【ブルゴーニュ:2】セラファン ペール エ フィス、官能的なカズティエ、禁欲的なコルヴォーを効く

こんばんわ。
本日はブルゴーニュ特集第二回。ジュヴレシャンベルタンの生産者、セラファン ペール エ フィスの村名、そして1級コルヴォーとカズティエをレポートします。

セラファン ペール エ フィスは1947年に設立したクリスチャン セラファン率いるドメーヌ。
ジュヴレシャンベルタンにおいても傑出した品質のブルゴーニュを産出しています。
なるたけ葡萄に人的なアプローチを避けた栽培を行なっていますが、芽掻きや剪定はしっかりと行ない、状態の悪い葡萄はすべて選果で弾かれています。除梗は60%程度行ない、5-6日の低温浸漬。アルコール発酵をしながら15-20日のキュヴェゾンを行ない、新樽比率は村名で70%、一級は100%程度で20ヶ月の熟成を行なう。無濾過、無清澄で瓶詰めされる。

セラファンは村名は頂いた事がありますが、1級クラスは初めてです。
びっくりする程レベルが高くて驚きました。伸びやかで華やかでいてリッチな均整の取れたワインだと思います。
個人的にはとても注目している生産者なので、今後もどんどんレポートして行きたいと思います。



生産者: セラファン ペール エ フィス
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン 2010

約8000円、WA89pt
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。村名ながらとても伸びやかで煌びやかな香りが特徴的。
シナモン、黒胡椒、バニラなどの甘露さと共に強い酸味を伴うジャムの様なアメリカンチェリーやラズベリーの香り。そして華やかな薔薇やスミレ、八角やわずかな茎のニュアンス。なめし革、燻製肉、ローズヒップ、カルダモン、グローヴやタイムなど。
全体の雰囲気としては硬さは無くタンニンは柔らかい、梅しばの様な綺麗な酸味と旨味が広がる。煌びやかでありながら、ふくよかで柔らかい甘さを感じるジュヴレシャンベルタン。村名にしてこのクオリティか...!


生産者: セラファン ペール エ フィス
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ レ コルヴォー 2010

約13000円、WA90-92pt
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
村名と方向性は似ている。しかしながらより凝縮感が強くミネラリーで引き締まった印象を受ける。
ただその凝縮感だからこそか、花開いた時の規模感は村名を大きく超越する。
シナモンやシロップの甘露さと果皮成分の強いダークチェリーやブルーベリーの果実味。それらの甘露さや酸味の際立つ果実味が渾然一体となって芳香する。スミレや薔薇、八角のスパイシーさ、茎、グローヴやタイム、燻製肉のニュアンスも。
じわっとしたタンニンと引き締まった酸味と旨味が綺麗に口に広がる。ものすごいチェリーの旨味と果実味。
引き締まった凝縮感があるので一見硬質な感じですが、そのパワーや甘露さ、ミネラルたるや村名を大きく超越する。


生産者: セラファン ペール エ フィス
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ レ カズティエ 2010

約22000円、WA93-95pt
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
全くコルヴォーと村名とは方向性が違う。いかにもジュヴレシャンベルタン的なワイン。
煌びやかだが、村名と比べると、よりボリューム感があり甘露で肉感的で厚みのある香り。
肉厚な印象もあいまってシナモン、黒砂糖、バニラ、八角の様なふくよかな甘みとジャムの様なダークチェリー、ブルーベリーの果実味。
コルヴォーがミネラリーかつ凝縮した甘さの印象を受けるのに対して、カズティエは厚みと甘露さ、複雑さが大きく発露するスタイル。華やかな薔薇やスミレ、鉄釘、果皮の味わい、燻製肉、ミルクティー。わずかにタイムやグローヴが感じられるが、ロースト香や果実味がが非常に強い。
タンニンは柔らかく、酸味と共に溢れ出る旨味が素晴らしい。
こちらも口に含んだ時にフレッシュなジャムの様な果実味が広がって行く。余韻は長い。
凄まじく偉大な一級畑だ。


セラファンのワインを飲んで思うのが、どれも雑味の無い澄んだ果実味と煌びやかで華やかさを備えたピノノワールだなと。そして口に含んだ時の旨味は村名から一級まで驚くくらい滑らかで官能的。どの要素もつけいる隙が無いくらい美味い。

どれもバランスが良く、もう既に村名からして驚異的な甘露さ、完成度。
そして村名から発展する様にコルヴォーは強固でドライなミネラル感、そして強い凝縮感を併せ持っています。
ただドライといっても、カズティエとの比較なので、村名と同程度には豊かな果実味があります。そして時間を経過しても暫くその果実味が向上、持続します。さながら長距離スプリンターの様なピノノワールだと思いました。
やや果皮に由縁する華やかさが強く、ちょっとした青っぽさがあります。
またカズティエはコルヴォーとはまた別方向に村名を発展させたスタイル。濃厚で甘露だけど、とても品の良い豪華さを備えたピノノワール。
さながら新世界が如き強烈な果実味、新樽のクリスピーな風味。ブルゴーニュ的な伸びやかさ、繊細さ。畑のポテンシャルもさることながら、生産者の巧みな技によるところも大きいと思います。

そもそもこの生産者の作りは結構濃いめの作りなのですが、それぞれの畑の特徴と照らし合わせてみると、とてもテロワールに則した作りをしていることがわかります。

コルヴォーはマジシャンベルタンの下部、コート サン ジャックの向いに位置する畑でジュラ紀中期のバトニアン地質(褐色石灰岩と粘土)。ラヴォー渓谷とモレ渓谷の背斜面からの冷涼な風の影響を受けます。
カズティエはクロ サン ジャックと共に別格クラスの一級畑で標高300-360mの急斜面にあり表土に石が多く、泥灰質と沖積土壌で構成されており、中腹部に岩が露出していることから表土は薄めだと思われます。出来るワインはpH値が高くなる事が特徴です。

ややコルヴォーがドライでミネラリーで印象を受けるのは、母岩の褐色石灰岩とラヴォー渓谷とモレ渓谷の冷涼な風の影響を受けている為だと思います。
マジシャンベルタンやフォントニーの方が背斜面に近く、上部で表土が厚いので硬さと凝縮感を併せ持つワインが出来るのですが、コルヴォーはマジやフォントニーと同様の風の影響受けつつ、母岩の影響も併せて強く現れている様に見受けられます。
対してカズティエはコート ド サンジャックでも風の影響を受けにくい場所にあり、かつ南東向きの急斜面でよく果実が熟し、かつ複雑な土壌構成で複雑な要素が出ていると思います。パワフルかつ繊細だと思います。(隣のクロ サン ジャックはより複雑かつミネラリーで、かつよく成熟するであろう事がよくわかる立地ですね)
村名も比較的良くできているのですが、とてもテロワールに則した良いワインが出来ていると思いました。

いや、ドニ バシュレとともにセラファンは個人的にとても大切なドメーヌになりそうです。
ブルゴーニュはどの村にもとても偉大なドメーヌが多いですが、なんだかんだ言って一番衝撃を受けるドメーヌは大体ジュヴレシャンベルタンに多い様な気がしますね。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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