ジャン グリヴォ、レ ボーモン3ヴィンテージ垂直テイスティング



こんばんわ。
本日はジャングリヴォーのレ ボーモン3ヴィンテージテイスティングです。

昨日はデュジャックの水平でしたが、今日はジャングリヴォーの垂直です。
ジャン グリヴォーはヴォーヌロマネに拠点を置く、近年評価が高まっているドメーヌ。一時期ギィアッカをコンサルタントに迎え強すぎる抽出で評価を落としたものの、現在はリュットレゾネでの栽培や、一部の畑は馬での耕作を行いながら、収量を引き下げ続け、2000年半ば以降は品質を高め続けている。除梗は100%、新樽率は40%-70%。樽業者は4社を利用している。フラッグシップはリシュブール、エシェゾー、クロ ヴージョ。

今回のボーモンはヴォーヌロマネの一級畑でジャングリヴォの中ではオーブリュレ、レ スショ、オー レイニョに並ぶ丁度真ん中よりちょっと上といったグレードのもの。

コンクール背斜谷の左側開口部に位置しており、ヴォーヌロマネ側は南東を向いた斜面で勾配は大きく、冷涼な風の影響を受けます。エシェゾー(ロアシャウス、レ ルージュ デュ バ、クリュオ、ヴィーニュ ブランシュ)とレ スショ、オー ブリュレに囲まれており卓抜したワインを産出します。。


生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ボーモン 2007

約14700円、WA90pt。
外観は濃いめのルビーで、粘性は中庸。
やや密度や凝縮度が欠けるヴィンテージ。茹でた野菜の様な風味と、ラムネのようなダークチェリーやブルーベリーの様な風味が強い。薔薇、スミレの様な華やかさは他のヴィンテージと比較すると控えめで、茎や土の様な青っぽいニュアンスが強く感じられる。
時間経過で徐々に輪郭ははっきりしてくるものの、基本的には平たい印象。要素自体は複雑だが、押し出しが少ない。ドライハーブやユーカリなどのハーブのニュアンス。
そして紅茶、松の樹皮、炭焼きなど。
2008年の青っぽさに熟成をさせた様な風味。酸味は穏やかだが、若干苦味やタンニンにキツさが残る。
この生産者としては、やや凡庸な出来のプルミエクリュ。


生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ボーモン 2008

約13500円、WA93pt。
外観は濃いめのルビーで、粘性は中庸。
他のヴィンテージに対してミネラルが突出している。オレンジやラズベリー、ダークチェリーなどの清涼感がありつつ酸味の強い果実味と、紫蘇やスミレ、薔薇などの華やかな要素が突出する。また茎や松の樹皮、果皮成分も強く、全体的な印象としてはドライで硬質にまとまっている。
非常に野生的な風味が強く、やや青っぽい雰囲気を強く感じる。
ドライハーブ、クローブ。動物的ななめし革、鉄分。黒檀や炭焼きの香りが感じられる。
濃密だが、ややドライな香りのためか、酸とタンニンが突出している様に感じる。引き締まった印象はある。


生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ボーモン 2009

約14700円、WA92-94pt
外観は濃いめのルビーで、粘性は中庸。
鉄分やダークチェリー、プルーンの黒い果実の強烈な果皮成分、ストロベリージャムの様な甘さを強く感じる。アメリカンでワイルドな作風。
薔薇やスミレの華やかな風味と茎やクローヴの野生的な香り。
最も凝縮感があり鋭角的で澄んだ香りがある。徐々に濃厚なシロップやシナモンの甘い風味が現れる。オレンジやローズヒップ、アスパラガス。スパイシーなパストラミハムやリコリスなどの風味も。
酸は2007と2008の間くらいで、タンニンはややキツめ。口の中でスミレや薔薇、黒系果実の甘露な風味を感じる。余韻は長くボディはしっかりしている。
3ヴィンテージの中では最も果実を強く感じる、目が細かく密度の高いレ ボーモン。ほぼ非の打ち所がない素晴らしいワイン。


この中で最も優れていたのは2009年ですかね。
相対的に果実味が不足気味の2008年、2007年と比べると、やや新世界的な過熟感と抽出のバランスがとても良く取れていると思います。人によっては恐らく濃すぎる...ブルゴーニュらしく無いと感じるかもしれませんが、明らかに良く葡萄が良く熟していますし、甘露で華やかな作りになっていると思います。
対して2007年と2008年は、2009年の卓抜した果実味と比べるとやや落ち着いた印象を受けます。
2008年は果実味の代わりにミネラルや柑橘系のアロマなどの清涼感を感じさせる要素が主軸。
果皮の華やかさも2009年と比べるとやや目立ちますね。ただ抽出が強い為、タンニンが際立つ所が難点といえば難点かもしれません。ちょっとタイプは違いますが、良く出来ていると思います。落ち着いているとはいえ果実味は十分に乗っているとは思うんですけどね。
2007年に関しては明らかに前述の2ヴィンテージと比較すると密度と果実味に欠けています。酸味と茹で野菜のニュアンスが強かったので、ひょっとしてあまり状態が良くなかったのかな。熟成感はあまり無かったです。
今まで飲んだ2007年は全体的に酸の要素と果皮の香りが強いものが多く、ここでいう2008年の様なニュアンスを感じられるものが多かったと思います。


ヴィンテージとして総合的な評価に目を向けると当然2009年は別格として、2008年と2007年には大きな差は無いようです。

■2007年
4月の発芽期は好天に恵まれて暖かい日が続いた。しかし以降8月までは曇天が続き良い天候の日は無かった。8月にはカビが発生している。収穫時期の9月上旬には好天候に恵まれている。

■2008
4月の発芽期は2007年の様に暖かくなく6月まで曇天が続いた。7月に関しては1週間好天候に恵まれ、暖かく乾燥した日が続いたものの、8月は冷え込みが続いた。下旬から持ち直し暑い日が続いた。9月前半も崩れ気味だったが下旬より良い天候に恵まれ、大部分は9月25日より収穫を開始した。

■2009年
5月下旬から6月下旬まで好天が続いたが、7月中旬2日間、下旬2日間に大きな嵐に見舞われ天候を崩した。葡萄は局地的にベド病やカビに見舞われたが健全に生育し始めた。8月中は2日間の嵐以外は素晴らしい天候が続いた9月中旬に素晴らし良い天候のもと収穫が行われた。


ヴィンテージの特性を見る限り、次の事が言えると思います。
2007年、2008年は結実後病害やカビに見舞われている為、緻密な選定が必要となり、良い生産者は収量を確実に落としているはず。生育時期にも好天か続かなかった様ですから、果実味の高い葡萄は余程手を入れない限り出来なかったのではないかと想像出来ます。とりわけ2008年に関しては収穫時期がずれ込んでいる為、やや厳しいヴィンテージであったと想像出来ますが、その分母岩からの養分吸収が十分に出来ている為、ミネラル感や複雑さがでているのではないかと。
そして2009年は全体的に好天が続き、素晴らしいヴィンテージだと思いますが、その分選別をする必要が無く、場合によっては落ち込む可能性も考えられますし、母岩からの養分吸収も不十分の可能性も考えられます。

2008年と2007年て言うならば、2007年の方が僅かに天候は良かった為良い葡萄が取れるはずですが、今回のジャン グリヴォーでいうなら2008年はしっかりとしたミネラル感が根底にあり骨格がしっかりしていて、2007年よりも随分とボディが強い様に感じられます。
2009年は言わずもがな、果実味に満ちたパワフルな作りで2008年と比べるとミネラル感が劣りますが、傑出した出来のヴィンテージだと思います。

そういう事を考慮すると、2007年は状態の面もあり、あまり楽しめなかったですが、2009年と2008年は方向性は違えど、非常に素晴らしかったと思います。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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