【スペイン:1】新鋭のスター生産者、フェレールボベとラウルペレスの超絶スパニッシュを味わう

こんにちは。
本日はスペインの新進気鋭の生産者フェレールボベとラウル ペレス、そして老舗のジャンレオンをレポートします。

フェレール ボベはセルジ フェレール サラとラウル・ボベがプリオラートに設立したワイナリー。ファーストヴィンテージは2005年。標高400~700mの粘板岩地質、100年を超える樹齢の古木を保有している。
まずスタンダードラインと言える白ラベルは急斜面および段々畑の古木から手摘された葡萄を2回の選果を行い、グラビティーフローにより醸造。木製バットとステンレス槽で発酵を行います。マロラクティック発酵を行いなが、フレンチオーク樽で15か月熟成。無清張、無濾過で瓶詰め。瓶熟は11か月行う。
フラッグシップのセレクションエスペシャル、通称黒ラベルはフェレールボベ所有の最高の畑に植えられた樹齢百年を超すカリニェナをピンセットで丁寧に収穫した葡萄を使用しています。
選果は2回、木製バットのみで発酵を行い、マロラクティック発酵後フレンチオーク新樽で18ヶ月熟成。
無清張、無濾過で瓶詰め、さらに11ヶ月熟成を行う。

ラウル ペレスはガリシア州に拠点を置くメンシアの生産者。ポートフォリオはウルトレイア サン ジャック(3000円程度)からトップキュヴェのウルトレイア デ バルトゥイエ(13000円くらい)まで。
今回のウルトレイア デ バルティエは標高530mにある1.1haのピエルソの単一畑に1908年に植樹された最高のメンシアから作られるワイン。開放型の木製発酵槽での発酵、熟成には古樽が使用されます。(新樽はあまり使用されないみたいですね。)

ジャン・レオンはカタルーニャのペネデスに1964年に設立されたスペインで初めて国際品種を植樹したワイナリー。
今回のグランレゼルヴァは8haのラ・スカラヴィンヤードに植わっている平均樹齢37年のカベルネを使用。
フレンチオークの新樽にて25ヶ月、また最低36ヶ月の瓶内熟成を経て出荷されます。

さて、スペインの老舗と新世代、行ってみましょう。


生産者: ジャン レオン
銘柄: グランレゼルヴァ カベルネソーヴィニヨン 1996
品種:カベルネソーヴィニヨン85%、カベルネフラン15%

約6000円、WA89pt(2005)
外観はやや橙を帯びたガーネット、粘性はやや高め。
スパニッシュ カベルネソーヴィニヨンとは思えない程エレガントで旨味に満ちた風味。
シャンピニオンや枯葉、グローヴ、木材などの熟成香と、ブルーベリー、イチジクの果実味。コリアンダー、濡れた土っぽさ、蜜の様な甘み、カカオなど。
タンニンも酸も穏やかで凝縮した旨味のエキス感を感じる。
カベルネソーヴィニヨンとしては珍しい滋味を感じる味わい。


ある程度熟成を経たのが主原因だとは思うのですが、このカベルネはスペイン産とは思えない程、相当穏やかでエレガント。滋味深いというか、旨味に満ちている。ボルドーなら「やっと解けてきた」頃合いだと思うのですが、このグランレゼルヴァの小慣れ感はなんだろう。複雑な要素が溶け込んで、しっかりと古酒としての体裁が整っている。このヴィンテージでこの値段、という事で若干心配していたが大変素晴らしいワインだった。ひょっとして蔵出しは最近だったのかも。1996ヴィンテージと言っても出荷可能なのは最速で2001年ですからね...

では次はラウル ペレスです。

生産者: ラウル ペレス
銘柄: ウルトレイア デ パルトゥイエ 2010
品種: メンシア 100%

13000円、WA94pt(2009)
熟成した北海道のピノノワールの様な香り。それでいて黒胡椒の様なスパイシーなニュアンスが感じられる。シラーにも近いがどちらでもないといった感じ。
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
黒胡椒やホールペッパーなどのスパイシーな香りが主体的。そして熟れたブルーベリーやイチジクの様な果実味。わずかに花の蜜の様な甘露な風味が感じられる。タバコや茎、枯葉、リコリス。そして野生的なパストラミハム、生肉などの風味。
かなり冷涼な雰囲気を感じさせるエレガントな味わいで、タンニンより酸の方が充実している。
口に含むとブルーベリーやイチジクの風味を強く感じられる。
個性的な味わいのワイン。


生産者: ラウル ペレス & サルネス
銘柄: ヴィノ デ メサ スケッチ NV(2010)
銘柄: アルバリーニョ 100%

8000円、WA96pt
外観は濃いストローイエロー、粘性は高い。非常に香り高くフレッシュで清涼感のある味わいが感じられる。
これはとても美味いアルバリーニョ。ちょっとした石のようなミネラル感。完熟した赤リンゴ、スモモの甘く凝縮した溌剌とした果実味、ドライハーブ、バター、ハチミツなどの風味。
奥に甘い果実の蜜の甘みがある。
爽やかで酸味が綺麗で、ボディもしっかりしている。ソーヴィニヨンブラン的な風味を持ったヴィオニエの様にも感じる。


まず、ラウル ペレスから。赤のメンシアがとてもいい。
なぜこんなにスペインでエレガントたり得るのかと思案してしまう程にはらしく無い作りの繊細なワイン。
方向性としてはシラーのスパイシーさと北海道などの寒冷地のピノノワール(全房発酵)を併せ持った味わいで非常に特徴的な芳香を放っています。
ウルトレイア サン ジャックはここでは挙げていませんが、クリュボージョレ(ボディの力強さ的にはムーランナヴァン的かも)の様な味わいだったと記憶しています。なのでやはりタイプとしてはフランスのブルゴーニュ的な方向性だと感じました。
個人的にはこの価格帯なら素直にブルゴーニュを飲みますが、メンシアという品種の可能性は十分に感じられました。リアスバイシャスにほど近い比較的冷涼なガリシア州、標高も高めだからこそ成し得た繊細さなのかな、と思います。
そして、リアスバイシャスのアルバリーニョ。これがかなり素晴らしくて、さながらローヌの白ワインを飲んでいる様な感じ。ギガルのヴィオニエか、はたまたはディディエダグノーのブラン フュメ ド プイィか。
極めて分厚いボディを持ちながらも、ソーヴィニヨンブランやヴィオニエの様なアロマティックな側面を持っているという。
そして何より製法が結構独特で750Lのフードルで樽熟成を経た後、3ヶ月間海底で瓶熟成を行うという。 その製法がどれだけこのワインに影響を及ぼしているかはわかりませんが...
それよりこの凝縮感、ボディの厚みですね、これはきっと200年の超古木のアルバリーニョに起因するのだと思います。樽の風味も心地よく相当レベルの高い白ワインだと思いました。

最後はフェレールボベです。

生産者: フェレール ボベ
銘柄: フェレール ボベ 2008
品種: カリニャン65%、グルナッシュ34%、カベルネソーヴィニヨン1%

8000円、WA94pt
外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
非常に柔らかく豊満な味わいのカリニャン。ローヌの凄く良く出来たグルナッシュの風味が感じられる。
黒砂糖、ミルクティーの清涼感のある甘露な味わい。ブラックベリーやドライプルーンの豊満な果実味。土やスミレ、ちょっと茎っぽい味わいや燻製肉、キノコ、紅茶、香ばしい糖蜜の甘い香りが主体的。
タンニンも酸味も生き生きとして生命力に満ち溢れている。液体密度が高く口の中で心地よいプルーンの風味を感じさせる。基本、豊満でリッチだが何処かエレガンスを感じさせるワイン。


生産者: フェレール ボベ
銘柄: フェレール ボベ セレクシオ エスペシアル 2008
品種: カリニャン95%、グルナッシュ5%

12000円、WA97pt
外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。白ラベル同様濃厚で甘露だが、凝縮感が非常に強く高密度。より葡萄の生命力を感じさせる作りになっている。
ギュッと引き締まったドライプルーンやブラックベリーのドライフルーツの様な果実味がある。
徐々に甘やかな糖蜜や黒砂糖の風味も現れてくる。トリュフ、乾いた土、タイム、グローヴのような、ちょっとした大地香。赤い花、燻製肉、ミルクティーなど。
非常に香りは濃厚で甘やかなのに、口当たりは流れる様にエレガントで綺麗。
口の中でプルーンとタイムのアフターが広がっていく。より凝縮感のある果実味に満ちた素晴らしいワイン。


これが本当に美味い!
それこそモダンなシャトーヌフデュパプの様というか、蕩ける様な果実味がたまらないですね!白ラベルからして既に相当なもので、ぽってりとした甘みがありつつ、要素は複雑でエレガント。ドメーヌ デュ ペゴーなどのスタイルに通じるものがあると思いました。
黒ラベルは白ラベルの延長線にありながら、強烈な凝縮感と葡萄原初の瑞々しい果実味、かつ質感は絹の様に滑らか。重々しさは無くて、それこそボルドーのグランヴァンの様なタッチを感じさせます。そして複雑という。
スタイルとしては最もローヌに近いと思います。価格的にも最上のローヌと比較すると良心的な価格なので買えるのであれば買っておきたいですね...買えればですが。

全体的に前回クリオなどのテンプラリーニョを飲んだ時もそうなんですが、とにかくスペインのここ最近のスタイルの多様化、懐の深さには驚かされます。
現状玉石混淆である事は間違いないのですが、少なくとも土壌によって足を引っ張られることが無いということが分かった今、生産者の成長にとても期待できる素晴らしい産地だと思います。



※他は在庫ありませんでした...
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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