【ローヌ:1】区画名付きエルミタージュ、シャプティエとジャブレの絶妙シラー



こんにちは。
今日はローヌはタン エルミタージュでございます。
念願のシャプティエのセレクションパーセレール2種類と、ポール ジャブレ エネのラ シャペル。

同じ北部のシラー主体のワインとしてコート ロティと並び立つエルミタージュ。この恵まれたテロワールから生み出されるすばらしい区画名ワイン。
どんな感じでしょうか。

Mシャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのエルミタージュで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。今回はパヴィヨン ルージュとロレ ブランの2本です。
共に完全なビオディナミによって栽培がなされています。
パヴィヨンは樹齢70-140年のシラーの古木を使用し、手摘みにて収穫した葡萄は木製開放桶で野生酵母でアルコール発酵。毎日1-2回程度ピジャージュを行います。発酵温度は20-32度とやや高めで、キュヴェゾンは3-4週間。新樽100%で20ヶ月の熟成を行った後、無濾過、無清澄で瓶詰め。
ロレ ブランはビオディナミで栽培したマルサンヌを手摘みしフレンチオークとステンレスタンクで30日間17度で発酵。 フレンチオークの新樽30%、ステンレスタンク70%でMLFを行いながら16ヶ月間熟成の後無濾過、無清澄で瓶詰めされる。

ポールジャブレは1834年にエルミタージュに設立されました。
北部南部ローヌ一帯に自社畑を保有し、
シャペルはエルミタージュ最高の畑べサールに加えてグレフェ、メール、ロクールのアッセンブラージュ。
平均樹齢40年、平均収量10-18hl/ha。
除草材畑を使用せずキャノピーマネージメントを行いながら、全て手作業での栽培が行われています。
収穫した葡萄は丁寧に選果され、低温浸漬の後、セメントタンクでアルコール発酵。オークの旧樽で12-25ヶ月熟成を経て瓶詰めされます。


さて、行ってみましょう。


生産者: ポール ジャブレ エネ
銘柄: エルミタージュ ラ シャペル 2000
品種: シラー100%

14000円、WA86pt
外観は薄目のガーネット、粘性は高い。
ヴィンテージにしてはかなり熟成感を帯びている様に感じる。
ドライイチジクやブルーベリーの果実味、そして生肉や、ドライフラワー、黒胡椒など。熟成したソースの様な濃厚な風味が現れる。非常にスパイシー。
そしてこちらも華やかな花の香りが強く感じられる。ドライハーブやタイム、漢方などの非常に豊満で複雑なな香りが強く感じられる。
酸味、タンニンは非常に強く感じられる。ソースの様な濃厚な旨味が口内を占める。アフターはとてもスパイシー。熟成の方向性としてはボルドーに近いと思う。


生産者: M シャプティエ
銘柄: セレクション パーセレール エルミタージュ ラ パヴィヨン 2007
品種: シラー100%

23000円、WA92-94pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。非常に濃密で、強い薔薇の華やかさ、そしてブラックチェリーやプラムの甘露で凝縮感のある果実味が感じられる。キャンディの様なポッテリとした果実味が感じられる。また胡椒や燻製肉、ジビエなどの野性的でスパイシーなニュアンスやドライハーブ、ミントやリコリス。ファンデーション、ヒノキやお香の様な複雑な香りが感じられる。
酸味とタンニンはかなり強い。華やかな花の香りが強く感じられると同時にスパイシーな味わいもあらわれる。スミレ黒系果実のアフター。余韻は非常に長く、官能的な味わい。


生産者: M シャプティエ
銘柄: セレクション パーセレール エルミタージュ デ ロレ ブラン 1992
品種:マルサンヌ100%

約42,000円、WA96pt
外観は濃いストローイエロー、粘性は高い。
折り目正しい奇麗なミネラル感が感じられる。
タイプとしてはジャン ルイ シャーヴに方向性は似ていると思う。
濃厚な黄桃やアプリコットの甘酸っぱい凝縮した果実味。
清涼感のある白い花、ハチミツやヨーグルトなどの酸味を伴なう力強い味わい。
カマンベールチーズの様な風味も感じられる。
とても甘露で、シャルドネの様に上品な訳ではないが溌剌とした個性豊かな味わいのマルサンヌ。
酸味は際立っているが舌触りは柔らかい。とても豊満な旨味が口の中で広がる。とても濃厚で肉厚な味わい。
セレクション パーセレールの「ル パヴィヨン」も当然素晴らしかったが、白の「デ ロレ」もべらぼうに良かった。


2000年と2005年だと、かなり年代が遠く比較は難しいので、今回はひとつひとつ行きます。
まずエルミタージュの全体感からいくと、赤はコートロティの様なスパイシーで繊細なタイプではなく、より野性的で果実味に溢れ、力強いと感じました。どちらかというと新世界寄りの甘露でパワフルなシラーといった所でしょうか。
そして、白はシャーヴのエルミタージュ ブランの様な溌剌とした黄桃、アプリコットの風味が際立った複雑かつ力強いマルサンヌでした。濃厚なグリューナーヴェルトリーナー的な風味ですかね。
全体的にはそんな感じです。個々で言うとまずヴィンテージが違いますので熟成を考慮しながらいきます。
まずシャプティエのパヴィヨンは非常に力強く、酸味もタンニンも極めてパワフル。新世界的な濃厚で甘露な果実味がベースにありつつ、ローヌのシラー特有のスパイシーさや果皮由縁の華やかさがあります。燻製肉の様な野性味も感じられます。
凄いブリブリではち切れんばかりの果実味があるんだけど、そこに対して様々な要素が溶け込んでいて、高いアルコール度数と濃度を維持しながら、とても複雑な風味が現れていると思います。
そしてポール ジャブレ エネのエルミタージュ ラ シャペル。
これは単一畑ではないのですが、複数の一線級の畑を混醸したワイン。
年代としてはかなり熟成を経ている印象で、ボルドーのグランヴァンに似た熟成の方向性だと思います。ブルゴーニュの熟成で現れるグルタミン酸ナトリウムではなく、グアルニル酸2ナトリウム系の熟成という事ですね。それに加えて品種由縁のスパイシーさや枯れた葉の様な風味が現れています。
綺麗に熟成しておりとても複雑ですが、ボディはまだ丸まっておらず、その熟成香と比較して、ややタンニンと酸が際立った味わいになっている様な気がします。
シラーの熟成は今回始めてしっかりと味わったので勉強になりました。
最後はマルサンヌ。これは熟成したセレクションパーセレールの白。
これが熟成してなお肉付きの良いボリューム感たっぷりのマルサンヌで、アプリコットや黄桃の甘露で心地よい酸味のある果実味。十分にマロラクティック発酵したまろやかな乳酸の風味、清涼感のある白い花の風味。さながらジャン ルイ シャーヴのエルミタージュ ブランを想起させる様な風味がとても魅力的。
正直パヴィヨンやロレなどのパーセレールを飲むと、一般的に幅広く販売されているコート デュ ローヌとはやはり一線を画しているなあ、という印象。
そもそも一般的なキュヴェも十分に品質は高いのだけれども。例えばクローズエルミタージュ レ メゾニエなんか、本当に美味い。
ただ完成されたエルミタージュの絵をこちらは垣間見せている様な気がしますね。併せてポールジャブレのシャペルは熟成の姿を見せてくれたと思います。

ちなみに、パヴィヨンはべサールの中にある一区画だそうですね。なるほど...。ちなみに区画ごとの違いが分かるほどローヌは飲み込んでいないんで、感想だけにとどめます。素晴らしい体験でした。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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