【ブルゴーニュ:10】コントラフォン、ブルゴーニュ最上級の赤白を比較する。



こんにちわ。
本日はコントラフォンのムルソー4種類、ヴォルネイ1種類です。村名、畑名付村名デジレ、一級ジュヌヴリエール2種類。
コントラフォンは個人的にとても好きなドメーヌで機会があれば極力飲んでいきたいと思っているのですが...何分高い...!折角4種類を近い期間で飲む機会が出来たので気合い入れていきたいと思います。

説明不要かもしれませんが、コントラフォンはムルソーに拠点を置くドメーヌで、ブルゴーニュ、世界の生産者の中で常にルフレーヴ、コシュデュリと共にトップドメーヌとして語られる、シャルドネのスペシャリストです。
栽培醸造に関しては全ての畑でビオディナミを実践し、収量を25-40hl/haにまで落とし栽培を行う。収穫後2回の選定を行った上で圧搾、その後ステンレスタンクでデブルバージュ。新樽と旧樽へ移し低めの温度でアルコール発酵。
マロラクティック発酵を行いながら最大40%の新樽比率で21ヶ月の熟成を経て、無濾過、無清張で瓶詰めを行っています。
赤は除梗後、ステンレスタンクで6日間程度の低温浸漬。20日程度でアルコール発酵後圧搾。ピジャージュは最後の10日間のみ1日2回ピジャージュを行う。新樽比率は30%程度で18ヶ月から20ヶ月の熟成を経て瓶詰めされます。
コントラフォンの旗艦銘柄は特級モンラッシェ、ムルソー ペリエール、ジュヴヌヴィエール、シャルム。どの銘柄も人気が高く、上位銘柄は 価格も併せなかなか入手しづらいのが現状です。



生産者: コント ラフォン
銘柄: ヴォルネイ プルミエクリュ サントノ ディ ミリュー 2010

約16800円、WA89pt(2008)
外観は赤みの強い濃いルビー、粘性は高め。
平年のサントノに比べるといささか華やかさと果実味に欠けるような気がする。たっぷりとした樽香がある。
ミルクティーやコーヒーの様な樽香。樽とミネラルに覆い隠されているジャムの様なダークチェリーやラズベリーの果実味、強烈なスミレや薔薇の風味。茎やタイム、グローヴ、トリュフの大地香や、なめし革、アーモンド、黒胡椒など。
徐々に非常に甘露で黒砂糖の様に濃密な味わいが現れてきた。やはりロースト香が強い。
酸味は豊かで果実味も充実している。凝縮感がある。
瑞々しいが濃い味わい。ドミニクの軽妙で清涼感のある味わいとかなり異なる。


生産者: ドメーヌ コント ラフォン
銘柄: ムルソー 2010

約18900円、WA88pt(2009)
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
非常に甘露で果実味豊かだが、ラフォンらしい強烈なシャンピニオンやナッツの芳香を強く感じる。
2010ジュヌヴリエールと比較するとシャンピニオン、石油のようなミネラルがやや抑え目で、若干果実味が先に前に出ている印象。濃厚な洋梨、ライチの果実味。そして塩ナッツとエシレバター。シナモン、フレッシュハーブなどのニュアンスを強く感じる事が出来る。
酸味はとても豊かで口内に硬いミネラルが広がる。若干ザラつきも感じる。
ライチと洋梨の噛む様な豊かな果実味と力強い出汁の風味が感じられる。
余韻は長い。


生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー プルミエクリュ レ ジュヌヴリエール 2010

約33600円、WA92-95pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
コーヒーやローストナッツの樽香。そして石油の様な強固なミネラル、シャンピニオン、ノワゼットとエシレバターの風味が前に出ている。
最初は石を舐める様な強固なミネラルに覆われているが、徐々に香ばしい甘露さを増していく。
洋梨やライチの核種系の濃厚な果実味と、バニラやシロップの様な甘みが感じられる。そしてフレッシュハーブ、リコリス、杏仁豆腐などの風味も。
すでに非常に複雑で、かなりコーヒーの様な風味が感じられる。
酸味はやはり強い。口の中で洋梨、ライチなどの豊満な果実味と強いミネラル、ナッツ、バニラの香りが感じられる。ここまでで40分はかかった!噛む様な果実味。余韻は長い。


生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー デジレ 1990

約30000円、WA87-89pt
外観は浮遊物のある濃いイエロー。粘性は高い。
濃厚でありつつ、かなり複雑な風味が現れている。
白マッシュルームやノワゼット、塩バターなどのオイリーで濃密な出汁の様な香りが主体となるが、徐々に熟成ジュヌヴリエールに見られた糖蜜に漬けたワッフルや黄桃や洋梨の様な香りに。ノワゼットや塩バターが甘みを帯びているからか。ドライハーブやバニラ、ナッツの香りも。
非常に甘露で、かつナッツの香ばしい香りが強く現れている。甘さはジュヌヴリエール程ではない。
酸は充実しており引き締まっている。ナッツとキノコの出汁から、甘露なシロップを漬けたワッフル、そして口に含むと酸味の強い洋梨の風味が広がる。


生産者: コント ラフォン
銘柄: ムルソー プルミエクリュ レ ジュヌヴリエール 1989

約125,000円、WA94pt
外観は濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
ミネラルに閉ざされていたラモネのビアンヴニュに対して、ラフォンのジュヌヴリエールは強力なエネルギーを外に放っている。超濃厚でありつつ非常に上品な果実味が感じられる。蕩ける様な官能的なムルソーだ。
ラモネ程ではないが、しっかりとミネラル感もあり、豊満なだけではない芯の力強さがある。
糖蜜をたっぷりとかけたワッフル、バニラ、シナモン。そして洋梨やマンゴーなどの核種系の甘い香りが力強く芳香する。
また白い花、マッシュルーム、杏仁豆腐など熟成シャルドネならではの複雑な香りが感じられる。
香りは非常に力強く豊満で上品。
やや酸味が強く旨味もしっかりと漲っている。ただ刺々しさは無くて、非常に滑らかな口当たり。
濃厚なシロップと核種系果実ののアフターが感じられる。こちらも余韻は非常に長い。


いや、ラフォンファンとしてはたまらんラインナップです。
最新の村名とジュヌヴリエール、1990のデジレと1989のジュヌヴリエール。そしてラフォン最高の赤も。最高。
まずは赤から行くと過去のヴィンテージと比較すると、やや華やかさと果実味に劣る様な気がします。2010年は良いヴィンテージですが、あまり恩恵を受けられていない印象です。2006年ほど華やかではないし、2009年程果実味に溢れていない。均整はとても取れているのですが、突出している部分があまりないので、既存の突出した個性の2本に比べると、やや地味な印象を受けるんですね。
では、良くないかというと、決してそうではないと。2006年以上の果実味があり、2009年以上の華やかさや繊細さをきっちり持っていて、それを支える強固な樽香を放っています。
バランス感で言うとかなり良いと思います。樽もしっかりと効いていますし長熟しそうですね。平年と比べるとやや弱いですが、それでもヴォルネイの中では果実味が突出していると思います。ドミニクのヴォルネイはある種王道といった印象を受けますか、こちらはよりリッチだと思いました。

次に白2010年ヴィンテージ。村名とジュヌヴリエールの2本の差は果実味と樽香の出方だと思いました。
方向性自体は、ほぼ同じなのですが、村名の方がより果実味が前に現れています。開いてくるのが早い。ミネラルやノワゼット、バターの風味は押さえ気味です。現段階では流石に硬すぎますが、あと数年もすれば美味しくなるのではないかと思います。
対してジュヌヴリエールは液面が完全にミネラルに覆われていて、ノワゼット、バターの風味が全体の大部分を占めています。ただ徐々にそれらの要素が解けていき、シロップの様な非常に甘露な姿を表していきます。その甘露さは村名を遥かに超える。
また樽も白ワインとしてはしっかりと効いていて、コーヒーの様な焦がしたニュアンスを感じ取る事が出来ます。
開いた時に非常に豊かな果実味を見せるとはいえ、現段階ではそれでもミネラル豊かで樽も強く、強烈なバター、ノワゼット香がある為、その味わいが安定するには時間を要する事がわかります。
次に熟成した1990のムルソーデジレ、そして1989のジュヌヴリエール。れらは若いヴィンテージで個別に強く主張していた要素(ミネラル、果実味、樽香)が溶けこみ渾然一体となっています。
まずムルソーデジレ。これはジュヌヴリエールと比較すると、若干熟成途上の様な味わいです。
デジレは畑名付き村名なので、2010年の村名と比較するのが適切でしょうか。比較的若い印象は受けましたが、2010年のミネラルやノワゼット、バター香はやや丸みを帯びて、メイプルシロップをたっぷりかけたワッフルの様な味わいを感じます。出汁の様な風味も感じられますが、やや酸味が際立っており、甘露さの主張は押さえ気味だったと思います。2010年と比べたら飛躍的に良くなっているのですが、ジュヌヴリエールの味わいと比較するとやはり不足感があるのは事実です。
対してジュヌヴリエールは正に天上の味わいといって差し支えないです。本当に素晴らしい。
基本的にはデジレと方向性は同じで、メイプルシロップをかけたワッフルの味わい。それにバニラやナッツ、清涼感を感じさせる白い花の複雑な風味があります。非常に上品でありつつ濃厚、デジレと比べるとその密度と外側に伸びていく香りは突出しています。そしてそれらの要素を受け止める旨味と酸味。非常に膨大な一塊の要素を感じ取る事が出来ます。もともと樽もミネラルも豊かだったので、熟成によって際立った強烈な果実味をしっかりと受け止める体躯があると言う事ですね。

これらを統合し、ラフォンの熟成の方向性を要素で見て行くと下記の様に言えると思います。
若いうちはバター、シャンピニオン、ノワゼットの要素とミネラルが非常に強い。徐々に解けてシロップの様な風味が現れるが、全体の要素がくっきりと明確に分割されている。様々な要素を個別に感じ取る事が出来ます。
対して熟成したラフォンは、樽とシロップが焦げ目をつけたワッフルとメイプルシロップの風味を生み、バターとノワゼットは前述の甘露さに塩気を与えます。複雑でありながらバターとメイプルシロップをたっぷりとかけたワッフルの様なキャッチーさを強く感じさせるワインとなっていきます。
若いうちは個別の要素がそれぞれ主張していたものが、一塊となって感じ取る事が出来ます。
つまり熟成によって複雑さを増しながら、独立していた要素が一塊になってその姿を現すのがラフォンの熟成の真価と言えると思います。そして熟成を経てこそラフォンの本当の素晴らしさを感じ取る事が出来ると。
ムルソー最高の生産者の中でも、かなりテクニカルでロジカルな生産者だと思います。


※右上がサントノ デュ ミリュー、左下がジュヌヴリエールです。

ジュヌヴリエールはムルソーの3つの最高の一級畑のうちの一角(ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエール)。ペリエールほどでは無いにせよ非常にミネラリーなワインが算出される畑で、ボリューム感に至ってはペリエール以上と言われています。土壌構成は石灰と粘土。
サントノ ディ ミリューはヴォルネイ最高の一級畑サントノの最上の区画になります。行政区分上はムルソーにある畑ですが、AOC上はヴォルネイになります。石灰か多い緩斜面に位置します。
デジレは畑名付き村名畑(他に単一畑クロ ド ラ バールがあります。)です。現在は同区画名は廃止されているそうです。


今回はコントラフォンでしたが、次回はコントラフォンの当主、ドミニクラフォンのプライベートブランドと比較します。






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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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