【オーストラリア:1】オセアニア最強のシラーズ、グランジ 1990。


こんにちは。
本日はオーストラリアのフラッグシップ。ペンフォールドのグランジ1990年をレポートします。

ペンフォールドは1844年に南オーストラリア州に設立されたワイナリー。現在は年間1400万ケースを生産する超巨大ワイナリー。大量生産のその一方でグランジというオーストラリアを代表するプレミアムワインも産出しています。設立当初こそ酒精強化ワイン造っていましたが(今でもグランド ファーザーという名前で売っています、日本未発売。グアムでは売ってましたね。)
1950年に当時の醸造長がボルドーを訪れてから、現在のスタイルに方向転換しています。
代表的な畑はカリムナヴィンヤード、グランジが産出されるクヌンガヒルヴィンヤードなど。
今回のグランジは様々な畑で作られるシラー、カベルネソーヴィニヨンをポジティブセレクションしたもの。個々の状況を見ながらブレンド、100%新樽のアメリカンオーク樽を18ヶ月間熟成。今回はグランジ ハーミテージから現在のグランジのみの名称に変わった初ヴィンテージ、1990年のグランジです。さてどうでしょうか。


生産者: ペンフォールド
銘柄: グランジ 1990
品種: シラーズ95%、カベルネソーヴィニヨン5%

96000円、WA95pt
外観は澄んだガーネットで粘性は高い。
サーヴ直後は熟成した新世界のワインらしい湿った粘度の風味が支配的だったが、程なく開いた。ダークチェリーやアプリコットの豊かな酸味と凝縮した果実味が感じられる。ミントや湿った土、焼いた黒砂糖、漢方、パストラミハムの野性的な風味、インクっぽさ、焼いたビターチョコ、アーモンド、キノコっぽさが感じられる。
徐々に果実味とハーブと旨味の液体になってくる。とてつもなく綺麗で滑らかな酸味と旨味。鉄やアプリコットなどの酸味の豊かな風味が広がる。
エレガントで力押しのワインではない。タンニンも穏やかになっており、今非常に美味いワイン。思わずニヤケてしまう。余韻もとても長い。


これは美味いですね...
実は何度かグランジを飲んだ事はあるのですが、せいぜい舐める程度で今回の様にちゃんと向き合って飲むのは始めてなのでした。
さて、グランジ、実は個人的にはあまり良い印象ではありませんでした。というの以前頂いた83年、93年がいかにも新世界の古酒にありがちな濡れた粘度の香りが全面にあって、美味しいとは言い難い出来だったからです。
しかし、その時は単純に抜栓直後にテイスティングした程度で全貌を見せていなかっただけだと、今回しっかりと味わってみて分かりました。
90年、素晴らしいです。
粘度の様な風味は程なく消えて、その果実味が現れてきます。
当然若いヴィンテージの様な果実味のクリアさ、鮮明さはありませんが、より複雑で豊かな旨味を伴った味わいに転化している。主体はダークチェリーやアプリコットのいわゆる新世界シラーズの甘露な果実味、そしてミントや焼いた黒砂糖、漢方の風味が複雑に立ち上がります。香りはとても甘露ですが、口に含んだ時のボリューム感と広がる酸味がとても滑らかで、果実味とあいまってとてもエレガントなテクスチャを構成しています。
オーストラリアの古酒はグランジくらいしか飲んだ事がないのですが、若い時分の方向性からベングレッツァーやトルブレックも同様の熟成を経て行くのではないかと考えられます。
あとモダンなシャトー ヌフとかもそうですかね。
流石はグランジ。果実味だけでないエレガントさ、複雑さも包含しているのは一日の長があるなと。
オーストラリア最高峰のシラーズである事はほぼ間違いないでしょうね。なにぶん高いのでなかなか飲む機会には恵まれませんが...
しかしグランジ ハーミテージってフランス語読みでエルミタージュなんだけど、なにがしかの関係があるのかしら?シラーの作り方を参考にしたからとか...?


さて、次はおまけのオーストラリアのソーヴィニヨンブラン。こちらもボルドーブレンドですが、値段はかなりお安いです。

生産者:レッドゲイト
銘柄: ソーヴィニヨンブラン、セミヨン 2011

2000円台。
ボルドーブレンドのオーストラリアワイン。外観はストローイエローで粘性も中庸である。
ミネラルはしっかりと感じられる。
抜栓直後はピーマンの様な香りが顕著だが徐々にソーヴィニヨンブランらしい爽やかな風味が現れてくる。主体はハーブや青草、青りんごやカリンの様な果実味、樽がしっかり効いており白檀、ムスクなどの風味も感じられる。
一般的なボルドーやロワールのソーヴィニヨンブランと異なりやや温暖な雰囲気も感じられ、蜜の様な甘みが感じられる。抜栓直後に感じられるシャルドネっぽさはセミヨンに由来するものだと思うが、徐々にソーヴィニヨンブラン寄りになっていく。
酸味は穏やかで切り立つ様なソーヴィニヨンブランのニュアンスもあるが基本的にはボリューム感を感じる造りではないかと思う。

結構セミヨンが強くてボリューム感を感じられる作り。そしてソーヴィニヨンブランのピーマン香りが凄く出ている。
個人的にはあまり好きなタイプではないかも。ソーヴィニヨンブランだったらロワールの様な清涼感のあるタイプの方が好み。セミヨンを入れるのであれば、もっと樽を効かせてほしかった。
とはいえ、果実味は豊かでそれなりに飲めてしまうところがずるいよなあ。
値段的には妥当な所だとは思います。

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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