【ブルゴーニュ:6】フーリエの絶妙な一級畑(シェルボード、コンブオーモワンヌ)を利く

こんにちは。
本日はジュヴレシャンベルタン、ドメーヌ フーリエの一級シェルボード、コンブ オー モワンヌの2本です。

フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ、品質を考慮するとまだ良心的な生産者とも言えます。特にフラッグシップの一級クロ サン ジャック、そして特級グリオットシャンベルタンは毎年争奪戦です。僕の知ってる酒屋でもグリオットは辛うじて一本。なんて厳しい...!
リュットレゾネで自然のまま栽培、摘房はせず摘芽で収量制限を行い、厳重に選果を行った葡萄を100%除梗、この手の生産者では珍しい20%の新樽比率で18ヶ月熟成させます。そしてノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め。いかに自然な果実の風味を大切にしているかわかります。
そんなこだわりのフーリエの2つの一級畑を利いてみました。



生産者: フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ コンブ オー モワンヌ 2007

12000円、WA90pt
浮遊物のある、やや赤みの強いルビーで、粘性は高い。
しっかりとしたミネラル感。
強すぎない均整の取れたワッフルや焼き栗などの樽のニュアンス、アニスのスパイシーさ。デーツ、チェリーリキュールの様な澄んだ甘やかさ、スミレのシロップ漬けの様な甘露な風味を感じる。わずかに五香粉などのニュアンスも。
鉄分や燻製肉。ドライハーブや紅茶、茎、グローヴ、タイムなどのニュアンスも。しっかりした骨格で複雑だ。
タンニンは柔らかいが、酸はとても充実している。瑞々しく澄んだ高密度の果実味。ダークチェリーなど果実味、そして綺麗な旨味も感じられるアフター。煌びやかで密度の高いワイン。2010年のルーミエのスタイルと少し似ている。ジュヴレシャンベルタンとしてはミネラリーで澄んでいる。(2010ルーミエはシャンボールとしては濃いと思う。)


生産者: フーリエ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ シェルボード 2000

約30,000円、WA92-94pt(2002)
外観は透明度の高い淡いルビー、粘性は高い。
若いヴィンテージほどではないにせよ非常に甘やかな香りを放つ。
フーリエのワインはこういったキャッチーさがありつつ、複雑で幾らでも深入りできるのがいい。
アニスやバニラ、濃厚なシロップの様なスパイシーさを伴なう甘露さ。ミルクティーの様なまろやかさ。
そしてやや熟成を帯びた梅しば、ダークチェリーの引き締まった果実味が中心に感じられる。
周辺を固める様に華やかなスミレや、濡れた樹皮、若い葉、トリュフなどの大地香。イーストや燻製肉などの風味も。
酸味とタンニンは柔らかく綺麗な印象。
口に含むと塩っぽい出汁や梅しばの奇麗な旨味が感じられる。しっかりとした熟成感があるが、若干樽がまで少し強めか。
バニラ香と梅しばのアフター。シルキー。優しい土の香りが感じられる。素晴らしい。


やはりフーリエは最高だ。
熟成させても良し、若い時分に飲んでもよし。どれを飲んでも様々な顔を見せてくれる。無理に若作りするわけでもなく、無理に背伸びするわけでは無い。
という訳で比較的若めのフーリエです。
以前1980グリオットシャンベルタン、2010クロ サン ジャック、コンブ オー モワンヌ、シェルボードを頂きましたが今回はその間を埋める形の2本です。
まず概ねその特徴としてはジュヴレシャンベルタンとしては澄んだ味わいと噛む様な密度の高い果実味が特徴だと思います。(濃い訳ではなく、目が細かく高密度)、ジョルジュルーミエ的なスタイルだと思います。その中で熟成を経ていくとどうなるか、という所。
まず10年くらいなら果実味が全く衰えない。これはメオ カミュゼのリシュブールにも言えるのですが、2000年のシェルボードは一級畑としては格下の位置付けではあるものの、依然強い果実味を残しています。若い頃に目立った果皮の華やかな風味と綺麗な酸味は熟成によってかなり落ち着いている...というか熟成香に転化しています。そもそも控えめだった樽も完全に溶け込んでいます。
その中で瑞々しく太い果実味が際立っていて、風味としては若いヴィンテージと比較するとかなり丸みを帯びた印象に感じました。それでいて口当たりは1980年のグリオットシャンベルタンに見られた梅しばの様な凝縮した旨味も感じられます。非常に複雑な状態になっていますので、グリオットの様な澄み切った旨味、という訳ではないですが、いい具合に果実味、熟成香、旨味のバランスが取れた味わいだと思います。
2007年のコンブオーモワンヌは2010年とさほど大きな差異は感じられませんでした。しかしながら若干の熟成によるものか、もしくは単純にヴィンテージの差かは分かりませんが、2010年は2007年と比べて、より高密度で果実味と樽も強め。酸に関してはやや控えめだと思います。対して2007年はやや酸が強く、ミネラルがしっかりと感じられる。清涼感のある作りだと思います。ただ共通して瑞々しくもしっかりとした果実味を感じられる良い作りです。


ちなみにシェルボードとコンブ オー モワンヌの位置関係はこんな感じ。
コンブオーモワンヌはラヴォー丘陵、カズティエの隣に位置する畑でクロ サン ジャック、ラヴォー サン ジャック、カズティエに比べて真東に向いています。背斜面からの風も受けにくい場所なので、基本的にはふくよかな体躯になるのでは、と思います。
シェルボードはシャペルシャンベルタンに隣接する一級畑でこちらも風の影響は受けにくい立地で、標高としても低めに位置します。
どちらの方が優れているかといったら、土地的にはそうでもないと思うのですが、一般的な話とフーリエとしての位置付けとしてはコンブオーモワンヌが上位になる場合が多いです。

今回ヴィンテージが7年差あり、テロワールというより熟成による変化が大きく出てますんで、あまりここは気にするべき部分ではないかと思いますが。

2010年を例にとってみると、華やかなシェルボード、豪華なコンブオーモワンヌという印象でしたが、熟成期間による影響もあり、より極端にそれらの特徴が出ていたと思います。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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