【ブルゴーニュ:13】フレデリック エスモナン。3つの特級畑の差異を利く




こんばんは。
今日からはブルゴーニュです。
久々といえば久々ですね、ただ本当に何度飲んでも気付かされる事の多いアペラシオンです。本当に深い。
本日はジュヴレシャンベルタンの生産者、フレデリック エスモナンです。

フレデリックエスモナンは1988年に設立されたドメーヌで、現在はアンドレ エスモナンが栽培、醸造の指揮を取っています。ワイン作り自体は70年よりそれ以前から行われていましたが、例によってそれらのワインは全てルイジャドやルロワ、ジョセフドルーアンに桶売りされていました。
特級はシャンベルタン、クロドベーズ、リュショット、マジに区画を持ちます。
収穫した葡萄は100%除梗の後、4日間の低温浸漬、最高32度の温度で2週間のアルコール発酵を行なう。新樽比率は100%で14ヶ月の熟成を行います。

この生産者、特級にも関わらず一万円札一枚でボトルが手に入ってしまう、コストパフォーマンスが非常に良い。ただ品質が伴わなければ一万円札すら大きい出費ですよね。
さて、どうでしょうか。


生産者:フレデリック エスモナン
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2011

10500円、WA91-93pt(2002)
外観はやや赤みか強いルビー、粘性は高い。
クリュボージョレの様なガメイを感じさせるキャンディ香。スリムでシャープな印象。若い時分のヴォギュエのミュジニーを想起させます。
梅やアメリカンチェリーやラズベリーの溌剌としたキュートな果実味、華やかなスミレのアロマが主体となる。クローヴ、タイム、紅茶、なめし革のニュアンスが主体となる。やや燻製や穀物っぽさも。
全体的に花のアロマとキャンディ香が強く感じられます。
タンニンは柔らかく、酸味は際立っており澄んだ印象を受ける。梅やラズベリーのアフターが口の中に広がる。
ジュヴレシャンベルタンのスタイルとはやや乖離した作り。


生産者:フレデリック エスモナン
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ 2011

10500円、WA93-95pt(2002)
外観は赤みが強いルビー、粘性は高い。方向性はクロ ド ベースに近く甘露な味わいに満ちている。
焦がした黒砂糖、ワッフル、シナモン、ドライデーツなどの極めて甘露な風味と、アメリカンチェリーの濃厚な果実味が感じられる。
そして薔薇やスミレの花の香りと、燻製肉、ミルクティー、漢方。ナツメグ、コリアンダーなどのスパイス。
こちらは酸味は柔らかいが、タンニンはやや強め。口の中で黒砂糖とダークチェリーのアフターが広がる。焼き栗の様な甘さを纏う濃厚なピノノワールだ。


生産者:フレデリック エスモナン
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2011

14700円、WA90-92pt
外観は赤みの強い濃いルビー、粘性は高い。
凄く華やかで強烈な果実味が感じられる。色調的にも抽出はかなり強いと思われる。
リュショットの密度を更に高めた様な濃密さ、極めて凝縮した果実味が感じられる。
焦がした黒砂糖やワッフル、シナモン、ドライデーツの濃厚な甘露さ、アメリカンチェリーの凝縮度の高い果実味。そして花の香りもリュショットに対して強く、スミレ、薔薇の華やかなニュアンスが感じられる。
若干ハーブ系の青っぽい風味とトリュフ、グローヴなどの大地香、黒檀などニュアンスが感じられる。
非常に濃厚でパワフルなクロ ド ベーズ。
酸味は柔らかいがタンニンはやや強め。甘露さに満ちたローステッドなキャラメリゼした味わい。
リュショットと比べるとやや旨味が際立っている。


ここでいうとマジシャンベルタンだけ全くの別物ですね。かなり冷涼というか冷たい感触を受けます。
先にも書きましたが、香りはガメイ...というかメチャクチャ若いヴォギュエのワインの香りがします。いわゆるキャンディ香ですね。果実味がやや未熟かなと思います。タンニンは柔らかく酸が際立っており、後述するリュショットやシャンベルタン クロ ド ベーズと比較すると受ける印象が全く違いますね。もっと繊細で細身なワインだと思います。これから熟成していくとどうなるかはわかりませんが...。
ボディはこの中でもっとも細いですが、凝縮感はあるかなと思います。ただジュヴレシャンベルタン的ではなくて、ヴォルネイ的なボディだと思います。赤い果実と清涼感のある風味が特徴的でした。

それに対して、リュショットはまさにジュヴレシャンベルタンの王道的な味わい。しかもかなりレベルの高い作り。未熟感があるマジシャンベルタンに対して、リュショットは黒砂糖の様な甘露な果実味に満ちていて、樽もしっかりと効いています。かなり濃密なタイプですね、抽出も強く外観からして異なっています。香りの要素も黒系果実やMLFに起因する風味が前に出ておりました。
また酸味とタンニンの関係に関しても、マジは酸味が際立っていましたが、リュショットはややタンニンの比重が多いです。逆に酸は穏やか。
甘やかですが、堅牢な雰囲気を放つ、いかにもなジュヴレシャンベルタンだと思いました。

そして最後、クロ ド ベーズ。
この最上級の特級畑の要素や受ける印象はリュショットの上位互換と言った感じ。マジがあまりにも違いすぎるから、というのもあるのですが...
ではリュショットと比較して異なる部分は何かというと、果実の凝縮感、旨味、そして果実の熟度ですかね。構成する要素はほぼ近しいと思います。
堅牢さに関してはリュショットより低く感じます。濃密でありながら滑らかで、中心に引き締まった旨味が詰まっている。
タンニンの酸味に対する比重はリュショットと大きく変わらないと思います。ではリュショットは堅牢でクロ ド ベーズは堅牢さをあまり感じないのは何故なのか。
これは構成する他の要素との関連性にあるのかな、と思います。
クロドベーズの突出した要素として、果実の凝縮感、旨味、果実の熟度がありました。
果実の凝縮感、旨味は内に向かう核を、果実の熟度、甘露さが外向きの広がりを。それらが独立して際立っているので、規模感がちょっと違う様な気がするんですね。
具体的な表現だと甘い香りの広がり方と、口に含んだ時にごく僅かな部分で感じる旨味が大きいから、タンニンが穏やかに感じられると。

うーん、今ひとつマトモに言えてるかは疑問ですが、そんな感じです。
一般的なクロドベーズの印象もそうですよね、シャンベルタンほど堅牢では無いという。

良い悪いは別として極めて極端にテロワールを表現したなあ、と思います。
特にマジシャンベルタンが際立って異質でした。
っていうかコレ本当に同じ生産者?みたいな感じです、はい。
どれも...マジシャンベルタンですら10000円を超える価値があるワインだとは思いました。良く出来てるしコストパフォーマンスがとてもいい。
素晴らしいですね!




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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