【追記】【ブルゴーニュ:38】2011年も安定の成功、セシルトランブレーのACブル&村名

こんにちは、HKOです。
はじめちゃんさんの記事に入る前に1本追加しておきます。
今日はセシル トランブレーの2011年です。
去年も2010年ヴィンテージをやりましたが、これが村名、ACブルで有りながら、とても素晴らしく感動したものです。

セシル トランブレーは2003年からメキメキと頭角を表してきている話題の生産者。
栽培は有機農法やビオディナミの手法を実践している。
一部除梗した果房を木製発酵タンクで1ヶ月ほど発酵を行い、垂直式圧搾機でプレス、新樽比率75%で18ヶ月の熟成を行う。その際に澱引きは行わない。無濾過、無濾過で瓶詰め。抽出は過度には行わないそうです。
フラッグシップはエシェゾー ドゥスュ、シャペルシャンベルタン。

さて、今年はどうでしょうかね。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: ブルゴーニュ ピノノワール クロワ ブランシュ 2011

約5000円。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
堅実で良い作りのACブルだけども村名とは明確なクラス感の差を感じる。
樽に関しては明らかに村名と比べて少ない比率。
まず感じるのが果皮成分高めのラズベリーやブルーベリーなどの果実味、そしてスミレの香り。やや強めに抽出していると思う。
そしてフレッシュハーブやミルクティー、徐々にシナモンや蜜の甘みも感じられる。
ACブルらしくアタックやパワー感は弱い。
ただその分滑らかで染み込むようなら酸味が感じられる。ミルクやスミレの余韻はなかなかいいと思うが、やはり短めか。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: シャンボール ミュジニー レ カボット 2011

約12000円。
さすがにヴォーヌロマネ、シャンボールミュジニー共にACブルとは比較にならない程よく出来ている。
カチッとしたミネラル感が根底にありながら、最初から柔らかく甘露な香りが漂っている。シナモンやカラメルの樽香、花の蜜、ベリーの詰まったフルーツケーキ。香ばしくクリスピーな味わいが感じられる。また茎やタイム、なめし革の風味も。
甘露なヴォーヌロマネと比較して、より引き締まった骨格がある。とても優美な村名ワイン。
そもそも果実味は2011としては極めて豊か。生産者の特徴なのか酸味やタンニンはしっかりと感じられるのだけど、非常に滑らかなタッチで、ミルクや果実味の豊かさの方が全面に感じられる。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: ヴォーヌ ロマネ ヴィエイユヴィーニュ 2011

約12000円。
最初は2011年らしい冷たい印象を受ける。最初から開いているシャンボールと比べると、やや厳しい印象を受けるが、それもすぐに落ち着き極端な甘露さ、華やかさが広がっていく。
華やかでありながらとても甘露。濃厚なカラメルや花の蜜、シナモンの風味、そしてスミレ、お香、八角。ドライハーブやなめし革の野性的な香りが漂う。果実味は果皮成分が強く感じられるラズベリーやダークチェリーが主体だ。
シャンボール以上に豊満でシルキー、そして甘露だが、時間が経過するに伴って、若干の緩さを感じてしまう。ボディの厚さや旨味、酸味が広がり方は申し分ない。


素晴らしい!村名にしてこのレベルか!
毎度の事ではあるものの、2011年というヴィンテージにしてこれだけのものを作り上げたセシル トランブレーには最大限の賞賛を送りたい。結婚してくれ!
さて、今年2011年のセシルトランブレーは例年通りエマニュエル ルジェスタイルのワインを作っている。
2010年と比較すると繊細でやや細い印象を受けるのは間違いないが、2010年にやや不足感のあったシャンボールミュジニーが2011ヴィンテージでは非常に際立って良くなっている。対して2010年ヴィンテージでは強烈な華やかさと濃密さ、伸びやかさを見せたヴォーヌロマネVVでしたが、2011年ヴィンテージに関してはやや香りが閉じこもっており、冷たい印象を受けるものになりました。
ACブルは例年通り良くできたもので、強めに抽出をしているからかボディがかなり強いのですが、タンニンと酸は柔らかめです。

さて、まずシャンボールなのですが、今回の印象として強いミネラル分と、シナモンやカラメルなどの柔らかい樽、果実味が丁度均衡が取れている状態でした。大筋にミネラルの一本筋があって、そこに甘露な香りが紐づいて行くかの様な味わい。これが非常に良い。
2010年にもミネラルは確かにあるのですが、どちらかというと果実味に寄った作りで、こじんまりとしたヴォーヌロマネVVの様な印象を受けました。2010のヴィンテージにシャンボールのテロワールがかき消されてしまった、という感じ。その分2010年のヴォーヌロマネは実に綺麗な作りで豊かな果実味と華やかさ、伸びやかさが感じられましたが。
で、2011年のヴォーヌロマネは、気候からくるドライで冷たいニュアンスが現れている。ただ硬いだけなんで開くと極めて甘露だけども、2010年ほど果実味に厚みが無いから、味わいにダレが感じられるのです。
果実味は豊かなのだけど、それを受け止める、引き締める様なボディがないと、そういう事でございますね。
そんな訳で露骨にヴィンテージの影響を受けているセシル トランブレーですが、そこは奇跡的な作りのうまさがあって、どれも堅実で美味いんですよね。恐ろしい。
正直散々言ったものの2011年のレベルではないよな、と思います。ただやはり2010年と比べるとね...

今回はシャンボールミュジニー レ カボットが最高ですね。滑らかな酸、甘露さ、やや小規模ながらもミネラルによって全体がしっかりと引き締まっている。シャンボールミュジニーらしいバランスの良いワインだと思います。

いや、血は争えないですねー。


【追記(2014年2月】
2011年の一級、特級畑も補完しました。ヴォーヌロマネ1級ボーモンと、シャペルシャンベルタンです。

生産者: セシル トランブレー
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ ボーモン 2011

約19000円。
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
重心が非常に高く抜けるような華やかさを感じさせる味わい。しなやか。
糖蜜の様なチェリーリキュールやアメリカンチェリーの甘露な果実味がある。よく熟した味わいが感じられる。バニラ、クレームブリュレ。華やかで強いスミレの香り、なめし革。香水の様な花の香り。シナモン、クローヴ、八角などのスパイス香。黒糖の様な甘やかさも現れてくる。
滑らかで目の細かい酸があり、非常にしなやかな体躯のヴォーヌロマネ。メチャクチャ美味い。ベリーや赤い花のアフター。丸みのあるストラクチャー。しっかりとした密度が感じられる。


生産者: セシル トランブレー
銘柄: シャペル シャンベルタン グランクリュ 2011

約22000円。
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
基本的には重心は高めだが、ボーモンと比べると重さを感じる味わい。こちらも良く熟した果実味がある。ジューシー。基本的に果実味に満ちている。
ジャミーで甘露なダークチェリーやプラム、ブルーベリーの果実味、エキス感がある。強いスミレの香りやなめし革。シナモン、クローヴ、ごく僅かに茎っぼい風味。お香。トーストやローストした木材の様な風味。味わいは極めて瑞々しい。
丸いストラクチャーはボーモン同様で、目の細かい酸とタンニンがある。こちらの方が花のニュアンスを強く感じるアフター。余韻も長い。


いや、村名も素晴らしかったけど、一級と特級は圧巻の一言に尽きますね。2011年は一般的にオフヴィンテージでしたがセシル トランブレーの前ではそんなのは無意味でした。以前書いた味わいの冷たさ、ダレは一切皆無で、ボーモンもシャペルも華やかな芳香を十分に受け入れるだけのボディをしっかりと持っていました。
去年と比較をすると2011年のトランブレーは樽がやや抑え気味だと感じます。恐らくあえて抑えているのだと思われるのですが、それが功を奏して、非常に華やかで煌びやかなワインになっている様な気がしました。
まずレ ボーモン。これは村名と如実に違っていて、しっかりとした果実味がありながら、それを受け入れる凝縮感がキチッと感じられます。高域に伸びて行くような華やかさとチェリーリキュールの様な甘露な果実味があります。またバニラやクリームブリュレ、スミレや舐めし皮のような香りが香水のように広がっていきます。
極めて滑らかで目の細かい酸と共に凝縮感があり非常にしなやかな体躯。
いささか樽でバランスを崩していた2010年と比べると今飲むのであれば大変良くできたヴォーヌロマネだと思います。
次にシャペルシャンベルタン。こちらもガチガチだった2010年と比べると、かなり近づきやすい味わいになっていると思います。
中域で引き締まった味わいで、ジューシーかつジャミー。さながらダークチェリーやプラムのジャムのような果実味。
そして抽出が強めなのか強いスミレの香りとクローヴや茎のような風味がある。
いわゆるジュヴレシャンベルタンの生産者の堅牢な作りではなく、あくまでヴォーヌロマネの生産者であることを認識させられる様な官能的な味わいです。樽はどちらかというとボーモンのほうが感じますが、シャペルシャンベルタンはより果実味が目立ちます。
ともに口当たりは丸みを帯びたしなやかなストラクチャーがあり、2011年にしてしっかりとしたエネルギーを保有したワインだと思います。
今回2010年と比較すると先述した様に村名クラスでいうならば凝縮感に劣り、一級特級クラスであれば樽の要素が落ち着いています。
村名は2010年の方が良い印象ですが、一級特級は2011年の方が過剰な要素が無く美味しく感じられますね。

さて、セシルトランブレーはここまで。
これでほぼ全てです。
その上でセシルの2011は極めて良く出来ていると思います。価格は強気ですが、レジオナルからグランクリュまで、購入してまず失望する事はないのではないかと思います。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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