【ブルゴーニュ:1】ヴァンサン ドーヴィサ、グラス内時間経過の大切さを知るシャブリ2種テイスティング。

こんばんわ。
今日からまたブルゴーニュです。
まずはヴァンサン ドーヴィサのフォレとクロの並行テイスティング。

ヴァンサン ドーヴィサはシャブリのトップドメーヌ。シャブリとしては実に長命でかつ伝統的なワインを造っています。
特級畑、一級畑のシャルドネの樹齢は45年。収量制限をしながら、ビオディナミにて栽培しています。温度管理可能なステンレスタンクでアルコール発酵。130lの小樽でマロラクティック発酵をしながら熟成させます。新樽比率は低く約2割程度。熟成後、軽く濾過を行い瓶詰めされる。
ポートフォリオはグランクリュからプティシャブリまでシャブリ内に複数の畑を所有しています。

ラヴノーとドーヴィサは別格の生産者だと思っておりますので、毎年非常に楽しみにしているのですが、今年も非常に美味しかったです。
いってみましょう。


生産者: ヴァンサン ドーヴィサ
銘柄: シャブリ プルミエクリュ ラ フォレ 2011

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
サーヴ直後だと、かなりミネラルが強く、硬質な印象を受ける。クロと比べるとこちらの方が早く解け始め、シナモンや濃縮した白い花の蜜やドライハーブ、ライチやレモンなどの柑橘系の果実味が感じられる様になるが、やや早めに香りに抜けが現れる。
リコリス、白胡椒、シャンピニオンなどの風味も。
酸味はシャープだが、毛羽立った感じは無く、口当たりは柑橘系の黄金飴の様な味わい。
抜けは早いが、味わいは非常に優れている。


生産者: ヴァンサン ドーヴィサ
銘柄: シャブリ プルミエクリュ レ クロ 2011

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ラ フォレと同様、ミネラルが強固であり、硬質な印象を感じるが、こちらも急激にバニラ、シロップや花の蜜などの甘露さ。
カリン、ライチ等の果実味が強く現れてくる。密度、凝縮度がACシャブリ、フォレと比較して他のキュヴェに対して非常に高い。
フレッシュハーブや、白い花、キノコ。僅かにローストナッツとバターの風味もある。
まだ柑橘的なシャープな酸味を感じさせるが、ボディはまとまっており出汁的旨味を感じさせる。
とても素晴らしいグランクリュだと思う。


今回のドーヴィサの水平はとても勉強になりました。
特に時間経過の部分で各々のワインが大きな違いを見せていました。
まずACシャブリが開き始め、そこから5-10分程度でフォレが開き始めます。この時にACシャブリが落ち込み始めてきます。そしてさらに15分程度でクロが開き始めます。
20分以降はフォレも少しずつ落ち込んで行きますが、クロはほぼ40分-1時間程度経過してもピーク時の姿をほぼ崩す事はないです。
時間の経過と共に広域名から開き、そして持続せず落ち込み始めますが、一級、特級は硬いミネラルに覆われて開き始めるまでかなりの時間を要するものの比較的長い間ピークの状態が継続していきます。

それではこれらのピーク時を比較した時にどの様な形になるのか。
ACシャブリは香りを嗅いだだけなので、緻密に分析した訳ではありませんが、かなり強い果実味はあるものの、ややぼんやりとした印象を受けます。
それに対してフォレはやや強めのミネラルと澄んだ凝縮した果実味があります。密度が非常に高い。ACシャブリにしてピーク時は一級並の果実味を有していますが、それを遥かに超える完成度といって差し支えないと思います。
そしてレ クロはまさにグランクリュ。
フォレに見られた強いミネラル感と甘露かつ高密度の果実味を維持しながら、外に力強く広がっていく規模感を感じさせるワインだと思いました。そして何よりもその状態が非常に長い時間保持される事が特徴だと思います。
そして旧樽、そしてバリックの約半分の容量の樽を使用する事で新樽でなくても綺麗な樽香と僅かに酸化(熟成)したニュアンスが感じられるのが素晴らしいですね。

一級 レ フォレ: 保温性が高く、粘土の種類が豊富であり、石が多いため排水性に富む。
特級 レ クロ: シャブリ最高の特級畑。
石灰岩を母岩としている白色粘土土壌で表土が厚い。


無論酸の厳しさ、ミネラルの硬さは上位キュヴェの方が顕著ですが、これはヴァン ド ガルドというか、長熟する事を指し示していると思っています。
厳しさの差異はあれど、いずれも酸味は清涼感がありシャープな印象を受けました。

やはり生産者が同一という事もあり同じ方向を向いているのですが、土壌の特性をキッチリと表現がなされていたと思います。本当に素晴らしいシャルドネでした。
値段もラヴノーと比べると、ダブルスコアで安いので、機会があったら買いたいのですが、何分手に入らないという。ままならないものですね。

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ちなみに余談ですが、ドーヴィサの3種類は簡単にブラインドしてみました。
見事にすべて外しました。
敗因としては①香りだけで判断した。②時間経過を考慮せずある一部分だけで判断した。③畑の特徴を上記①②に照らし合わせて判断した。といった所です。
本来は時間経過の変化を見ながら持久力とワインごとのポテンシャルを見極めなくてはいけなかったのですが、②の様に、その時点で最も強い果実味を放っていたACシャブリをレ クロと判断してしまいました。本来は口に含んだ時の凝縮感である程度の不自然さを見極める事はできたと思いますが①によって考慮に含めることができませんでした。結局の所時間の経過でフォレとクロが開き、ACシャブリを軽く凌駕するポテンシャルを見せたので、ここまで見届ければ十分に正確な判断は下せたのではないかと思います。またフォレとクロは畑の特性でフォレはミネラルが良く出るので、それも恐らく判断可能だったのだと思います。
何れにせよお恥ずかしい限り。
ブラインドは慢心してるとあっさりと足元をすくわれますね。引き締めてかからないと、見事に引っかかりそうです。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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