ボルドーメドック第一級: シャトー ラフィット ロートシルト 2004

こんばんわ。
さて、ボルドー赤特集最後を飾るのは、メドック第一級の第一位、シャトー ラフィット ロートシルトです。
メドック第一級のシャトーはこのブログでは節操も無く出てきますが、実はラフィットに関しては初となります!
私としても実に3年ぶりの再開だったのですが...んん?これは?

ラフィット ロートシルトは、伝統と格式に満ちたボルドー最高のシャトー(という見られ方をする)。ラフィットを生み出しているものの、1974年までは一級としては比較的凡庸でありながら、75年以降、エリックの行き届いた管理と、32~36ヶ月の樽熟成期間を20~30ヶ月に変更、さらに徹底したグリーンハーヴェストと意識的な遅摘みを行う事で果実味を引き出し、現在はその地位を不動のものとしている。現在はシャルル シュヴァリエがその指揮をとっている。
栽培面積は100ha、平均樹齢は45年。収量は平均で48hl/haとなっている。
栽培は先に述べたとおりグリーンハーヴェストで収量を抑えた果実を選定し、除梗機で除梗したのち、ステンレスと木製のタンクで18~24日間のマセレーションとアルコール発酵が行われる。オーク新樽16~20ヶ月で熟成を経た後に、無濾過で瓶詰めされる。


さて、いってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー ラフィット ロートシルト 2004
品種: カベルネソーヴィニヨン 90.5%、メルロー9%、プティヴェルト 0.5%

約84000円、WA95pt
色調はエッジに橙をやや帯びたガーネット、粘性は高い。
西洋杉や土、ドライハーブの香りと共に極めて目の細かい果実味が感じられる、驚くべきバランスを誇るワインだと思う。
やや腐葉土、トリュフ、枯葉などの軽い熟成香、リコリスやパストラミハムのスパイシーな風味。そしてブラックベリーのコンポート、カシスリキュールなどのきめ細やかな果実味が感じられる。またミント、薔薇などのドライフラワーの清涼感のある香り。
途中から急激にワッフルやキャラメルの様な甘露さが現れる。異常な程緻密でエレガントな作りだ。
経過年数としては若干熟成が進んでいる感じだが、タンニンも酸もまだまだ力強く、熟成途中といった風体。
ただトゲトゲしくは無く、比較的滑らかで口の中で木材や土、そしてカシスの濃厚な風味が広がる。
しかしながら、このクラスのワインとしては果実味の凝縮感が低く感じる。
ヴィンテージ起因か熟成によるものか。ただ格の違いは明らかで、強烈なエレガンスを感じるワインだった。ザ フィネス。


■いつものテクニカルデータ

総合ポイントはF1形式を採用。ただどれだけ手を混んだ作りか、ヴィンテージの良し悪ししか判断していない為、調和を重視するワインの旨さとしては指標にはあまりなりません。
※ピジャージュ、ルモンタージュ、ビオの有無、除梗ありなし、圧搾時の手法などは資料が見つからなかったので考慮していません。なので一部、これらの要因が突出していた場合上記の指標通りの作りにはなっていません。


やや、2004年の割には想像以上に熟成感が強く感じられますね。
ただ基本的に育ちの良さというか、品の良さは随所に見受けられて、目の細かく旨味の凝縮した果実味があります。
ムートンのゴージャスさとか、ラトゥールの力強さとか、マルゴーの華やかさとはまた違った、落ち着きがあるけど旨味の溢れるのある味わい。誤解を承知で言うならば良く熟成したピノノワールの様な旨味の出方。
じわっとした...で伝わるかな?
ボディとしてはさほど強くはないんだけど、ボルドーらしい木材や土っぽさ、黒い果実の甘みなどもしっかりと感じられて、幾つもの要素が積み重なって緻密に構成されている感じがする。目が細かく密度が高い。
果実味が強いのは樹齢にも起因するんでしょうね。あとはテクニカルデータの通り、樽熟成期間を押さえている所とか。全体的に調和が取れていてとても品の良い造りだと思います。

ただやっぱりちょっとオフヴィンテージっぽい所はあって、熟成感が早めに出てしまっている所であるとか、ちょっとボディが軽すぎるところとか、そこらへんはちょっと残念な所ですね。
2010年や2009年はどんな感じなんでしょうか。個人的にはパルメが一番良かったかなぁ。

そんな感じでボルドー特集、おしまいです。
長いエントリーが多かったですが、お付き合いいただきましてありがとうございました。
次回はオマケ...というにはちょっと贅沢ですが、ボルドーの辛口白です。


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No title

ボルドー企画お疲れ様でした!
テクニカル・データとか飲まれてるラインナップの水平並行とかしゅごい……
というところで、ちょっとご質問なのですが
1:総合してワインの味を大きく決めうる要素の順はあるの?
2:データにはありませんでしたが、村ごとの差異って大きなもの?

No title

ご覧頂きありがとうございました!
各要素で一番大きく影響が出るのがセパージュとヴィンテージだとは思いますが、一概に順番があるとは言えないのが難しい所なんですよねー。
植樹密度が高ければ凝縮感のある葡萄が出来るますが、収量を抑える工夫をしなければ、ひょっとしたら凝縮感は落ちるかもしれない。また表土の薄さや水捌けの良さ、日照条件、ジロンド川の風がもたらす気候の違いで変わってきます。(これが2の村の要素に繋がります)
そして醸造工程においては除梗やプレスの際に種子を潰さない様にすればタンニンの抽出は抑えられますが、ピジャージュやルモンタージュ、マセレーション期間が長ければその分タンニンは抽出されます。
果実味が強いヴィンテージでも樽熟成期間が長ければ溌剌とした果実味は失われていきます(その代わり樽香が出る様になります)。ただ瓶詰め工程の清澄、濾過でも果実味の活発さはまた少し変わってきます。ワインにもたらす香りの要素としては地層や地質(これも2の村の要素です)に起因します。
単一品種ならこれでいいですが、ボルドーであれば各品種の出来や配分で全体像は変わってくると思います。
結論としては、栽培、醸造工程はシャトーの努力や技術で総合力としては大きく変わるものですが、個々の影響としては大きく変わるものでは無いと思います。もし大きく変わるとすればそれらすべての要素を包含した葡萄のセパージュじゃないかな、と思っています。

正直、なんかもう、味わいに対してのこじつけの様な気もしますね...

No title

>送付状さん
ありがとうございます!
聞きかじりの予想ばかりのサイトなので、あまり参考にはならないですが、是非今後もよろしくお願いします!
今後も面白い記事を書いていきたいと思っています。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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