【ローヌ:7】荒ぶるパーカーポイント、ギガルとシャーヴのエルミタージュを利き比べる。


※値段は違うがまたもやパーカーポイント横並び。

こんにちは、HKOです。
さてさて、本日も前回に引き続きローヌ、エルミタージュを比較します。
片方は前回も既にレポートさせてもらったギガルのエルミタージュ エクスヴォト、もう片方はシャーヴのエルミタージュ ルージュ。共にローヌ最高の生産者が作るエルミタージュ。豪華すぎる比較、どうでしょうか。

エティエンヌ ギガルはローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。今回は小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。

ジャン ルイ シャーヴをエルミタージュ最高の生産者と呼ぶ事に異論が出ることは無いでしょう。シャーヴのエルミタージュルージュは9つのリューディから成り(その中にはシャプティエのレルミット、ドゥラスのベッサールも含まれています)基本的に単一畑で醸造することは無いようです。シャーヴの芸術的な所はそれらの個性のブレンド技術に起因するものだと言われています。これらはまさにローヌ北部のトップワインと言って差し支え無いだけに値段も高く、それでも引く手数多なので入手しにくいのが現状です。生産本数は30000本程度、平均樹齢は60年程度。収穫された葡萄は10%新樽で1年間熟成させたのちに、大樽に移し替えさらに18~24ヶ月の熟成をかさねてから瓶詰めし、最低12ヶ月は瓶熟してから出荷されている。
ちなみに最良ヴィンテージのベッサールは100%新樽でひと樽のみ熟成されキュヴェ カトランという名前でリリースされている。


共に畑のアッサンブラージュの妙も問われるエルミタージュ。さあ、いってみましょう。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: エルミタージュ エクスヴォト ルージュ 2009
品種: シラー100%

約42000円、WA100pt
外観は濃いガーネット。
よりロティに比べると果実味が豊かで甘露。
シャーヴに比べるとよりまろやかで豊満な味わいのブラックベリー、チェリーリキュールのジャムだとか溶剤の香りが強く前に出ている。ミルクティーやキャラメルの豊満な風味。徐々に酸味を伴うプラムの様な味わいに引き締まってくる、シベットやコーヒーの様な風味も、リコリス、薔薇や茎、枯葉や土、などの風味。
変化がドラスティックでアーシー→スイート→アーシーを繰り返す。
果実味に触れた時には素晴らしく官能的で柔らかい味わい。
口の中で凝縮された酸味と旨みが広がっていく。梅しばやチェリーなどの酸味を伴う果実が余韻を残して行く。


生産者: ジャン ルイ シャーヴ
銘柄: エルミタージュ ルージュ 2010

約24000円。WA100pt。
外観は濃いガーネット。
いや、いやいや、ちょっと笑っちゃう位すごい。今まで飲んだシャーヴのエルミタージュ ルージュの中でも最高。とんでもない化け物ワイン。埒外の凝縮感、旨味の奔流、漲るぶ厚い酸。それでありながら甘露で蕩ける様な滑らかさ。
最初はブラックベリーのジャムや煮詰めたプラムの濃厚な風味が主体的に感じられるが、徐々に酸味を帯びた瑞々しいアプリコット、アセロラなどの旨味と凝縮感に満ちた香りが押し寄せてくる。そして黒胡椒や紅茶、ローズヒップが調和。リコリス、スミレ、タイム。西洋杉の風味など。ほのかにパストラミハムの野性味も感じられる。
口に含むと液体が心地よい酸味と旨味と共に広がっていく。スパイスやアプリコットの果実味が永遠に続くような余韻を残して行く。タンニンも強く存在するが、滑らかで酸味と旨味の層が厚く全く気にならない。
熟成ポテンシャルが十二分にありながら、今現在飲んでも伝わる凄まじさ。参った。


さて、恐れ多い比較ではあるのですが、しっかりとやってきましょう。
まずは受ける印象。これは全く異なります。
抜栓直後の印象は微妙に重なりますが、すぐに大きな違いが現れます。
ある種ニューワールドを思わせる爆発するような果実味がある外向きのエクスヴォト。対して凝縮した高密度の果実味がある内向きのエルミタージュ。向いている方向が全くの逆向き。
ギガルのエルミタージュはリッチで豊満。ブラックベリー、チェリーリキュールのジャム、ミルクティーやキャラメルの豊満な風味が感じられます。ふくよかに広がっていくような果実味があります。
シャーヴのエルミタージュは、瑞々しいアプリコット、アセロラなどの酸味を帯びた凝縮感のある果実味。そして黒胡椒や紅茶、ローズヒップが調和している。厚みがありながらも綺麗に伸びていく味わい。
質量はきっと変わらないのだろうけど、外に伸びていくのか、内に凝縮されていくのかの違い。どちらも素晴らしい。

この違いを生み出すのは一因として、間違いなくアッサンブラージュが挙げられるでしょう。今回の2本の詳細は下記の通り。
ギガルのエルミタージュ エクスヴォトはベッサール、レルミット、グレフュー、ミュレ。
シャーヴのエルミタージュはベッサール、レルミット、メアル、ボーム、ロクール、ペラで構成されています。
まずは共通する2つの畑から。
レルミットは濃密さやタンニンの力強さ、ベッサールは凝縮感、ミネラル、複雑さをワインに与えます。これらはエルミタージュ最上の畑とされ、最上のキュヴェには必ずといって良いほど混醸されています。
例に漏れずエクスヴォトには上記2つの畑が含まれており、加えてグレフューとミュレが混醸されています。グレフューの特徴としてはフルーティーでストレートな風味が特徴です。(ミュレは不明)
またエルミタージュルージュはベッサール、レルミットに加え、メアル、ボーム、ロクール、ペラが混醸されています。ペラはワイルドベリーの様な香気や複雑さを、メアルはスモーキーでローストされた様な風味を、ロクールは優美な繊細さを、ボームは甘露な風味を与えています。
これらの畑の特徴からエクスヴォトが果実味重視でパワフルになり、シャーヴのエルミタージュが複雑、繊細かつ凝縮感のある味わいになるのは、なんとなく納得出来ますね。

他には新樽100%のギガルに対して、シャーヴの新樽比率は10%となっています。コーヒーやキャラメルの香りを漂わせるエクスヴォトに対して、樽の香りは控えめで果実の瑞々しさが際立ったシャーヴのエルミタージュ。こちらも素直に味わいに反映されていますね。

以上、比較となります。
とりあえず、ギガルも本当に凄いんですが、何より今年のシャーヴのエルミタージュは半端ないですね。
2009年もなかなかいいんですが、香りの鋭さとか凝縮感とかが2010年の方が優れている様な気がするんですよねー。
ヴィンテージ的にはどうなんでしょうか。

シャーヴは毎年いいものを作ってくれますね!来年も是非飲みたいですなあ。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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