【オーストラリア:2】オーストラリアのカルトピノノワール2本を利く


こんばんは。
本日はオーストラリアのピノノワールです。オーストラリアのピノノワールと聞くと、どんな感じを想像するでしょうか?新世界的な濃口ピノノワールでしょうか?
実はブルゴーニュによく似たピノノワールは結構生まれています。例えばカーリーフラット、ビンディ、そしてマウントメアリーなど。本場ブルゴーニュのピノノワールより繊細で旨味に満ちた味わいのピノノワールが


マウントメアリーは1971年にジョン ミドルトンによって設立されたワイナリー。生産量は3,500ケースと極めて少なく、カルト的なワイナリーとして扱われている。
1960年代後半にボルドー、ブルゴーニュで栽培醸造を学び、ボルドー品種(クインテット)とブルゴーニュ品種(ピノノワール)ともに得意としている。
使用している葡萄の木は1971年に植樹された古木から産出されるもので、収穫後7日間の短いマセレーションの後、75%をフレンチバリック、25%を大樽使用し、熟成されます。フラッグシップはボルドーブレンドのクインテッド、そしてヤラバレー ピノノワール。

ビンディはビル・ディロン氏と息子のマイケルが1988年に設立したドメーヌ。ブルゴーニュ品種を得意としており、所有畑はオーストラリアで最も冷涼なマセドンレンジズのギズボーン山の北側斜面に位置している。標高500メートル。粉々に割れた石英と沈泥で構成された部分と砂質と粘土質の土壌がある。
特にブロックファイヴの区画はは風除けの木に守られた区画で、より成熟した葡萄が収穫される。
栽培面にも十分に配慮が行き届いており、光の浸透を高めるオープンキャノピーで、病害のリスクを下げながら葡萄を完熟させます。
また非常に厳しく剪定作業が行われており、収量は1.5t/エーカー。化学肥料や殺虫剤は不使用。収穫まで全て手作業で行われる。
収穫した葡萄はプレス後、野生酵母で発酵。
熟成発酵にブルゴーニュの新樽25%-40%で熟成される。
フラッグシップはブロック5 ピノノワール。


生産者: マウントメアリー
銘柄: ヤラ バレー ピノノワール 2009

15000円、WA93pt(2006)
外観は淡いルビー、粘性は中庸。
フランボワーズやアメリカンチェリーの瑞々しい赤い果実味が感じられる。そして花の蜜やシロップなどの甘露なニュアンス。若い葉、なめし革、シナモンなども感じられる。
新世界的な濃厚さよりブルゴーニュの様な繊細さ、複雑さを感じることが出来る。ルイ シュニュが造るサヴィニー レ ボーヌにも通じる味わい。最近のブルゴーニュの主流よりブルゴーニュらしいかもしれない。
酸味やタンニンは非常に穏やかで、滑らかなタッチ。スモモやベリーのじわっとした旨味が広がっていく。非常に丁寧に作られたピノノワール。
ただ2008年の同ワインは、かなり樽が効いていた印象があり、やや濃い印象を受けたのだけど、果たして。


生産者: ビンディ
銘柄: ブロック5 ピノノワール 2011

約15000円、WA94pt(2008)
外観は淡いルビー、粘性は中庸。
こちらは梗に由縁するスパイシーな風味が主体的。ハーブ、濡れた樹皮、茎の様な青い風味が感じられる。そしてブルーベリー、ラズベリーの様な赤黒系果実の瑞々しい果実味。スミレ、なめし革、クローヴなどのニュアンスも感じられる。瑞々しい果実味と共にスパイシーな風味が前に出ている。
酸味はマウントメアリーと比べるとやや強めだが、タンニンは柔らかい。ミルクを混ぜたベリーティーの様な風味が感じられる。デュジャックの造るワインに似ているかも。果実の凝縮感は中庸。


オーストラリアのピノノワールはやはり素晴らしいですね。特にメルボルン周辺のマセドンレンジズ、ヤラバレーのものは特に繊細さ、緻密さにおいて突出している。
土地がとても冷涼なだけに、まるでブルゴーニュのピノノワールの如き味わい。ひょっとしたら今の(エレガントと言いながら)濃い目主流のブルゴーニュよりよっぽどブルゴーニュらしいかも。
そんな訳で、メルボルン周辺にブルゴーニュファンが集まっており、必然的に低温マセレーションや全房発酵などの醸造方法もブルと似た感じになっています。
まずマウントメアリー。
このワインは2008年ヴィンテージも経験しており、濃い目の印象がありましたが2009年はかなりブルゴーニュに接近した味わいになっている印象です。染みて広がるような味わい。
赤系果実味と、豊かな花の蜜やシロップなどの甘露なニュアンス。若い葉、なめし革、シナモンなども感じられるベーシックなブルゴーニュの味わいです。
お次はビンディ。こちらもとてもブルゴーニュらしい作りのワイン。特徴としてはやはり全房発酵。スタイルとしてデュジャックに似ていて、全房発酵らしいスパイシーな風味が前に出ています。より黒系のニュアンスを感じるのでジュヴレシャンベルタン寄りっぽい。熟してはいるんだけど、より成熟まで時間を経て多くの要素を大地から吸収した味わい。複雑です。

いやー、レベル高いですね。
しかしカリフォルニア同様ニューワールドに区分けされる国ですが、これだけピノノワールに対する向き合い方が違うとは。
オーストラリアのシラーズをそこそこ飲んでいる人ならば、ここはやはり不思議に思うところだと思います。なにせオーストラリアのシラーズはカリフォルニアを超える位の濃厚果実味爆弾ですから。
オーストラリアのシラーズは随一の濃厚な果実味を持っていて、ピノノワールはさながらブルゴーニュが如き繊細さを感じさせる。
驚くべき多様性がオーストラリアには存在していると思います。

しかもシラーズの一大産地であるバロッサバレーとピノノワールのマセドンレンジズってそう遠くないんですよね。いやでも車で8時間だから東京から青森秋田くらい? でもニュイサンジョルジュからローヌ南部までは4時間...だからやっぱり遠いのかな?オーストラリア大陸は大きすぎて縮尺がわからん...
ただ多様性が現れるには十分な距離かな?

いずれにせよ同じ国からブルゴーニュ的なピノノワールと最上のシラーズが出来るって凄いですね。まるでフランスの様ですね。


マウント・メアリー ピノ・ノワール [2005]

マウント・メアリー ピノ・ノワール [2005]
価格:13,650円(税込、送料別)

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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