【ブルゴーニュ:5】1921年、リシュブールの古酒

こんにちわ。
今日は本日はちょっと特殊なワインです。生産者不明、とあるネゴシアンがボトリングしたリシュブール。
私の良く行くお店でたまたま出ていて(都内のワイン愛好家にはとても有名なあそこですね)興味本位で飲んでみました。

生産者がわからないので製法も誰の葡萄から買い取ったものかはわかりません。現在の所有者は11名ですが、既に生産から90年近く経過しておりますので、予測もつかないです。恐らくは4世代くらいは最低でも分割統合されているとは思うのですが。ただブルゴーニュに燦然と輝く卓抜したテロワールを持つ特級畑ですから期待も高まるというものです。

さて、どうでしょうか。


生産者: 不明(ネゴシアン)
銘柄: リシュブール グランクリュ 1921

約265,000円
素性不明の謎のリシュブール。
1921年のラベルとともに今のブルゴーニュのなで肩ボトルとは一風違ったオーラを感じさせる一品。
外観はかなり橙を帯びたオレンジ、粘性は高い。
当然ながらかなり熟成は進んでいる。しかしながら密度の薄い抜けた味わいではなく、しっかりとした旨味がそこに存在している。
まずリコリスや消毒液、塩を降ったナッツ、強いドライシェリー。黒オリーブ、梅などの果実味が主体的だ。
そして濡れた木材、腐葉土、鉄観音、燻製などの熟成香、そしてドライフラワーの香り。
かなり塩辛く、しっかりした出汁の旨味が現れている。
特段美味いとは思わないが、他の若いヴィンテージワインと比べると、凄まじい深みがあり、極端に複雑な香りを放っている。
未だ酸味は生きており、旨味と共に口内にじわりと広がる。一言で言い表すのであれば、とても滋味深い。
紅茶、枯れ草のアフター。とても貴重な経験となった1本。


1921年、92年前のピノノワールです。
凄いですね。生まれてないどころのレベルでは無いです、逆にこの生まれ年の存命の方はそう多くないのではないでしょうか。
そんな訳で、こんな古いブルゴーニュ...しかもリシュブールを飲めるなんて思いませんでした。私や母親、祖母ですら見たことのない風景をこのワインは知っている、そう考えると、とても厳かで感動的なワインに思えます。
味わい如何より飲む事自体に意義がある。そんなワインでした。

まあ言うてもですね。
このブログはそんなロマンを語るブログでもないので、味にもボチボチ追って行こうと思います。
で、肝心の味といえば...個人的には「??」という感じです。まあ、当たり前っちゃ当たり前ですね。
ただなんというか、深さというか、滋味深さみたいなのを強く感じました。タンニンや酸は全て溶け込んで、旨味だけになった液体。若干フェノール系の香りも感じられましたが、何かこの際どうでもいい様な気がします。なにせ古いので。
さすがに果実味はとうに朽ちていて、シェリーや大地の香りがする旨味エキス、と言った感じ。
ただ恐ろしいのはスカスカの水っぽい感じではなくって、ちゃんと密度があるっていう。梅干しや沢庵の汁を思いっきり複雑にしたような液体。
さほど美味しいとは思わないんだけど、もうこれは美味い不味いを超越していると。ただ偉大なグラスだと思いました。

ちなみに特にリシュブールのテロワールが云々ってのはないです。他の畑の同一ヴィンテージ飲んだ事ないし。ただリシュブールだからこそ、未だ力が残っているというのはあるかもしれませんね。
とてもいい経験にはなりました。
熟成を重ねていくとこういう風になるんだなー。すげえ。
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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