【ブルゴーニュ:4】DRC、ロマネ サン ヴィヴァン 2009、そして1989。熟成を比較分析する。



こんにちわ。
本日は昨日に引き続き、ブルゴーニュ特集でございます。
ちなみにしばらく続きますのでぜひよろしくお願いいたします。
気分によって、たまにほかの地域のものに混ぜるかもしれません。

さてDRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
その歴史は一冊本が出来るくらいなので割愛しますが、どのワインも異常に品質が高く、そしてお値段も高い事で有名ですね。現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名です。以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。保有する畑は特級エシェゾー、特級グランエシェゾー、特級ロマネサンヴィヴァン、特級リシュブール、特級ラターシュ、特級モンラッシェ、そして特級ロマネコンティです。2009年からは新たに特級コルトンをリリースしています。また各特級の若木を使った1級デュヴォープロシェなんてのもあります。
ヴォーヌロマネの特級およびモンラッシェではいずれも区画最大所有者となっています。
ちなみに自社で瓶詰めはされませんがバタールモンラッシェと一部ヴォーヌロマネの1級畑も保有しています。
基本的にビオディナミで栽培を行い馬を使って耕作をします。除梗はせず長い期間を32度から33度のマセラシオンを行ない、新樽100%で熟成を行います。清澄は卵白を使用して行います。
今回はそのポートフォリオの中でも比較的上位に位置するグランクリュ、ロマネ サン ヴィヴァンの2009年ヴィンテージと1989年ヴィンテージを比較します。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 2009

263000円、WA94-97pt
色調はやや赤みの強いルビー、粘性は高い。
サーヴ直後から凄まじい芳香。
強烈な凝縮感、実体がすぐそこにある様な花と果実の香り、強靭なミネラル感。別格感が漂う。
とても官能的な薔薇やスミレの華やかさ、そしてダークチェリーやフランボワーズ、オレンジの凝縮感のある果実味。ユーカリ、グローヴ、森の下草、紅茶の自然の香り。胡椒のスパイシーな香り。強烈ななめし革や生肉。
ドライハーブ、トリュフ、わずかにシロップの甘さを感じさせる。
硬い、開く気配なし。
しかしながら凄く目の詰まった凄まじいくらいの凝縮感、雑味が無く、びっくりするほど澄んだ液体。
恐ろしく優美で複雑な世界観。抜群に酸味もタンニンも柔らかで滑らか。
しかしながらその液体密度は群を抜いている。アタックは複雑で茎や果実や様々な要素が渾然一体となって芳香する。
ややドライだがとても澄んだ味わい。最後に少しだけその美しい横顔くらいは見えたかな。
澄んだ果実味、渾然一体となった自然の要素。綺麗な旨味。固さを感じるものの、さすがの完成度を感じた。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 1989

約236,000円、WA92pt(1990)
外観は橙を帯びたルビー、粘性は高い。
前回頂いた1972年のDRC エシェゾーと同様の味わい。焼いた帆立の塩っ気のある出汁の風味が強い。
今回も熟成が足りないのかと諦めかけたが、見事数十分で開き始めた。
DRCらしい非常に澄み切った味わいで強い芳香を放ち始める。
シロップに漬け込んだ薔薇やスミレの香り(ドライフラワー?)、そして高密度に凝縮されたダークチェリーや紫スモモの果実味。ドライハーブ、タイム、茎、ミントの清涼感を強く感じさせるニュアンス。
そして熟成に由縁する濡れた木材の大地香や燻製肉、梅昆布茶など。
非常にエロティックで妖艶で華やかな芳香。
アタックは滑らかでシルキー。酸味はしっかりと存在するけれど、同時に強烈な旨味を放っておりスープの様な濃縮感がある。
旨味成分の固まり。シロップ漬けの花や梅しばの綺麗な旨味のアフターが長く続いていく。
しなやかで素晴らしいロマネサンヴィヴァン。突出している。流石DRC。


今回の2009年ヴィンテージは全然開いていない状態でした、当然ですが。
しかしながらDRCらしい透明感のある複雑な風味はしっかりと感じられて、バランス維持が難しい全房発酵で見事に果実味と梗のスパイシーな風味の均整が取れている。
アタックは羽のように柔らかだが、液体密度や凝縮度は非常に高い。とても目が詰まっている。
あと数年でジャムのような果実味が溢れる様になるはず。例えば2004年のヴィンテージの様な。
さすがに芳香性は高い。ただ現段階でルーミエやフーリエ、アルマンルソー程の高密度の芳香は感じられない。
しかし時間経過による香りに落ち込みはほとんどなく、その強度は非常に高い事がよくわかる。
これからの熟成にとても期待できるサンヴィヴァンだと思った。
次に89年のサン ヴィヴァンは、どちらかというと以前飲んだ70年代エシェゾーと比較するべき代物。
エシェゾーは焼いたホタテの風味から開くことはなかったが(開くというか、果実味が現れなかった)サンヴィヴァンは数十分で綺麗に開き始めた。熟成香が主体でありながら、ドライハーブや薔薇、スミレなどの芳香が強く感じられた。
同じ古酒とはいえ、単純に89年と72年とだとかなり年代に差があります。
エシェゾーは熟成が進みすぎたため、上記の要素がなくなっていたのではないかな、と思います。
当然方向性は同じ。熟成香の出方や強さは同等だと思いますので、単純にエシェゾーは果実味が落ち切ってしまっている。そういう意味だと89年のサンヴィヴァンはなかなか良かったのではないかと。
若いヴィンテージとだとあまりに違いすぎて分かりにくいですが、基本的には要素はそのままで透明感や清涼感を失う代わりに熟成香と旨味が前に出ている様に思いました。
ちなみにDRCの保有している区画はロマネコンティ下部ではなく、リシュブールの下部にあるようです。
樹齢は15年から50年。収量は35hl/haとのこと。これが黄金比なのでしょうか。
みる限りだと収量は十分落としているという風に思いますが、樹齢はローヌを見るともう少しあってもいいのでは・・・?と思ってしまいます。ただこの味わいを出すにはこれくらいがちょうどいいんですかね。
高樹齢で収量を20hl/haまで落としたら、それはそれで何か別のワインになってしまいそうな気がしますね。
澄んだ透明感のある味わいを出すには実はこれが黄金比なのかもしれません。
凄まじい存在感を感じられたDRCのサンヴィヴァンの垂直でした。


DRC ロマネ・サン・ヴィヴァン[1989]

DRC ロマネ・サン・ヴィヴァン[1989]
価格:136,500円(税込、送料別)

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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