【アルザス・ロワール:1】トリンパック最上位リースリングとボットゲイルのゾンネングランツを利く。

こんにちは。
本日明日はアルザス、ロワールを特集していきます。
本日はアルザスです、生産者はボット ゲイルとトリンパック。

ジョスメイヤーは1854年にオイルズメイヤーによって設立された大手ドメーヌです。現在は4代目のジャンメイヤーが指揮を取っています。所有畑はACアルザスの他、2つのグランクリュ、ヘングストとブランドを所有しています。フラッグシップはセレクション グランノーブル(貴腐ワイン)
生産は2001年よりすべて有機農法とビオディナミによって行われており、併せて収量制限がなされ凝縮度の高い葡萄を栽培しています。
発酵は自然酵母によって行われ、ステンレスタンクで低音発酵を行わず、自然な状態でマロラクティック発酵を進めます。

ボットゲイルは1953年にエドゥアール ボットが設立したドメーヌ。
今回のゾンネングランツを含む5つのグランクリュ保有しています。1995年よりコントラフォンで修行を積んだ現当主のジャン クリストフが引き継ぎ、2002年からはビオディナミを導入しています。
50hl/ha(グランクリュは30hl/ha)に収量を抑え、収穫した葡萄は小箱を使用し葡萄を傷つけない様に搬送、プレス機で搾汁、フードルまたはステンレスタンクで醸造します。マロラクティック発酵も行わない。ステンレスタンク、フードル、一部オークの大樽で熟成を行う。

トリンバックは1626年にジャン トリンバックが興したドメーヌ。
現在は12代目となるピエールとジャンが指揮を取っています。トリンパックのフラッグシップといえば、何と言ってもキュヴェ フレデリック エミールとクロ サン テューヌ。
共にACアルザス グランクリュではありませんが、フレデリック エミールは粘土石灰質の特級ギースベルグと特級オステルベルグの混醸、そしてクロ サン テューヌは特級ロザケール最良の区画(1.67ha)の単一所有畑を使用しています。特にクロ サン テューヌは世界最高のリースリングとも言われています。
平均樹齢は50年。標高260~330mに位置する南東向き斜面の小石の多い石灰岩土壌から産出され、平均収量は50hl/ha。空気圧によりソフトに圧搾、ステンレスタンク内で2~3週間発酵(MLFはしない)した後早期に瓶詰めをして5年間、瓶内熟成を行った後出荷します。

さて、最上のアルザス、いってみましょう。


生産者: ジョスメイヤー
銘柄: ピノ グリ 2009
外観はごく僅かに赤を含んだストローイエロー、粘性はやや高め。
しっかりしたミネラル感と、フレッシュな熟した赤りんごやレモンの果実味が感じられる。ハチミツや白胡椒、バターなどの風味が感じられる。徐々に青っぽい風味も。
やや残糖分が高く、日本酒の様な余韻を残す。ボディや粘度は香りの軽やかさに対してやや重め。酸は際立ってはおらず、やや穏やかにも感じられる。
体躯はローヌのルーサンヌやマルサンヌに近いが、香りはアルバリーニョといったところだろうか。
バランスは良いが、中凡なアルザスワインだと思う。


生産者: ボット ゲイル
銘柄: アルザス グランクリュ ゾンネングランツ ピノグリ セレクション グランノーブル 2005
品種: ピノ グリ 100%

15000円、WA90pt。
外観は麦わら色の濃いイエロー(オレンジ?)粘性は非常に高い。
やや熟成感を感じられる香り。
灯油の様なミネラル。
濃厚なアプリコットや桃のコンポート、ハチミツ、白胡椒、紅茶の風味。
口の中で紅茶やハチミツの甘みがが口の中に広がる。余韻はとても長く、非常にエレガント。酸味は柔らかいが、むしろ人によっては甘みからくるエグさが気になるかも。


生産者: トリンパック
銘柄: クロ サン テューヌ 2006
品種: リースリング100%

20000円、WA93pt。
外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
フレデリックエミールを遥かに超える強烈な石の様なミネラル、ガソリンや石油に近い強烈なペトロール香に覆われている。レモンピールのシャープな果実の香り、バターや白い花、キノコ、白胡椒、ムスクなど。凄まじく潔白で他を寄せ付けない清潔感がある香り。
口に含むと、石油や、アプリコット、レモンなどの強い酸を思わせる果実味、そしてちょっとしたカカオの様な風味が広がる。旨味もある。残糖感はなくシャープで卓抜したミネラルを持つリースリング。余韻はとてつもなく長い。


さてアルザスです。
素晴らしいワインを飲むことが出来ました。トリンパックのクロ サン テューヌ。前回はフレデリック エミールを頂きましたが、今回は最高のリースリングと言うべきこの単一畑を飲めたのは最高の体験でした。
まずはピノ グリ2本。ボット ゲイルの貴腐ワインとジョスメイヤーの辛口ですね。
ジョスメイヤーはやや日本酒っぽいニュアンスがあるルーサンヌ、マルサンヌと言った感じで、やや洗練されていない感じがありました。
太いボディと酸味の際立った体躯は悪くは無いのですが、やや残糖が多く感じられるのと日本酒の様な味わいが、ちょっと合っていない様な気がしますね。これは単純に私の好みの話なので、人によりけりだと思います。
バランスが取れていて、ボディもしっかりしているので、決して悪いワインではありません。
ボット ゲイルはピノ グリの甘口。
ゾンネングランツが泥石灰土壌というのもあり、かなりミネラル感が感じられます。ここのミネラルの出し方は結構コントラフォンに似ているかな、と思います。風味は露骨に甘口で桃やアプリコット、ハチミツの風味が濃厚に感じられるのと、熟成に起因する紅茶の香り。なかなか素晴らしいピノグリでレベルの高さを感じますが、やや甘さに伴うエグみ、というか後味に残るちょっとした苦味が気になりました。
酸味も柔らかくエレガントなのですが、あと一押しといったところでしょうか。
最後にクロ サン テューヌ。
これが掛け値なしに本当に素晴らしい。フレデリック エミールと比較してより全面に強烈に現れたペトロール香と塊の様なミネラル、そしてレモンのシャープな酸味(シャンパーニュで言うとエクストラブリュット並)、白い花とスパイスが生み出す、他を寄せ付けない高貴さ、気高さが感じられます。とても内向的なワインで、まだ全貌は表していませんが、酸味、ミネラルを考慮すると、あと10年もしたら大きく花開いていくのではないかと思われます。冷たく、硬いタッチのワインです。品種も地域も異なりますが、この強烈なミネラル感と他を寄せ付けない高貴さはディディエダグノーのシレックスにも似ている。
そもそも石灰岩土壌でノンマロラクティックという時点でこの硬さが、トリンパックの表現する完成されたリースリングの姿なのかな、と思います。
この強烈なミネラルがいずれ生み出すであろう旨味と膨らむ果実味が最終的にどういう形で結実するのか、とても興味深い。
2008年でも果実味が現れていた素晴らしいフレデリック エミールを考慮すると、最上級のクロ サン テューヌが最終的に表現する味わいは、さぞかし素晴らしいものなのだろうな、と思います。圧倒的でした。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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