【ブルゴーニュ:27】アペラシオンを超越したACブル。フーリエ赤白とシャルロパンのフラン ド ピエを利く


※2011年フーリエ。今年はACブル赤白、村名ジュヴレシャンベルタンVV共にちゃんと手に入りました。

さて、本日はACブルゴーニュです。
ただ普通のACブルではありません。
2011年フーリエ。350本しか存在しない、シャルロパンのヴィーニュフランセーズを使用したACブルゴーニュです。

フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ品質を考慮するとまだ良心的な生産者とも言えます。フラッグシップの一級樹齢100年を超えるクロ サン ジャック、そして特級グリオットシャンベルタンは毎年争奪戦。
リュットレゾネでなるべく自然に近い状態で栽培を行い、葡萄に負担をかける摘房はせず、摘芽で収量制限をおこなっている。その後厳重に選果された葡萄は100%除梗され、アルコール発酵。この手の生産者では珍しい20%という低い新樽比率で18ヶ月熟成。そして無濾過、無清張で瓶詰めされます。
抽出は...本人曰くし過ぎていないとのことですが、やや強めにも感じます。

シャルロパンはブルゴーニュでも、アンリジャイエの弟子という枕詞と共に非常に注目されている生産者です。といってもアンリジャイエのワインを飲んだことがないので、今ひとつイメージが湧かないのですが。
全体的にパワー感がある印象。樹齢の高い樹を中心に、栽培はリュットレゾネで行われています。収穫をした葡萄は100%除梗され、約1週間の低温浸漬を経てアルコール発酵がなされます。新樽比率は殆どが30%で、特級で50%。
今回のフラン ド ピエはマルサネ付近の0.25haに植わったヴィーニュフランセーズから作られたACブルゴーニュ。


生産者: フーリエ
銘柄: ブルゴーニュ ブラン 2011

外観は僅かに濁りのある淡いストローイエロー、粘性は低い。
去年同様とても良くできたブルゴーニュブラン。スタイルとしてはシャサーニュモンラッシェのシャルドネを想起させる。
しっかりとしたミネラル感とフレッシュなライチや洋梨の果実味、バターや白い花、フレッシュハーブ、リコリス、シナモンなど。
酸は穏やかでフレッシュ。ただニューワールド的なボリューミーな感じでもないし、過剰にシャープなわけでもない。マロラクティック発酵を経た順当なブルゴーニュシャルドネだと感じた。


生産者: フーリエ
銘柄: ブルゴーニュ ルージュ 2011

5000円。
外観は濃いめのルビー、粘性は中庸。
香りからして既にブルゴーニュルージュの域を超えている。複雑で官能的な香り。
ワッフルやシナモン、リコリスなどのスパイスや軽い樽香。そして強烈なチェリーリキュールやブラックベリーの豊かな果実味が渾然一体となって立ち上がる。果皮由来の薔薇やスミレ、タバコやマッシュルーム、なめし革。
ややタンニンと酸味が強く、旨味の出方もクラス以上のものを感じされる。熟成にも耐えうるキュヴェだろう。やはり一級以上の濃密度と比較するとやや劣るものの、十分にフーリエの素晴らしさは体感できるワインだと思う。


生産者: フィリップ シャルロパン パリゾ
銘柄: フラン ド ピエ ピノノワール 2010

約12000円、WA87-89pt(2009)
透明感のある濃いルビーで粘性は高い。
とてもACブルゴーニュとは思えない極めてリッチで豪華な作りのワイン。
シナモン、ワッフルなどの豊かなロースト香。濃厚なブラックベリー、プラムの様な黒系ベリーの熟した果実味。そしてシナモン、黒砂糖などの強い甘露さが現れてくる。
そしてトリュフや樹皮などの大地の香りと、燻製肉などの野生的な香りが感じられる。
タンニンは滑らか、力強い酸味の方が目立っている。旨味と酸味のバランスが極めて良い。口の中で旨味と甘露さ酸を伴ったロースト香とダークチェリーの風味が広がっていく。余韻は長い。


さて、まずはフーリエ赤からです。
相変わらずACブルからして既に凄まじく良く出来ている印象。充実した酸もタンニンがあって、軽く5年は熟成する村名クラス。ただ他の生産者同様2009年、2010年と比べると酸が目立つ作り。抽出もしっかりとなされている印象でした。
まだやや硬くACブルでも美味しく飲むのにあと1年は必要の様な気がする。村名クラスから抽出と酸味、果実味のバランスが取れてきそう。
複雑だし、ギュッと引き締まった緊張感のある果実味はいいですね。
白の方もとても良く出来ています。しかしながら2010年と比べると、やや落ち込んだ出来の様な気がします。スタイルは変更なくシャサーニュモンラッシェの様なタイプの味わいで、フレッシュで清涼感のある豊かな果実味と、穏やかなミネラル、バターの風味を感じられます。ただ2010年に比べるとやや果実味が不足していて冷たい印象を受けます。こちらは早めに飲んだ方が良さそうですね。こちらも緊張感のあるワインになっています。
最後はシャルロパンのフラン ド ピエ ピノノワール。これを果たしてACブルとして扱って良いものなのか微妙ですが、AOC上はそうなっているので。ちなみに今年の生産本数は350本ですが、あまり購入する人がいないからか、たまにネット上で在庫を見かけます。
フィロキセラの影響を受けていない純粋なピノノワールを使用しているとの事ですが、別に19世紀のフィロキセラ禍を逃れた古木という訳ではなく、接木をしていない純粋なピノ。それだけの話。ちなみにテロワールはマルサネ。
それじゃあフィロキセラ前の19世紀のマルサネが全てプレミアムなワインだったかというと全然そんなことはないはずで、単純に今となっては扱いが難しく珍しいので値段が高いというだけですね。

そう考えると結構微妙...
ですがヴィーニュフランセーズとかそういうのを無しにして、とりあえずこれがもう本当にメチャクチャ美味い。
マルサネとは思えない凝縮感、そしてリッチさ。手の掛け方はもうプルミエクリュとかグランクリュとかそのレベルなんでしょうね。
むしろジュヴレシャンベルタンに近い。豊かな黒系果実、ロースト香。そして黒砂糖を想起させる風味。むしろソノマのピノノワールといった方がいいかも知れません。かなりレベルの高いワインだと思います。それこそACブルでは決して無いと。
品質的に見ると値段も妥当だと思われるので、見つけたら是非購入しても良いのではないかと思います。
フーリエは...運が良かったら是非買って見てください!



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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