ところでここからは、ちょっとしたデゾネイビセイのエシェゾーとグランエシェゾーの謎のお話。

このブログの記事を書く上で毎度ブルゴーニュワイン大全や他の書籍を見ながら書いているのですが、エシェゾー、グランエシェゾー共にデゾネイ ビセイが所有者一覧の中に入っていません。
そして今回のワイナートのヴォーヌロマネ特集を見ても所有者の中には入っていません。
以下本当に私の勝手な憶測になります。

1:インポーター資料
1975年に彼の妻の祖母が所有していたフラジェ エシェゾーの2haの畑で分益小作による開墾から始めました。
彼の所有しているポートフォリオの中でフラジェエシェゾーから算出されているAOCは「エシェゾー」「グランエシェゾー」「ACヴォーヌロマネ」「ACブルゴーニュ」の4種類のみ。そして分益耕作ということですから、実際の所有者ではなく小作人として誰かの畑を耕し、自身の名前がついたワインを報酬として受け取っているという事になります。

2:ラベル
1の分益耕作をしている事を前提とすると、所有者が別の名前になっている可能性が非常に高いです。
エシェゾーは所有者が多すぎるので、所有者が絞られるグランエシェゾーで探してみたところ、面白いものが見つかりました。

これは昔のロベールシリュグのラベルです。メチャクチャ似てますね。
っていうかほぼ同じですよねこれ。
ちなみにデゾネイ ビセイのオールドヴィンテージのラベルはマジでまんまです。

3:樹齢
80年くらいと大体同じ。

何度も言いますが、個人的な憶測です。

ひょっとしたら、インポーター資料の「彼(ブリューノ デゾネイ)の妻」というのはロベール シリュグの親類なのかもしれません。そうしたら所有者一覧に名前が乗っていないのも納得。ロベール シリュグの畑で分益耕作をしているのですから。

いやー真実は闇ですが、なんとなく、すごくしっくりくる様な気がする。
これって、ブルゴーニュのミステリーですよね。
もしそうだとしたら、今品薄のシリュグのグランエシェゾー、意外と簡単に手に入るかも...!



関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR