【ブルゴーニュ:41】プイィ フュイッセの真価を検証する。最上の生産者の4本。

こんにちは。
本日はプイィ フュイッセ。ヴィレ クレッセやサンヴェランと共にマコン地区としては著名な村でレストランでグラスで供されたりする事もあるので、口にした事のある人は結構いるのではないかな、と思います。ただその品質を改めて集中検討する事はあまり無いのではないか、とも思います。

今回はそのプイィフュイッセの中でも代表的な生産者を。シャトー ド フュイッセとドメーヌ ヴァレットです。

シャトー ド フュイッセはプイィ フュイッセというアペラシオンを世界に広めた老舗ドメーヌ。運営はヴァンサン家。
現当主は4代目のジャン ジャックだが、生産は全て息子のアントワーヌが指揮を取っている。
保有畑は35ha(プイィ フュイッセ23ha、サン ヴェラン7.5ha、マコン ヴィラージュ1.7ha、マコン フュイッセ0.9ha、ジュリエナ 2.8ha)。うちプイィ フュイッセには単一区画「ル クロ」「レ コンベット」「レ ブリュレ」を保有。
それぞれ単一畑毎に仕込まれるが、最良の区画を混醸した「テット ド クリュ」、平均樹齢50年以上(最古で82年)の古木のみを混醸した「ヴィエイユ ヴィーニュ」が存在する。
栽培はリュット レゾネ。
収穫された葡萄は圧搾に回され、18時間のデブルバージュ後アルコール発酵。単一区画ものとヴィエイユ ヴィーニュは100%木製樽にてアルコール発酵が行われる。熟成はレ ブリュレとVVは新樽100%、ル クロの新樽率は70%、レ コンベットには新樽を用いず、3~5年使用済みの古樽で実施。マロラクティック発酵は状況により実施。

ドメーヌ ヴァレットはジェラール、フィリップ親子が営むプイィフュイッセのドメーヌ。協同組合に貸していた畑を引き上げて自社本詰めに変えた。保有している畑への手入れは行き届いており、収穫は通常より10日ほど遅くに行われる。収量はかなり低めに抑えられ、かつ未熟な房は選定によって取り除かれる。これにより強い凝縮感を持ったワインを生み出す事が出来る。自然酵母を使用し、タンクもしくは木製樽によってアルコール発酵を行う。発酵後はシュールリーで新樽30%で熟成。
フラッグシップは単一畑のクロ レジエ、そしてクロ ド ムッシュー ノリー。

さて、最高のプイィフュイッセ、試してみましょうか!


生産者: シャトー ド フュイッセ
銘柄: プイィ フュイッセ ル クロ 2009

約6000円、WA90pt(2008)
オレンジがかった濃いイエロー、粘性は高く浮遊物は多い。おそらく濾過も清澄もしていない。
ヴィンテージ的にはかなり若いが、熟成したシャンパーニュの様な濃厚な熟成香と旨味を内包した風味が感じられる。
塩ナッツやエシレバター、赤リンゴなど、強い旨味と塩分を感じさせる香りが主体となっている。そしてドライハーブやシャンピニオンのニュアンス。僅かにミネラルが感じられる。
ボディの丸みや旨味の層は最も厚い。しかしながら酸味は柔らかく感じる。
赤リンゴや塩ナッツを口いっぱいに含んだ様な豊満さを感じさせる。旨味の広がりや余韻は長い。


生産者: シャトー ド フュイッセ
銘柄: プイィ フュイッセ レ ブリュレ 2009

約6000円、WA92pt(2008)
オレンジがかった濃いイエロー、粘性は高く透明度が高い。いかにも新樽比率が高そうな香り。パワフル。
かなりナッティーかつオイリー。白マッシュルームやアーモンドの風味から熟成ブルゴーニュに見られるクレームブリュレやバニラの香ばしい香りが感じられる様になる。ドライハーブや白胡椒、洋梨のニュアンスなども感じられる。5000円代とは思えない、かなりリッチな香りだ。よく樽と果実味が馴染んている。
口に含むとリンゴやドライハーブ、茸っぽいニュアンスが口内に広がっていく。余韻は長く複雑な木材の味わいが感じられる。やや酸味は強い。ムルソーにも通じる素晴らしいシャルドネだ。


生産者: シャトー ド フュイッセ
銘柄: プイィ フュイッセ ヴィエイユヴィーニュ 2009

約6300円、WA92pt(2008)
オレンジがかった濃いイエロー、粘性は高く透明度が高い。他の2本と比べると石灰などのミネラル感が突出しており硬質な印象を受ける。合わせて果実味が強い。樽が強いブリュレや熟成感が強いクロと比較すると断然清涼感があり純度の高い味わい。ピュリニーモンラッシェにも通じる特徴を持っている。
ミネラルと共に現れるナッツやオイルのニュアンス。そして純度の高いシロップや花の蜜などの甘露さ。そして出汁や青リンゴ、フレッシュハーブ、エシレバターの風味が感じられる。
最も果実味が豊かだが、酸味はより穏やか。綺麗なリンゴや柑橘系の果実味とフレッシュハーブ、ナッツの余韻が長く広がっていく。


生産者: ドメーヌ ヴァレット
銘柄: プイィ フュイッセ クロ レジエ レゼルヴ パティキュリエール 1996

約12000円、WA89-91pt
外観は濃いストローイエロー。粘性は高い。ムルソーを想起させる非常に完成度が高いプイィフュイッセ。
シャンピニオンやナッツ、エシレバターなどのナッツやオイルのニュアンス、出汁っぽさ、白胡椒、ドライハーブ。コンポートしたパイナップルの要素。
酸味は比較的豊かで、旨味もある。口の中にオイルとバターの豊満な果実味が感じられる。生産年代は全く違うが、ブリュレとヴィエイユヴィーニュの間を行くような作り。
しっかりとした樽と豊かな果実味を両立した良質なシャルドネ。


殆どの人はこう思うんじゃないかなと。「ムルソー、シャサーニュ、ピュリニーとは一体何だったのか」と。
極論、ミネラルや余韻の長さ、果実味の豊かさという部分ではブルゴーニュトップクラスの白には劣るのは間違いないのですが、ブルゴーニュを飲み慣れていないと同等のクラスと見誤るくらいレベルが高く、リッチな作りをしていると思う。シャトー ド フュイッセもヴァレットも本当にレベルが高いし魅力的な作りをしていると思う。
まずシャトー ド フュイッセから。
これがまた凄くて、この3本、別の生産者が作ってるじゃないかと思う位に特徴が異なっている。
ル クロは熟成したヴィンテージシャンパーニュ(というかリザーブワイン)っぽいし、ブリュレは20年くらい熟成したムルソー、ヴィエイユヴィーニュは熟成したピュリニーモンラッシェっぽさが凄く感じられる。
共通しているのは、結構どのワインも年代に比べて熟成感がかなり感じられる部分ですかね。2009年にもかかわらずクロはとても旨味が出ているし、ブリュレもVVも果実味と樽の馴染み方が既に20年熟成並み。
醸造行程に熟成を促進させる行程は無いし、なかなかその部分が不思議なんですよね。

では一本一本行きます。ル クロから。
前述しましたが、熟成シャンパーニュのリザーブワインの様な味わいがあります。
全体的に塩味が強く、また赤リンゴに由縁するしっかりとした酸味と旨味、そしてハーブの風味が感じられます。他のド フュイッセのワインと比べると、明らかに果実味寄りで樽はさほど目立ちませんね。
またこのワインのみ外観に結構浮遊物があって濁っています。恐らく全く濾過や清澄がなされていないのだと思いますか、その分口当たりに厚みが最も感じられました。

さて次はブリュレです。
名前の通り、かなり樽のニュアンスが強く現れているワインで、香りをひと嗅ぎして「ああ、これはリッチなワインだな」と思いました。まあ新樽100%ですから当然ですね。
そんな感じのワインです。
とてもナッティーかつオイリー、白マッシュルームやバニラの香ばしい香りが感じられる様になる。熟成した最上のムルソーといった感じですね。果実味はそれらより劣りますが、限りなく近く仕上げられていると思います。清澄はしっかりされていて雑味や厚みより洗練した味わいになっています。

最後。混醸のヴィエイユヴィーニュ。
新樽の感じはブリュレとよく似ていますが、より果実味が突出していますね。そしてブリュレほど果実味と新樽が馴染んでいない。ちょっと今までのワインと比べると若々しい感じですね。そしてミネラル感が最も突出しており、硬質な印象がある。ピュリニーに近い特徴があると思います。ワインとしてポテンシャルが高いと思いました。
純度の高いシロップや花の蜜などの甘露さは、いかにも若い上質なシャルドネと言った感じです。フレッシュハーブ、エシレバターの風味が感じられます。
最も果実味が豊かだが、酸味は最も穏やか。
こう見るととても特徴がありますね。製法の特徴や作り方の哲学がワインにしっかりと現れていますので、かなり勉強になりますね。
味わいもとても10000円以下とは思えないので結構オススメです。

最後は熟成ヴァレット。
この中だと樽の利き方や馴染み感は最もブリュレに近い作りですが、果実味としてはヴィエイユヴィーニュですかね。
すごく良く出来ています。まだ樽と果実味は馴染みきっていないですが、それもまたムルソーっぽいんですよね。ド フュイッセの様な過剰な熟成感は無く、妥当に年をとった素晴らしいシャルドネだと思います。
きっと出来たてのポテンシャルは相当高かったんだろうな、と。

プイィ フュイッセを飲んでいて思うのですが、コート ド ボーヌの村名に並んでもいいレベルだと思うのですよ。
実際のところマコネの中では著名ではあるものの、シャサーニュ、ピュリニー、ムルソー、コルトンに比べたら、知名度が無いに等しいんじゃないかと。
ただそのおかけでこれだけの値段で、このクオリティのシャルドネを飲めるのは喜ばしい事なのかもしれませんねえ。
有名にならんようにー。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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