【カリフォルニア: 12】ピーターマイケル赤白5種類を利く

こんにちわ、HKOです。
装いも新たにSurface Pro2からの更新です。まぁ、文面とかそういうのには全く反映されていないのですが。
だいたいいつも更新はiPhone5。自宅の時はMacbook Air11'かVAIOです。
全く関係ないですね。はい。

さて本日はピーターマイケルの赤白5種類をテイスティングレポートします。
あとはおまけで購入したオーボンクリマのノックスアレキサンダーを。
どちらも非常にいい感じのカリフォルニアでした。


・・・オーボンクリマはサンタバーバラに拠点を置くブルゴーニュ品種の名手です。それもそのはず、ジム グレネデンはアンリジャイエに師事した経歴があり、エレガントでブルゴーニュに寄った味わいのピノノワール、シャルドネを作ります。
フラッグシップはイザベルとスペシャルキュヴェのラーム ド グラップです。この生産者のワインはアンリジャイエスタイル...除梗100%で仕込みます。今回のノックスアレキサンダーはイザベルに次ぐオーボンクリマのフラッグシップ。しかしイザベルの様に複数ヴィンヤードの最上の葡萄を使用している訳ではなく、ビエン ナシッドの最上の区画の葡萄を使用するシングルヴィンヤードで作られている。

ピーターマイケルワイナリーは「サー」ピーターマイケルによって1982年に設立されたワイナリー。カベルネソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノノワールと大きく方向性が異なる品種を作りながら、その全てで高い評価を受けている稀有な生産者です。ナパにおいて最も冷涼なカリストガ地区に拠点を構えており、混在する2つの気候による温度差によって品種の個性を引き出しています。現在の醸造責任者はニコラ モーレ。マルチなヴァラエタルで最高の評価を受けています。
まずは赤から。
ムーランルージュはピゾーニヴィンヤードで収穫されたピノノワール主体。天然酵母を用い、自然発酵。新樽比率50%で16ヶ月の樽熟成。無濾過・無清澄。
パヴォはピーターマイケルのボルドーブレンドにおける最上の赤。ナイツヴァレー ヒルサイドヴィンヤード(98年植樹)で生産されたカベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、プティヴェルト、メルローを使用しており、フレンチオークの新樽を100%使用し17ヶ月熟成する。無濾過、無清澄。セカンドワインのレスプリ ド パヴォは比較的カベルネフランの比率が高い以外、基本的にファーストと醸造も熟成期間は同じ。
ラブレ ミディ ソーヴィニヨン ブランはナイツヴァレーで収穫されたソーヴィニヨンブランを天然酵母にてフレンチオークで発酵を行う。マロラクティック発酵なし、シュールリーで8ヶ月熟成を行う。
ベルコート シャルドネはナイツヴァレー1990年植樹されたシャルドネ単一畑。天然酵母にてフレンチオークで発酵、100%新樽にてシュールリーで11ヶ月熟成。無濾過、無清澄で瓶詰め。


それではいってみましょう!


生産者: オー ボン クリマ
銘柄: ノックス アレキサンダー ピノノワール 2009

素晴らしいピノノワールだ。ヴォーヌロマネ1級マルコンソールが如きエレガントさや密度を感じさせる。いわゆる新世界的な黒砂糖や樽のロースト香はあまり感じさせず、低温浸漬やピジャージュに由縁する果皮の華やかなニュアンスが強く感じられる。
凝縮したダークチェリーやブルーベリーの黒系の果実味、オレンジやミルクティー、スミレやなめし革などの均整の取れた香り。まさにブルゴーニュ的な特徴が良く現れている。クローヴ、ドライハーブ、松の樹皮など土の香りより樹皮系の香りが前に出ている。
非常にエレガントな香りだが、ボディはしっかりしている。かなり凝縮した果実味があり、豊かな酸味と旨味に満ちている。ギザギザした舌触りはなく、厚みのある黒系果実や花のニュアンスが駆け抜けて行く。余韻も長い。
爆発する様な果実味は無いけれど、ブルゴーニュを忠実に再現した素晴らしいワインだと思う。
イザベルはより果実味は豊かだが、ブルゴーニュらしさはノックスアレキサンダーの方がらしい、と言える。


生産者: ピーター マイケル
銘柄: ラプレ ミディ ソーヴィニヨンブラン 2012
品種:ソーヴィニヨンブラン95%、セミヨン5%

約8825円
外観は透明に近い澄んだイエロー、粘性は中庸。よく熟した印象が感じられるソーヴィニヨンブラン。
ミネラル感もしっかりと感じられる。濃厚なシロップやバニラ。メロンやマンゴーの様な果実の様な風味、八角、フレッシュハーブや白い花、ムスク、杏仁豆腐などの風味。爽やかでありながら強烈な甘露さを放つ。ボルドーの最上の白ワインから受ける印象と近い。
酸味は豊かだが、シロップ、バニラ、白桃のコンポートを思わせる風味が口内に広がり、長い余韻を残して行く。


生産者: ピーター マイケル
銘柄: ベル コート シャルドネ 2000
品種:シャルドネ100%

約23000円
外観はやや濃い目のストローイエローで粘性は高い。ミネラルの塊というべきオイリーさを感じさせる、そしてナッツや白胡椒、モカ、エシレバターの様な香りに覆われて豊かな果実味が隠れている状態。樽が果実味にまだ溶け込んでいない。洋梨やライチの様な果実味、白胡椒、ドライハーブ、白檀の様な風味を感じされる。熟成したバタールモンラッシェのよう。
酸味は豊かだが、熟成を経ているからか、余韻が急激に跳ね上がって、少しずつ広がっていくスタイル。口内でライチや洋梨やシロップの余韻が広がっていく。


生産者: ピーター マイケル
銘柄: ル ムーラン ルージュ ピノノワール 2008
品種:ピノノワール100%

約25000円、WA90pt
外観はやや濃い目のルビー、粘性は高い。
非常にパワフルなカリピノの王道たる味わい。
強烈な黒砂糖の様な甘露さ、ブラックカラントやダークチェリーの旨味に満ちた黒系果実味、クローヴ、松の樹皮、シナモン。スーボワ、自然な大地の香り。あまり強くはないが、なめし革の風味もある。薔薇などの華やかなニュアンスも。
酸味は豊かで、タンニンも相応に感じられるが、果実味が豊かで凝縮しているので上手く旨味に転化できているような気がする。余韻はブラックカラント、ダークチェリー、梗の風味が広がる。


生産者: ピーター マイケル
銘柄: レスプリ デ パヴォ プロプライエタリーブレンド 2004
品種: カベルネソーヴィニヨン45%、カベルネフラン35%、メルロー17%、プティヴェルト3%

約21000円、WA90-92pt
赤みを帯びたガーネット、粘性は高い。
基本的な雰囲気はパヴォと変わらない。どちらかといえば熟成に、もしくはセパージュに由縁するハーヴィーなニュアンスの方が気になる。ただ口に含むと、ファーストラベルのパヴォよりボルドーのスタイルに近いことに気付かされる。
リコリスやドライハーブ、そしてカシスやブラックベリーの瑞々しい果実味(パヴォと比べると凝縮感は少ない)、バニラや西洋杉の樽香、煙草、燻製肉、ベニヤ板など。
口に含み鼻に抜けるカシス、バニラ、西洋杉の香りはまさしくボルドーのそれ。熟成によって酸味やタンニンは落ち着いておりまとまっている印象を受ける。余韻は長い。


生産者: ピーター マイケル
銘柄: レ パヴォ プロプライエタリーブレンド 2009
品種: カベルネソーヴィニヨン66%、カベルネフラン22%、メルロー10%、プティヴェルト2%

約30000円、WA96pt
やや紫を帯びたガーネットで粘性は高い。
果実味が豊かであることは間違いないが、ボルドーのスタイルとは異なるし、いわゆるカリカベとも異なると思う。
オーブリオンの様なスタイルの凝縮したスタイルのカベルネソーヴィニヨン。
スモーキーで煙草やリコリス、西洋杉の風味が前に現れており、後追いでピーマン香や瑞々しいカシスやプラムの酸味のある果実味、コーヒー豆、鉄釘、スミレの華やかさが感じられる。
カベルネにしては酸味が豊かで、タンニンも穏やか。スモーキーな風味とキュートな蜜、カシスの余韻が豊かに広がっていく。余韻は長い。スモーキーでハーヴィーなワイン。


さて、久々のカリフォルニアです。
まずオーボンクリマから。
オーボンクリマはフラッグシップのイザベル、そして特別なキュヴェであるラーム ド グラップを飲んでいますので、だいたいスタイルは掴んでいます。ラーム ド グラップはかなり梗の風味が出ておりハーヴィー、ポジティブセレクションのイザベルはブルゴーニュの様な繊細さを持ちながら、新世界的な果実の凝縮感や甘露さを持ったピノノワールでした。
今回のノックスアレキサンダーはビエンナシッドヴィンヤード単一畑。上記のイザベル2種類(ラーム ド グラップも全房なだけでイザベルと同じ葡萄を使っています)と比べると凝縮感は落ちますが、よりブルゴーニュらしさが強く出たカリピノ。そしてイザベルの時も思ったのですが、とてもヴォーヌロマネ的な味わいだと思います。特級ではなく、上位一級畑の様な感じ。スショとかマルコンソールとかそこらへんですな。比較的標高が低い所の。オレンジや黒系のベリー、ミルクティーの風味がとても品が良いですね。
次にピーターマイケル。
折角なんでムーランルージュを先に。こちらはオーボンクリマ的なスタイルではなく、オーベールやポールラトー、その他ピゾーニを作っている生産者と同様、樽を帯びた熟した果実味、黒砂糖の様なニュアンスが強く感じられます。2009年や2010年のブルゴーニュですら出ない極めて過熟した味わい。いわゆるカリピノ。ただ果実味一辺倒ではなく、大地香やスパイスのニュアンスも包含している。決してシンプルではない。タンニンや酸も豊かだし、熟成によってもかなり姿を変えそうだ。
次にレスプリ ド パヴォとレ パヴォ。
ムーランルージュの過熟した味わいに対して、このボルドーブレンドは果実味よりオーブリオンの様な神秘的な複雑さを前に押し出そうとしている様に見える。
カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン王道の濃厚で果実味爆弾の様な味わいは一切感じさせない。パヴォはその豊かな果実味を豊満さや濃厚さではなく、凝縮感に転化し、ハーブや燻った様なニュアンスと一塊となり立ち上がる。主張しすぎない内に潜むエネルギー感が強く感じられる。バニラなどの樽のタイプではなく、メドック左岸のワインとも異なる。いわゆるカベルネ主体としている地域のいずれにも簡単に当てはめる事の出来ないワインだな、と思った。
レスプリはパヴォのセカンド。カベルネフランが多めに含まれるセパージュ。ただこちらの方がボルドースタイルに近いものを感じられる。ハーヴィーでありながらカシスやブラックベリーなどの黒系果実とバニラ、西洋杉のニュアンスが強く感じられた。
凝縮感こそファーストラベルに劣るものの、ボルドーファンには最も親和性の高いボトルだと思う。

次は白。ソーヴィニヨンブランのラプレミディ。典型的なソーヴィニヨンブランとは大きくかけ離れた味わい。
一般的なソーヴィニヨンブランの柑橘系やハーブ、ムスクを感じさせる要素やドライさは一切感じさせない。ボディはシャルドネやヴィオニエに比肩するし、とても熟した果実味があり花の蜜などの濃厚な甘露さが感じられる。ミネラル感や樽もあり、食事と合わせるならば、間違いなくクリーム系になるのではないかと思う。
最後、ベルコート シャルドネ。
これは比較的リリースから時間が経っているので、熟成香が感じられた。
若いヴィンテージをのんでいないので何とも言えないが、ミネラルの塊というべきオイリーさ、ナッツや白胡椒、モカ、エシレバターが主体で豊かな果実味が隠れており、樽が果実味にまだ溶け込みきっていない。
まだまだ熟成の余地はある。
熟成すればバタールモンラッシェの様な味わいになるかも。ボディはかなり柔らかくなっていた。

かなりの量を一回のレポートに入れたので長くなりましたが、以上です。
ピーターマイケルは最高に美味いですね。
ボルドー品種だけあまり良い印象はないのですけれども、ピノノワールとソーヴィニヨンブラン、シャルドネは本当に素晴らしかった。新世界ならでは、といった作りですが、しっかりと要素も複雑ですし、素直に美味しいと思える味わいですね。万人受けしそう。






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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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