【ブルゴーニュ:12】2人の生産者の卓抜したシャブリ特級レ クロを利く。



こんにちわ。
今日はシャブリです。毎度思うのですが、シャブリをブルゴーニュに入れていいか結構微妙な所だと思うのですが、まあ、そこのところはあまり気にしません。

生産者はフランソワ ラヴノーとウィリアムフェーブル。
フランソワ ラヴノーはドーヴィサと双璧を成すシャブリのトップドメーヌ。
ドーヴィサとは親類関係にあります。個人的には価格的にシャブリとは思えない生産者、というイメージですが、品質も一般的なシャブリとは大きく乖離するレベルの仕上がりを見せます。
生産方式もコート ド ボーヌの白ワインが如き手の込み様。
栽培はすべてリュットレゾネ。樹齢50−85年前後の古木を芽掻きなどで50hl/haまで収量を落とし(そんなに減ってはいないですが平準的なシャブリと比べると収量は低いです。)収穫は全て手摘み。除梗はせず、ステンレスタンクで全房発酵ののちマロラクティック発酵を行ないます。その後オーク樽に移し、18カ月以上の樽熟成。基本的には1年以上の旧樽を利用しますが、グランクリュの新樽比率は10%程度で発酵を行ないます。
清澄/濾過は軽く行なった上で瓶詰めを行ないます。

ウィリアムフェーブルはシャブリの老舗ドメーヌ。アンリオ買収後は現在はブシャールで修行したディディエ セギエが指揮をとっています。
シャブリにコートドールのスタイルを持ち込み、シャブリとしては珍しい手積み、ビオロジックを導入し、旧ウィリアムフェーブルで使用していた新樽を極限まで抑え、ミネラル感を引き出すことに成功しています。
平均樹齢は30-50年、栽培はビオロジックを実践し、収穫はすべて手積み。選果台で厳密な選別を行う。
醸造はグラビティーフローを導入し、アルコール発酵はすべて樽で行います。6ヶ月の旧樽熟成の後、ステンレスタンクで更に熟成する。新樽は使用しない。

ではいってみましょう。

生産者: ウィリアム フェーブル
銘柄: シャブリ グランクリュ レ クロ 2011

約10000円、WA94pt(2009)
外観は緑がかったイエロー、粘性は高い。
石灰岩を砕いたかの様なミネラル感。ややオイルの様な風味もある。赤りんごやライチの様な、とてもフレッシュな清涼感のある果実味を感じる。白い花の蜜やフレッシュハーブ、イースト、キノコの様な風味が感じられる。
徐々に花の蜜の様な清涼感のある甘露さが強く現れ、丸みを帯びてくる。
口に含むとハチミツの様な甘みとリンゴの様な引き締まった強い酸味を感じる。口の中でもややミネラルを感じられる。シャープでありながら甘露さがしっかりと現れている。ラヴノーと比べるとドライ。徐々に心地よい甘みが感じられる。

生産者: フランソワ ラヴノー
銘柄: シャブリ グランクリュ レ クロ 2010

約17000円、WA94-96pt(2009)
外観は緑がかったイエロー、粘性は高い。
フェーブルと比較するとより粉っぽい石灰岩を砕いた様なミネラルとキノコっぽさが強く感じられる。完熟した赤りんご、ライチの果実味。石鹸のような白い花、核種系の甘い蜜の様な甘露さが強く現れる。フレッシュハーブ、エシレバター、杏仁豆腐、アスパラガスの様なより太さを感じさせるレ クロ。
口に含むとバターと核種系シロップの濃厚な甘みと、シャープな酸味が感じられる。ふくよかでいて濃厚な味わい。


さて、シャブリです。
ワインを飲み込んでいくと、結構軽視されがちな大量消費のアペラシオンですが、かなりクオリティの高いワインも存在します。
その筆頭としてフランソワ ラヴノーとヴァンサン ドーヴィサが居ますが、それだけではなく、大手のウィリアムフェーブルの作るワインもとても素晴らしいと思います。個人的にはワインを意識して飲み始めて、最初に飲んだのがウィリアムフェーブルのシャブリだったので思い入れがあります。

では比較してみます。今回は特級畑のレ クロです。
共通点で言うと多い少ないの違いはあれど強固なミネラルとシャープな酸が感じられました。
ただ結論から言うとやはりラヴノーのレ クロは突出していますね。
ウィリアムフェーブルのレ クロも大変素晴らしく、いわゆるシャブリの最上級。断然清涼感があり、ミネラル豊かで爽やかな果実味と複雑な風味を包含していますが、あくまでシャブリの枠内に収まる味わいだと思います。徐々に丸みと果実味が現れてきますが、ラヴノーのそれと比較した時、やはりいささかドライに感じられる様な気がしますね。
ではラヴノーはどうなのかといえば、もうこれは毎度の事なのですが、本当に素晴らしい。
シャブリとは思えない濃厚な果実味があり、太い果実の甘みが感じられます。
ただそれだけではなく強烈なミネラル感を包含しており、さながら酸の強いコート ド ボーヌのグランクリュの様な味わいを放っています。
まぁしかし、これに関しては人によるかな、と思います。
トラディショナルなシャブリであれば、ウィリアムフェーブルだと思いますし、優れたワインであるならばラヴノーだとは思います。ここは好みでしょうかね。
ともに美味しいですしシャブリ的なワインであることは間違いないので、どちらを買っても満足感は得られるのではないかと思います。

私は以外とウィリアムフェーブルの方が好きかも。ラヴノーは優れたワインですが、ウィリアムフェーブルの方が「らしい」ので。


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No title

数は全然経験してないのでなんともかんともですが、ラヴノーってとってもポッテリとしたタイプのシャブリで、バター度が非常に高いからか「私好み」だったりしました。
そんな私は白だとイタリアものが好きだったりで、なるほど「良いワインかどうか」と「トラディショナルな品種のイメージのワインかどうか」は別物なのかもですね~

Re: No title

>数は全然経験してないのでなんともかんともですが、ラヴノーってとってもポッテリとしたタイプのシャブリで、バター度が非常に高いからか「私好み」だったりしました。
>そんな私は白だとイタリアものが好きだったりで、なるほど「良いワインかどうか」と「トラディショナルな品種のイメージのワインかどうか」は別物なのかもですね~

こんにちわー
いや、ラヴノーのシャブリはマジで旨いですよ。でもシャブリ飲むぜ!となった時にやっぱり求めてしまうのは際立ったミネラルとシャープな酸味なんですよね。そう考えるとラヴノーはちょっと違うなあ、と。端的に言ってしまうとラヴノーに高い金払ってシャブリを飲むのならムルソーいっちゃいますね。
イタリアの白はこの季節にピッタリで大変美味しいと思います。
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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