こんばんわ。
今回から2回にわたってカリフォルニアのピノノワール5つのワイナリーをレポートします。
まずはブルゴーニュの強い影響下にあるカレラとオーボンクリマの2つから。
カレラはカリフォルニアでもブルゴーニュに近いスタイルを持つ生産者で、当主のジョシュ ジェンゼンはドメーヌ ド ラ ロマネコンティに師事し、収穫を、デュジャックで醸造を学んだとのこと。そのスタイルはロマネコンティと近いスタイル...の事ですが、正直良いワインだと思いますしブルゴーニュと非常に接近するワインだとは思いますが、DRCとはちょっと違うかな、とは思います。
ちなみにオーボンクリマのジム グレネデンとは仲が良いとの事。ブルゴーニュスタイル同士通じるものがあるんでしょうか。
今回のマウントハーランのミルズ ヴィンヤードは6つある自社畑のなかで南側に位置するヴィンヤードで標高700mで樹齢は30年程度のピノノワールは植樹されています。収穫はすべて手積みで行なわれ、天然酵母で発酵。ピジャージュは1日2回。キュヴェゾンは14日。フレンチオークの新樽30%でMLFを行ないながら16ヶ月熟成。無濾過無清澄で瓶詰めされます。
オーボンクリマはサンタバーバラに拠点を置くブルゴーニュ品種の名手です。
それもそのはず、ジム グレネデンはアンリジャイエに師事した経歴があり、エレガントでブルゴーニュに寄った味わいのピノノワール、シャルドネを作ります。
フラッグシップはイザベルですが、そのイザベルの中でも梗が木質化したヴィンテージのみ作られる特別なワイン(いまでリリースされたのは2ヴィンテージのみ)です。通常この生産者のワインはアンリジャイエスタイル...除梗100%で仕込みますが、このキュヴェに関してはDRCやデュジャック同様全房発酵を行なっています。
かたやDRCとデュジャックに師事したジョシュジェンゼン、かたやアンリジャイエに師事したジム グレネデン。
ブルゴーニュ最高のスタイルを知る2つのカリフォルニアのワイナリー。どうでしょうか。
生産者: カレラ ワイナリー
銘柄: ミルズ ヴィンヤード ピノノワール 2007

約8000円、WA95pt
初日はやや硬質でドライ。冷淡な印象だったが、二日目にはやっと笑顔を見せてくれた。
外観は濃いルビー、粘性は高い。
非常にニュイ サン ジョルジュ的な作りのピノノワール。
幾分かのミネラル感とデーツやドライプルーンの様な甘露で濃厚な果実味、シナモンやシロップ、燻製肉などのニュアンスが主体となり、グローヴなどのハーブ、茎、乾いた土、スミレのアロマオイルなど風味が強く出ている。初日は幾分かドライで硬質な印象があったが二日目には綺麗に打ち解けてきて。やや鉄分っぽさも。
凝縮度がとても高くリッチなピノノワール。後味にやや苦味を感じるが気になるほどではない。
3日目。更に甘く、シロップやシナモンの香りが強くなった。これはカリフォルニアだ!
生産者: オー ボン クリマ
銘柄: サンタリタ ヒルズ ラーム ド グラップ ピノノワール 2005

約23000円
外観は赤みの強いルビー。オーベールと比べると若干淡い色調か。粘性は高い。
他のカリピノと比べるとやや冷涼な雰囲気を感じる。典型的なそれではない。ダークチェリーやブルーベリーの果実味と共に、グローヴ、シナモン、タイムなどの強いスパイス、ハーブ香が感じられる。茎、若葉の青っぽさも。
またコリアンダーや藁、落ち葉、燻製肉、紅茶など。
いわゆる新世界的ではなく、どちらかといえばニュージーランドの様なピノノワール。果実味に寄る味わいではなく、茎やスパイスなどの複雑な味わいが広がる。タンニン、酸はやや強め。いかにも全房発酵といった感じ。
良いピノノワールだが、これは除梗した方が良かったのでは...とも。
やっぱり全房発酵の特徴はどちらもしっかり出ていますね。除梗100%の様な澄んだ味わいにはなっていないですが、代わりに全房発酵ならではのスパイスやハーブなどのニュアンスが強く出ていると思います。
また樽に由縁するニュアンスは共にあまり感じませんでした。
この2つだとカレラのミルズの方がバランスが取れている様な気がします。
ミルズはやや抽出が強めだからかそこまで青臭さは感じず、複雑な味わいに転化しています。対してラーム ド グラップはオーボンクリマが若干全房発酵に不慣れなのか、バランスがあまり良くない様に思えます。複雑は複雑なのですが、ボディや果実味に不足感を感じますね。イザベルは飲んだ事ないですが、どうなんでしょうね。
除梗していれば...澄んだエキス感のある味わいになるんではないかと。
標高300-700m、南西向き緩斜面にあるミルズと標高400mのイザベルだと、熟度はあまり変わらないっぽいので(そもそもソノマとマウントハーランで気温とか違うんでしょうけど、よく分からなかったんで...)やはり抽出によるものかな、と思います。
2年間ラーム ド グラップの方が年を食っているので、そこにも由縁するのでしょうか。価格の割にちょっと満足感が低いです。
もう少し突っ込んで見たいのですが、何分資料が少なく、こんなところです。全房発行の特徴はすごく良く分かったので良かったです。
最高のものになるとデュジャックやDRCみたいになるんでしょうね、きっと。
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