【ブルゴーニュ:19】アルマンルソー2010年水平テイスティング:破


こんにちは。
さて、本日は昨日の続きとなります。
前回は下位キュヴェでしたが、今回は上位キュヴェ。
残念ながらクロ ド ベーズはありませんが、リュショットシャンベルタン、ジュヴレシャンベルタン一級クロ サン ジャック、特級シャンベルタンの3本です。十分に豪華ですね!

では引き続き行ってみましょう。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ クロ ド ラ リュショット 2010

約25000円、WA90-93pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
この中では特に瑞々しく冷ややかな印象を受ける。村名やクロドラロッシュにも瑞々しさがあるが、よりこちらは硬質で、酸が際立っている。ブラックベリーとスモモの太い果実味がある。冷たい印象でありながらミルクティーやローズヒップの様なベリー系の旨味が早くも現れる。時間が経つと急激に花の蜜の様な瑞々しい甘露さが現れる。スミレや薔薇の華やかな香り、タイム、グローヴ、松の木。花や自然の香りが突出している。
物凄いエレガントな香りを放っている。野生的な感じは全くしない、折り目正しい印象。お香、シナモン、モカなど。
徐々に盛り上がってくる印象の特急。村名同様綺麗な旨味が酸味に乗ってくる。この丸み。タンニンこそやや村名と比べると強いが、凄まじく綺麗でスベスベした感じ。ベリーと茎の風味が口の中に広がる。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック 2010

約29000円、WA91-94pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
村名と比べるとより目の詰まった凝縮感のある果実味が感じられる。ややミネラルも。
方向性としては分厚い黒系果実、ブラックベリーやプラムのジャムの様な甘露な風味が感じられる。オレンジ、薔薇やスミレの様な清涼感のある風味が漂ってくる。
スミレやミルクティーやローズヒップ、ドライハーブ、野生的な熟成肉の様な旨味、僅かに茎、五香粉、タイム、グローヴなど。シャンベルタン程樽は感じない。清涼感を感じさせつつ、非常に自然を感じさせる豊かな香り。
口に含むと綺麗な旨味を感じるが、やはり酸味とタンニンは突出している。酸味と同時にうまみがくる。若干果皮のニュアンスが強いか。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2010

約40000円、WA94-96pt(2009)
外観は澄んだ中庸なルビー、粘性は高い。
クロサンジャックと比べてより果皮成分が強く硬い印象を受ける。
濃厚なブラックベリーやダークチェリーの風味。こちらは樽が強いのか、よりシナモンやバニラや糖蜜の香りが強く現れている。新樽比率の高さか。徐々にその大きな規模感が現れてくる。徐々にこちらもオレンジの風味を感じ取る事が出来る。
徐々に謎めいた雰囲気が現れる。強烈なスミレと薔薇の風味、そしてミネラル感。ドライハーブ、ローズヒップ、燻製肉、樽の五香粉、グローヴ、モカなど。非常に複雑で、時間によって大きく姿を変える。
口に含むと丸みを帯びた旨味はあるが、やや酸とタンニンが際立っている。村名と比べるとまだバランスは取れていないが、凝縮したベリー系の旨味が口の中で炸裂する。お見事!
今年のシャンベルタンは近づき易かったと思う。


リュショットもシャルム同様ドライで華やかな印象で硬質。徐々に花の蜜の様な澄んだ甘露さが現れるが、この特級畑の特徴はむしろその質感と強烈な旨味。濃密というより繊細かつ目が細かいタッチ。そしてブラックベリーやスモモの風味に起因する卓抜した旨味が特徴的。ある意味シャンベルタン、クロ サン ジャックの対局に位置する特級で、マジシャンベルタンやシャルムシャンベルタンの上位互換的な要素が強い。(但しシャルムは一定時間置くと前者に近づいて行く)
これは熟成後の方向性を決定する重要なファクターなのかなと思います。

そして一級クロ サン ジャック。目下アルマンルソー保有の畑の中でトップ3に入るであろう一級畑。これはマジ、シャルム、リュショットの3つとは決定的に方向性が異なる。
ブラックベリーやプラムの分厚いジャムの様な果実味、強烈な凝縮感、オレンジの清涼感。ミルクティーの様な滑らかさ、複雑さがある。
今までの特級と比べてタンニンは突出している。果皮のニュアンスが強い為、比較的抽出はしっかりと行っているんじゃないかな、と思います。
濃密さや甘露さを強く感じられるワイン。村名の果実味の厚さを太くした印象。堅牢さはあるものの他のキュヴェと比べて他の要素が突出している為、さほど目立たないと思います。シャンベルタンの弟分といった感じがします。

最後は特級シャンベルタン。
ジュヴレシャンベルタンで最も偉大な畑。アルマンルソー最高のワインです。
方向性は概ねクロ サン ジャックと近く濃密なスタイル。抽出が強いのか、はたまたは果実の力なのか、それとも両方なのかは分かりませんが、より硬く、力強く途轍もない密度と質量のワイン。
クロ サン ジャックと比較して抽出はより強く、ブラックベリーやダークチェリーの濃密な果実味と、より熟成を視野にいれた香ばしい樽香の存在、より鮮明になった花の香りとミネラル感。
クロ サン ジャックを大きくした規模感を同じ容積に詰め込んだ様な凝縮された質量を感じる。
故に簡単には開いていかない、2009年に比べると比較的近づきやすさを感じるものの、やはり第一印象としては一側面しか見せてくれない。そして他のワインと比べて時間軸があり、可否成分に由縁する堅牢で冷たい印象を受ける華やかな面から、急激に甘露な黒系果実の風味が現れ、五香粉やグローヴ、モカなどの風味に切り替わっていく。ドラスティックな変化を感じることが出来ます。故に香りの大きさだけではなく、その大きな変化が規模感といったところでしょうか。

さて、今回の3本を振り分けて見るとこんな感じです。

■中間
村名

■冷涼、ドライ、堅牢
シャルム シャンベルタン
マジ シャンベルタン

■リッチ、甘露、堅牢
クロ ド ラ ロッシュ
クロ サン ジャック
シャンベルタン

次回は各ヴィンテージ、テロワールごとに比較していきます。





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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