【ブルゴーニュ: 34】荘厳なるシュヴァリエ、雄大なバタールの真髄を知る。

どうもこんにちは。
ちょっと本業が立て込んでており、またもや更新が滞っておりました。
まあ、しょうがないですね、この時期は。ううむ。

さて、今回から2回はブルゴーニュのダイヤモンド、ピュリニー&シャサーニュモンラッシェの特級畑、バタールモンラッシェ、シュヴァリエモンラッシェ、特級モンラッシェを追っていきたいと思います。

なお、今回はミシェル コラン ドレジェとエティエンヌ ソゼのシュヴァリエ モンラッシェ。そしてドメーヌ ラモネのバタール モンラッシェ、共に若いヴィンテージです。


ドメーヌ ラモネはブルゴーニュ白においてルフレーヴ、コシュデュリ、コントラフォンに匹敵するスター生産者。ただし例の如く球数がべらぼうに少ないです。
平均樹齢はブドリオットで55年、ビアンヴニュで50年程度の古木。18年以下の葡萄に関しては除外しています。収量制限はヴァンダンジュヴェールは実施せず、春先の摘芽で代用。アルコール発酵はタンクと木樽を併用してやや低めの温度で行います。ピジャージュは1日3回程度機械で行われます。新樽比率は一般的に30%程度(モンラッシェは100%)。18ヶ月の熟成の後、軽い清澄と濾過を行い瓶詰めされる。フラッグシップは特級ル モンラッシェ、シュヴァリエ、バタール、ビアンヴニュ。特にシュヴァリエらわずか1haのにも満たない占有面積から産出されるワインで、ほぼ入手不可。

ミシェル コラン ドレジェはミシェル コランとベルナデット ドレジェに設立されたドメーヌ。
フラッグシップはドレジェ家からもたらされた、わずか0.16haの特級シュヴァリエ・モンラッシェ。現在は息子のフィリップとブリュノが引き継いでいます。
リュットレゾネによって栽培、収穫された葡萄は圧搾後、温度管理をしながら、ステンレスタンクでアルコール発酵を行う。その後小樽に移し、残りの発酵を完了しマロラクティック発酵。新樽比率は村名20%、シュヴァリエで50%程度で12ヶ月熟成を行う。
フラッグシップはシュヴァリエモンラッシェ、ピュリニーモンラッシェ1級ドゥモワゼル、シャサーニュモンラッシェ アン ルミリィ。その他はフィリップとブリューノの相続済みでミシェル コラン ドレジェ名義では生産していません。

エティエンヌソゼは約150年前から続く老舗ドメーヌ。品質はピュリニー・シャサーニュで5指に入る生産者で、約70年ほど前よりドメーヌ元詰めを始めています。2代目当主のジェラールは大学で醸造学を学び、ヴォルネイのプスドールに師事。その後ワインを生産し始めました。
相続によって大部分の土地を失った事もあり、大部分を買い葡萄を使用するネゴススタイルだが、基本的には購入先を変更する事はなく、ドメーヌと品質は変わらない。
アルコール発酵は木樽を使用し、やや高めの温度で行われる。バドナージュは1日1回。樽熟成は1級15ヶ月、特級18ヶ月。新樽比率は村名20%、1級30%、特級50%以下で熟成された後、瓶詰めされる。
フラッグシップは特級モンラッシェ、シュヴァリエモンラッシェ、バタールモンラッシェの特級畑です。


生産者: ドメーヌ ラモネ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2010

約29000円。
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
2010のシュヴァリエ モンラッシェ程ではないが、やはり火打石の様な強固なミネラルが主体となった味わい。硬い。
ドライハーブやシャンピニオン、エシレバターや鉄分の様な風味が主体的。レモンやカリンなどのシャープな酸を持つ果実の香りが感じられる。徐々にシロップの様な甘さもほのかに感じられるが、やはりシャープさやミネラル、酸味が主体として感じられる。
しかし口に含むといつものラモネ節。酸味、甘露さ、旨味の調和や広がり方がやはり素晴らしい。アタックはリンゴや洋梨の果実味、酸味。そして瞬間的に甘いモカやバニラが旨味を伴って酸味と共に広がって行く。
まだ酸は若々しいが、既にバランスが取れている印象。質感はもう少し円熟した方が良くなるはず。完全に長期熟成型のワイン。若くして飲むのは本当に勿体無いワイン。


生産者: ミシェル コラン ドレジェ
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2011

約25000円、WA92pt(2007)
こちらはテロワールで言うと、よりミネラルが突出するシュヴァリエ。
ただし、ミネラルは非常に柔らかい。
その他の生産者のシュヴァリエ、そしてラモネのバタールと比べても、突出して果実味に寄っている。
ミネラルの出方はシュヴァリエというより、むしろシャブリ グランクリュのそれに近いか。ただ果実味がとても豊かだから、むしろ一級ピュセルやシャサーニュ寄りの個性を感じる。
外観は淡いストローイエロー。
石油の様なミネラルは確かに存在しているが、豊満な果実味が突出。白砂糖やシロップの様な甘露さがあり、洋梨やマンゴーなどの豊かな果実味が感じられる。バタースコッチ、フレッシュハーブ、溶剤、白い花など。
ポッテリしている訳ではなく、澄んだ綺麗な甘露さが液面を漲っている。感覚としてはルフレーヴに近いかも。
酸味はソゼよりやや柔らかく、しなやかで広がって行く甘みや旨味がある。かなり早飲みで楽しめる稀有なシュヴァリエモンラッシェ。ただし長熟するポテンシャルは確かに持っている。


生産者: エティエンヌ ソゼ
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2011

約32000円、WA96pt(2009)
デカンタ済み。
恐ろしいポテンシャルを持った、最大級のシュヴァリエモンラッシェ。
取り付く島もない。ビシッと張り詰めた石を砕いた様なミネラル感、ローストしたスモーキーな香り。ひたすらに硬質な風味が感じられる。そして白胡椒などのスパイシーさ、石鹸の様なフレッシュハーブを思わせる清涼感がある。その佇まいはクリスタルや水晶を想起させる。そして無塩バターやヘーゼルナッツ。シャープなカリン、ライチなどの果実味がある。
全面に出ているのはミネラルとバターの香りで、完全に果実味は閉じている。酸味と旨味は力強く、口の中でミネラルと共に広がり、余韻として暫く口の中にとどまっている。
恐ろしく鉱物的なシュヴァリエ。
繊細なガラス細工ではなく、剥き出しのクリスタル。美しい細工を施すには数十年の時を刻む必要がある。


大変面白い事にテロワールから想像されるイメージより生産者ごとの差異の方が大きく現れていましたね。

この中だとラモネのみバタールです。本来はシュヴァリエの方がミネラル感が突出して現れますが、ミシェル コラン ドレジェのシュヴァリエと比べると断然ラモネのバタールの方がミネラル感に溢れており強固な作りになっていたと思います。その分かなり閉じこもった硬い状態で、すばらしいラモネ節を奏で始めるのはまだまだ先になりそう。ただ現状でもその片鱗はミネラルや酸に隠れていながらも微かに感じられます。この口当たりから余韻に至るまでのクリスピーで旨味、酸味の綺麗な構築美はラモネならではだと思います。
対してミシェル コラン ドレジェのシュヴァリエはよりミネラル感はしなやかで柔らかく、果実味の方が突出していました。ピュリニー的ではなく、どちらかといえば、シャサーニュ的な特徴を持ったシュヴァリエ モンラッシェだと思います。澄んだピュアな果実味に、シャブリ グランクリュ的なミネラル。長熟するポテンシャルをしっかりと持ちながら、早飲みできるキャッチーさがある、よく出来たシュヴァリエ モンラッシェだと思います。
最後はエティエンヌ ソゼのシュヴァリエ モンラッシェ。
これはもう凄くシュヴァリエ モンラッシェ的。張り詰めた緊張感のあるミネラル、バターやナッツの香りが主体となる硬質なシュヴァリエ。
高密度で目の細かいタッチで、取り付く島のない厳しさを感じさせる。ラモネのバタール同様完全に閉じこもったワイン。ただし酸味と旨味は力強く余韻も恐ろしく長い。恐ろしいポテンシャルを持ったシュヴァリエ。
今回飲んだ3本の中で畑問わず強いミネラル感を感じさせたのはラモネとソゼでした。ラモネのシュヴァリエにせよ、ソゼのバタールにせよ、若かりし頃は強烈なミネラル感が前に出るのですが、今回も生産者の個性を踏襲している感じですね。

なお特に説明する必要はないと思いますが、シュヴァリエはモンラッシェの丘のピュリニーモンラッシェ側、モンラッシェの上部にある急斜面の畑で、バタールはモンラッシェの丘でピュリニー、シャサーニュをまたぐモンラッシェ下部の緩斜面の畑。
シュヴァリエのほうが気候が冷涼ですが、水はけが良く、石灰質土壌が強いので、ミネラル感が前に出た風味が現れます。バタールは温暖で日照条件が良く、肉付きの良い風味となります。
ミシェル コラン ドレジェのシュヴァリエはこの3本の中では比較的柔らかく感じる作りですが、きっとドゥモワゼルやアンルミリィはもっと豊満なのではないか思われます。
是非ここはコラン ドレジェのキュヴェの中で比較してみたいですね。



関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR