【シャンパーニュ:1】ジャック セロス、そしてその甥セロスパジョンが作る最上級シャンパーニュ2種を利く

こんばんわ。
今日はシャンパーニュ、パジョン セロスとジャック セロスです。

ジャック セロスは説明不要なレコルタンマニピュラン最高の生産者です。現在はアンセルム セロスが指揮を取っており、アイ、アヴィーズ、クラマン、オジェ、メニル、アンボネイなどに畑を保有しています。平均樹齢38年、栽培は全てビオディナミ。バリック木樽での発酵、新樽比率10%の樽で熟成を行い、瓶内で24ヶ月から36ヶ月熟成後デコルジュマンを経て出荷される。このブリュット ロゼは自社生産のシャルドネ93%、エグリ ウーリエから調達したピノノワール7%(現在はアンボネイにピノの畑を保有しているらしいので、他者からの調達はしてないみたいです)。ノンヴィンテージシャンパーニュです。

そして、その甥ジェローム セロスが運営するセロス パジョン。
アンセルム セロスの下で修行を行い、現在は自らのメゾンで4種類のシャンパーニュを仕込んでいます。栽培はビオ...だと思いますが、情報が無かったのでわかりません。収穫の後フランソワフレール社の木製樽でアルコール発酵後、MLF。8-9ヶ月の樽熟成を経て、瓶内二次発酵を行う。ドサージュは10.6g/l。ちなみに今年が初入荷との事です。


生産者: セロス パジョン
銘柄: キュヴェ フュ ド シェーヌ NV
8000円

外観は淡いストローイエロー。
粘性は高く、泡も力強く立ち上る。
比較的ミネラルは強めでありながら、とても豊満な作りのシャンパーニュ。
樽がしっかりと効いており、バターや西洋サンザシ、甘露なシロップやバニラの風味やスモモやパイナップルの豊満な果実味が楽しめる。香りに関してはとても品が良く均整が取れていて、心地よい酸味とナッツの豊満な風味。フレッシュハーブなどの風味も感じられる。
非常に力強い酸があるが、若干余韻は短く、そのシャープさと豊満な甘露さは波が引く様に消えていく。瞬発的に心地よい官能性を楽しめるシャンパーニュ。


生産者: ジャック セロス
銘柄: ブリュット ロゼ NV

約25000円、WA95pt
外観はやや濁ったオレンジ、粘性は高い。泡は穏やかでゆっくりと立ち上る。
かなり熟成を帯びたニュアンスが強く現れている。リザーブワイン多めかも。熟成したピノノワールの香りがしっかりと現れている。
焼きたてのパンの様な香りと共に、ラズベリーやアプリコット、そして赤リンゴの噛む様な肉厚な果実味が感じられる。甘い核種系の蜜の様な豊満な香り。華やかなスミレの香りや徐々にクローヴ、タイムなどの青っぽいニュアンス。徐々にモカやバニラ、燻製肉などの風味も現れる。
最初はトースト香が強く、やや素っ気ない印象を受ける。
しかしながら開き始めると、その液体密度はべらぼうに高く、まるで果実を噛んだ様な濃厚さを内包している事に気がつく。
酸や泡は柔らかく滑らか。穏やかでありながら噛む様な溌剌とした豊かな果実味が素晴らしい。
最初は??といった感じだったが、やはり素晴らしいシャンパーニュを作り出している。余韻も長い。


まずはセロス パジョン。
「また親類関係か、どうなんだろうな」とちょっと疑問だったのですが、これが非常に良く出来たシャンパーニュでした。基本的にはフレッシュで若々しい味わいが魅力です。非常に甘露で豊満な香りを放っていて、まるでよく出来たブルゴーニュのシャルドネの様な味わいがあります。
それに対して酸味は切れ味が鋭く、シャープな印象を受けます。複雑ではなく、余韻もやや短めですが、価格見合いで考えると、かなり良いシャンパーニュじゃないかと思います。
セロス パジョンは見たところまだ若いヴィンテージしか無い様ですから、これからリザーブワインが増えていくたびによりこのキュヴェの完成度は上がって行きそうな気がしますね。
そしてジャックセロスのロゼ。
こちらはとても複雑でルーミエのシャンパーニュ版といった果実味の厚さを感じさせる群を抜いたシャンパーニュだと思います。
テイスティングノートにも書きましたが、リザーブワインの比率が高いのか、かなり熟成したピノノワールの風味を強く感じます。ピノノワールの比率自体は僅か7%で、ほぼシャルドネですが、かなりピノの風味が強く出ていると思いました。噛む様な厚い果実味があり、酸味と旨味が充実しています。最初はやや素っ気ない印象を受けますが、香りが開き始めた時に見せる規模感は、やはり只者ではありません。そしてヴィンテージシャンパーニュに現れるモカやバニラの風味もまた、非常に官能的だと思います。
余韻の長さも含めて、流石にレベルの高い作りをしているな、という印象です。素晴らしい。

利き比べてみて思ったのが、やはりジャックセロスは半端ないな、という事。こんなに分厚いシャンパーニュは今まで飲んだ事が無かったです。それこそサロンやヴィンテージクリュッグでもそう思ったのですから、それだけの厚みと特異性があるシャンパーニュと捉えています。(熟成したグランダネやRDは別として)その上で個人的にはセロス パジョンの方が今のところ好みだったような気がします。
値段と希少性が高く、かつ個人的にはやや苦手なロゼという事もあると思いますが、セロス パジョンは余韻の面を除けばとても良い造りだったと思います。これは先述した様にリザーブワインの比率で変わるのでこれからでしょう。

とりあえずジャックセロスはブランドブランを飲みたいな...と思いました。

【セロス・パジョン】フュ・ド・シェーヌ[NV]

【セロス・パジョン】フュ・ド・シェーヌ[NV]
価格:7,100円(税込、送料別)


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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