【ブルゴーニュ:9】ラモネの超高品質な古酒、レアなブドリオット、至高のビアンヴニュを利く

こんにちわ。
自転車操業状態のひとりぼっちのテイスティング勉強会です。
かなりギリギリの更新でやってます。
事前にある程度書いていたとはいえ、毎日更新はなかなかキツイものがありますね...とはいえ、先月は結構休んでいたので泣き言はいってられません!
気合い入れて仕事の邪魔にならない程度に頑張ります!

さて、今回はラモネの2種です。
熟成したクロ ド ラ ブドリオット、そしてビアンヴニュ バタールモンラッシェです。

ラモネはブルゴーニュ白においてルフレーヴ、コシュデュリ、コントラフォンに匹敵するスター生産者。ただし例の如く球数がべらぼうに少ないです。
平均樹齢はブドリオットで55年、ビアンヴニュで50年程度の古木。18年以下の葡萄に関しては除外しています。収量制限はヴァンダンジュヴェールは実施せず、春先の摘芽で代用。アルコール発酵はタンクと木樽を併用してやや低めの温度で行います。ピジャージュは1日3回程度機械で行われます。新樽比率は一般的に30%程度(モンラッシェは100%)。18ヶ月の熟成の後、軽い清澄と濾過を行い瓶詰めされる。
フラッグシップは特級ル モンラッシェ、シュヴァリエ、バタール、ビアンヴニュ。特にシュヴァリエのわずか1haのにも満たない占有面積から産出されるワインはほぼ手に入らない。

個人的に何気に出会う機会がそこそこ多い生産者で、一級や村名、グランクリュでいうとシュヴァリエ、赤ならクロ サン ジャンを頂いた事があります。
今回はランクでいうと最上とは言い難いですが、熟成したラモネは極上の味わいでした。


生産者: ラモネ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ クロ ド ラ ブドリオット 1983

23100円
外観はエッジに淡いオレンジを帯びたレンガ色、粘性は低い。
綺麗に熟成しているが、流石に液体密度や香りは落ち込み気味。
澄んだ紫スモモやイチジクのエキス感のある果実味。沢庵の様な強烈な旨味を放っている。そしてなめし革、森の下草、トリュフなどの野生的な風味とクローヴなどのスパイシーなニュアンスも感じられる。
酸味は柔らかく滑らかで、口に含むと綺麗な旨味が口の中に広がっていく。
イチジクと腐葉土のアフター。
余計なものが削ぎ落とされて、滋味深いスープの様な味わいになっている。
素晴らしい。


生産者: ラモネ
銘柄: ビアンヴニュ バタール モンラッシェ グランクリュ 1985

約170,000円、WA97pt(1988)
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
しっかりと熟成を経ており、驚異的な味わいとなっている。
非常にクリスピーかつミネラル感が豊富であり、石油の様なミネラルの堅さにクリームブリュレやバニラ。
香ばしいナッツの風味。そして洋梨、赤リンゴ、ライチの濃密な風味。
わずかに胡椒やキノコ、杏仁豆腐などのニュアンスが感じられる。
果実味は非常に瑞々しい。このワインで最も優れている点は酸味、ミネラル感、旨味、甘みの均衡の図抜けたバランス。
口に含んだ時に奇麗な酸味が広がり、ミネラルと共に旨味が広がる。そして静かに旨味が甘みに転化し長い余韻を残す。
とても完璧な流れ。クリスピーでスパイシーなアフター。素晴らしい熟成シャルドネ。驚愕した。


熟成ラモネです。
概ね赤も白も年代が近いので熟成の方向性はとても勉強になりました。
全体的にいうと熟成を経た後のラモネのワインは赤白ともに濃密さや濃厚さといった要素とは無縁の穏やかさで、とても優しい味わいの古酒となっていました。
いわゆる最上の生産者と呼ばれる方々のワインと比べると、やや密度の低さを感じますが、その分熟成を経た後のバランス感がとても良いのが印象的でした。いやもう本当に感動的なくらいに絶妙なバランス。
特に素晴らしかったのはやはり特級畑ビアンヴニュバタールモンラッシェでしょうか。
まさに掛け値なしに凄まじいブルゴーニュ、奇跡的なシャルドネでした。そもそもラモネのワインは比較的ミネラルが強く感じられるのですが、このビアンヴニュは28年の熟成を経てなお、強固なミネラル感を維持しています。
そのせいか、熟成後のラモネのグランクリュは独特の雰囲気を放っていて、甘露でありながらミネラルがとても豊かで、クリスピーで香ばしい香りが強く現れています。甘露さでいうならコントラフォンには大きく及びませんが(それでも十分すぎるほど甘露です。)、このラモネのビアンヴニュの素晴らしい所はアタックから余韻に至るまでの脅威のバランス感と演出能力にあります。
口に含んだ時にまず奇麗な酸味が広がり、徐々にミネラルと共に旨味現れる。そして静かに旨味が甘みに転化し長い余韻を残していく。酸味から旨味、旨味から甘みへの切り替わりは芸術的かつ官能的です。
派手な要素や突出した要素は平準化されて、総合的に突出した古酒になっています。
赤白の違いはありますが、その美しさたるやフーリエの1980年グリオットシャンベルタンに比肩する出来だと思います。
赤の方もバランス感が素晴らしい。これも白同様密度や濃厚さは感じさせず、フーリエのグリオット程では無いのですが、綺麗に熟成を経たピノノワールだと思いました。エキス感が充実しており、旨味も酸味も申し分ないと思います。腐葉土やイチジクの雑味の無い酸味が綺麗に広がるところがいいですね。とても上品だと思います。
まさにブルゴーニュの伝統的な古酒だと思います。


さて、いつものです。
ビアンヴニュバタールモンラッシェはバタールモンラッシェの下部に位置する特級畑です。斜面は南向きで粘土質が強く、厚い褐色の石灰岩土壌で構成されています。
クロ ド ラ ブドリオットはモルジョの下部に位置する一級畑でモルジョと比較すると石灰岩が多い土壌で構成されています。斜面は東向き。
共に熟成していた為、土壌はあまり参考にならないと思いますが、両方とも果実味が突出しているわけではなく、ミネラルなどの要素とバランスが取れた作りだったと思います。
それは特級、一級とはいえ、かならずしも傑出しているテロワールでは無い故に生産者が手を入れて形を整えてあげる事で完成された努力の成果にも見えますね。素晴らしいワインでした。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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