【ブルゴーニュ:17】絢爛なる神々の宴、ルフレーヴ特級3種類を利く



こんばんわ。
本日はブルゴーニュのシャルドネ。ルフレーヴのビアンヴニュ バタール モンラッシェ、バタール モンラッシェ、シュヴァリエ モンラッシェの特級3種類です。

ルフレーヴは言わずと知れた、世界で最も偉大なシャルドネの生産者。
フラッグシップの特級モンラッシェ、特級シュヴァリエモンラッシェ、特級バタールモンラッシェはさながらシャルドネの王たる風格と威厳を漂わせる。厳密なビオディナミ、収穫用具の醸造設備の徹底したクリーン化を推進している。1997年より全面的に採用されたビオディナミにより栽培された葡萄を、手摘みで収穫しプレス後2週間のアルコール発酵を行う。その後バドナージュをしながら12ヶ月の樽熟成を行う。新樽比率は特級でも25%と抑え気味。樽はフランソワフレール社のものを採用。
樽内熟成後、ステンレスタンクでさらに6ヶ月熟成を行い瓶詰めしています。


生産者: ドメーヌ ルフレーヴ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2005

69000円、WA94pt
外観は澄んだストローイエロー、粘性は中庸。
ボディの厚みがまだまだ若々しいがとても濃厚で甘露な風味が溢れ出ている。核種系の蜜やバタークリーム、バニラの風味と洋梨やライチなどの太い果実味が感じられる。ちょっと日本酒の様な風味も。 後半急激に伸びていく。
ちょっと酸味を伴う洋梨やライチ、シロップの若々しい果実味が綺麗に伸びていく。フレッシュハーブ、杏仁豆腐、ヘーゼルナッツの風味が現れる。
酸味は柔らかく滑らか。舌の上で転がる様な丸みを帯びている。口の中で出汁の旨味やオイル、カリンの様なアフターが長く続く。
こちらも抜栓以降時間を経て開く。開いたあとのフルーティーで澄んだ甘露さは突出している。


生産者: ドメーヌ ルフレーヴ
銘柄: ビアンヴニュ バタール モンラッシェ グランクリュ 2000

54600円、WA92-93pt
外観は澄んだストローイエロー、粘性は中庸。
最初は還元的な香りが出ていた。
オイリーでミネラル感が非常に強い。蜜の香りが強いミネラルに覆い隠されている気がする。キノコやヘーゼルナッツ、バターの様な香りが強い。未だとても硬い状態ではあるが、その奥底に潜む膨大な要素が感じられる。そしてカリンや洋梨など核種系の果実味、白胡椒や白い花、ドライハーブ、青草など。ミネラル感と果実味、ハーブのバランスがとても良い。
こちらはバタールと比べると若干酸味がある様に感じられるが、十分すぎるほど丸い。香りはまだ閉じているが口に含むと綺麗な酸味と共に旨味とほのかなシロップの様な甘さが口の中に広がる。
クリスピーで余韻は長い。後半爆発的に伸びていく。凄まじい甘露さ、複雑さ。キラキラとする様な鋭い甘み。黄金飴の様。素晴らしい。余韻も美しい。


生産者: ドメーヌ ルフレーヴ
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 1989

115500円、WA95pt
外観は澄んだストローイエロー、粘性は中庸。
驚くべき官能的な古酒。
出汁の様な凝縮した旨味と酸味を伴いながら、モカ、シナモンや濃厚な花の蜜、バニラ、バタークリームの様なクリスピーでローステッドな風味がある。シャンピニオンや柔らかなミネラルが感じられる。
そしてしっかりとした洋梨やカリンの様な果実味、ドライハーブ、塩で炒ったノワゼットなど。
どんどん香りが開いていき複雑な要素が次々と現れる。
酸はとても丸みがあり蕩ける様に柔らか。出汁の様な濃厚な旨味と酸味、そして洋梨やバターの余韻が広がっていく。素晴らしい。
ボディはしっかりとしているのに柔らかい。


さて、ドメーヌ ルフレーヴの特級畑3本です。そもそもバタールやビアンヴニュもなかなか飲む機会が無いワインですが、今回はさらにシュヴァリエがあります。
ヴィンテージは異なりますが、丁寧に追って行こうと思います。
まずこの3本はとても澄んだ果実味が特徴的です。2005年のバタール以外は比較的酸も落ち着いているのですが、特段バターやナッツの風味は抑え気味で、突出した果実味が感じられます。均整の取れた素晴らしいバランスのワインでした。

さて所感と致しましては2005年のバタールはやはりまだかなりの硬さを残しています。30分程度で開き始めますが、まだ無理をしている様な開き方で、シュヴァリエの様な全てが溶け込んだ様な甘露さはありません。
酸味を感じる太い果実味とともにバタークリームやバニラの芳香が現れてきます。ミネラルは液面を覆う様にしっかりと漲っており、かなり解れてくるまで時間を要しました。熟成のニュアンスは殆ど現れておらず、非常に若々しい味わいを保っていると思いました。

次にビアンヴニュ バタール モンラッシェですが、こちらは開くまでかなりの時間を要しました。
当初はかなりミネラル感とオイリーな香りが主体で蜜の香りがどうにも隠れてしまっている、いわゆる途轍もなく硬いシャルドネという印象。徐々にキノコやバター、ナッツの香りは現れるものの、酸味がとても強く、清涼感のあるハーブの香りがあいまって依然として冷涼な雰囲気を醸し出しています。ところが50分程度じっくりと待つとその本質がむき出しになります。
黄金飴の様な煌びやかでピュアな甘みとクリスピーな風味、旨味が急激に立ち上がってきます。
その抑揚は3本の中で最も劇的でドラスティック。酸味、旨味、甘露さの波状攻撃が極めて美しい。シュヴァリエが渾然一体と一体となった姿であれば、ビアンヴニュは波状攻撃。とてもバタールに対してテロワールで劣っているとは思えない鋭角的な味わいでした。

そして最後、シュヴァリエモンラッシェ。目下ルフレーヴのワインの中で庶民が味わえる最高峰のグレードでしょう。モンラッシェはそもそも市場に出回りませんからね。シュヴァリエでも大変貴重な機会だと思います。高いし。これがもう本当に素晴らしかったです。強烈なミネラルと酸味はその分相当な旨味に転化しているし、甘露なバニラやバタークリームの様な濃厚な風味もある。果実味も旨味が乗って塩を振った様な果実の風味が感じられる。当然その分、酸やミネラルは大分穏やかになっている様に感じる。すべての要素が渾然一体となって溶け込んでいる。蕩ける様な味わいのシャルドネだけど、ボディはちゃんと感じられる。まだ熟成が出来そう。3本の中では最も調和が取れていると思います。すべてが溶け込んだ丸みを感じさせる一本です。

さて、3本を比較していくと、まず大きな違いとしてヴィンテージが挙げられると思います。
2005年、2000年、1989年ということでまずヴィンテージを考慮する必要があるので、まずそこを見ていくと、品質自体には大きな差異は無い様です。なので、ここで見るのは経年による変化とテロワールの特性で良いのではないかと思っています。
まず経年変化でいうと、やはり経年8年はミネラルと強めに酸味が主体となり、とても閉じている雰囲気がありました。無論時間が経過すれば一定の果実味を感じさせてくれますし、清涼感もあるので十分完成度は高いと思われますが、まだ本質ではありません。
13年になると幾分は解れてきますが、やはり主体は強いミネラル感と酸味ですね。ただ一部ミネラル感(オイル、石)と酸味が旨味に転化しており、香ばしいクリスピーな風味(塩バターやナッツなど)が、明確となった強烈な甘みと共に立ち上がってきます。解けるのに時間はかかりますが、その分ミネラルと酸味から来る旨味と、残存する酸味、そしていい感じに解けた黄金飴の様な甘露さのバランスがとてもいい。
そして24年は経過すると、かなり液面は落ち着き、ミネラルも酸も果実味に併合されており、剣の立った部分はかなり薄れ、旨味と甘みに樽の風味が溶け込んだ液体になっています。
ルフレーヴの非常に優れた所は完全に熟成を経なくても、局面局面でキチンと美味いという事ですね。
最も硬いバタールですら、時間さえ置けば十二分に美味しく頂けますからね。当然ながらブルゴーニュのシャルドネによくある、香りは立派なんだけどボディはスカスカなんて事は当然全く無く(世界最高峰のシャルドネですから当たり前ですね)、グラス内の変化を受け止めるだけの度量があります。
なので少なくとも10年以上は熟成させるのは当然望ましいですが、まあ、若くして開けても程々は美味いしポテンシャルは感じる事が出来ると思います。

次にテロワールです。

※ラックさんの地図です。(http://www.luc-corp.co.jp/map/tabid/58/Default.aspx)
バタールはモンラッシェの丘の下部に位置し豊満でボディが厚い特徴を持ちます。またビアンヴニュはバタールと特徴は似ていますが、やや早めに開きます。シュヴァリエは他のグランクリュと比較して石灰の含有量が多く、高い標高から産出される為、やや硬く冷ややかなタッチを感じさせる風味が強く出ます。

その点、極めてテロワールに則した作りですね。シュヴァリエは旨味に満ちていましたし、バタールは強烈なボディの厚みを持っています(豊満というよりはシャープではありますが)、ビアンヴニュは順当な熟成を経ているかな、と思いました。
以上、極めて長い所感になりましたが、どのグランクリュも「さすが!」と唸ってしまう様なものばかりでした。この最高峰の生産者の技巧に少し理解が深まった様な気がします。


バタール・モンラッシェ[2005]ルフレーヴ

バタール・モンラッシェ[2005]ルフレーヴ
価格:39,800円(税込、送料込)


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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