【カリフォルニア:14】カリフォルニア最高峰のピノノワール3種を利く


こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニアのピノノワールです。
新進気鋭の生産者であるレディオコトー、そして貴重なイガイタカハ、キスラー ピノノワールの上位キュヴェであるキャサリンです。
カリピノといえばどっしりした体躯で凝縮した果実味のあるワインの印象が強いですが、現実は複雑さやミネラル感を保有しているワインが上位キュヴェには多く見られます。今回はさらに輪をかけてエレガントで繊細な3本です。ともすればブルゴーニュより繊細かもしれません。
シャルドネ同様カリフォルニアの多種多様なスタイルの一端として、非常に勉強になりました。


レディオ コトーは2002年にニューヨーク出身で、ジャックプリウールやコントアルマンで修行を積んだエリック サスマンによって設立されたワイナリー。
葡萄はルシアンリヴァー ヴァレー、ソノマコースト、アンダーソン ヴァレーから購入している。今回のネブリーナはソノマ コーストはホールバーグ ランチとオキシデンタルの丘陵地帯(キスラーのキャスリンと一緒ですね)から造られるピノ・ノワールの混醸。醸造は90%除梗の後、自然酵母によるアルコール発酵およびマロラクティック発酵をフレンチオークにて行い、新樽比率35%で熟成される。無濾過、無清澄で瓶詰めされる。

シャトー イガイ タカハは、CWFC主宰の杉本隆英氏がプロデュースしたワイン。醸造は2005年にクラッシュパッド社が行い、現在はブリュワークリプトン、ダイアトム、タコ、パルミナ、トランセンデンス、ワインファウンドリーによって行われています。ファーストヴィンテージは2005年。
カリフォルニアの銘畑を使用した小ロット生産。それぞれのワインには家族の名前に由来した名前がついている。
今回のピノノワール「園」は美代子さんの旧姓からの1文字。生産本数はわずか580本。
ブリュワークリフトンのグレッグ ブリュワーによる一本。

キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを産出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。
キャスリーン、キャサリン共に新樽比率は100%で熟成され無濾過、無清澄で瓶詰めが行われる。マロラクティック発酵は完全に行われる。キャサリンはオキシデンタル ステーション ヴィンヤードのピノノワール100%。フラックシップはキュヴェ キャスリーン(Ch100%)、キュヴェ エリザベス(PN100%)。

では、いってみましょう。


生産者: レディオ コトー
銘柄: ラ ネブリナ ピノノワール 2011
品種: ピノノワール100%

約8000円、WA90-92pt(2009)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
凝縮感があり、シャープで瑞々しいピノノワール。カリピノの濃厚さはあまりなく、抽出はやや強め。どちらかというとニュージーピノ寄りか。
果皮の厚いブルーベリー、ダークチェリーの強い果実味、梗の風味がやや強く感じられる。穀物や、なめし革の野生的な香り、松の樹皮、クローヴなどの森の香り。
酸味はやや強めでタンニンは柔らかい。
黒系ベリーの余韻が残り、広がっていく。イガイ タカハとスタイルは近く、雨上がりの森を想起させる味わい。


生産者: シャトー イガイ タカハ
銘柄: ピノノワール 園 2011

約8700円。
外観は濃いルビーで粘性は中庸。
何処か日本的な(例えばドメーヌタカヒコの様な)風味を感じさせる、とても面白いピノノワール。ただ密度や凝縮度は非常に高く、果実味も国産ピノノワールと比べると、しっかりしている。ここはカリフォルニアならではか。
クローヴやスパイス、ブルーベリーや紫スモモの様な果皮を強く感じさせる味わい、枯葉や黒オリーブ、スミレ。生肉やローズヒップ。徐々に赤系の果実味が感じられる様になってくる。焼いた藁の香りも。
酸味はやや際立っており旨味がとても豊か。
スミレ、茎、クランベリーの余韻が口の中に広がっていく。シャープで妖艶な凝縮感がある。


生産者: キスラー
銘柄: ピノ ノワール オクシデンタル ステーション ヴィンヤード キュヴェ キャサリン 2010

約37000円、WA95-98pt(2009)
外観は濃いルビーで粘性は高い。
カリフォルニアとしては珍しいシャンボールミュジニーの様な冷涼で繊細な風味を感じさせる味わい。カリピノ的ではなくブルゴーニュ的な印象を強く残す。凝縮感もあるし、果実味もしっかりと感じられる。
ミントや焦がしたワッフル、ラズベリーやクランベリーのジャム。紅茶。ドライハーブや生肉やなめし革、スミレの華やかな香りが強い。やや茎っぽさ、ヴァニラ。松の樹皮など。とても複雑で凝縮感がある風味。強めの抽出を行っているのだろうか。
酸味は豊かで、とても凝縮感のある旨味と香りがある。広がるような繊細かつ華やかな味わい。余韻は長い。


まず、全体の所感から。
今回の3本にはいわゆる濃厚な果実味に富んだカリピノ的なものはありません。
いずれも瑞々しく、自然な果実の甘さや華やかさが表現されたものばかりだと思います。
ニュージーランドのピノなんかと比べると、やや抽出が強めではあるのだが。

まずネブリーナ。
冷涼な気候で作られた葡萄をしっかり抽出して華やかさを演出している。ともすればドライ。無理に例えるならばジュヴレシャンベルタン。堅牢な体躯がありながら冷たい印象を受けるリュショットなどに近いと思う。
果皮の香りが強く出た黒系ベリーと梗に由縁するスパイシーな味わい。なめし革、松の樹皮など。全体的に構成する要素がギュッと引き締まっている。10%のみの梗の香りがしっかり出ているのは結構不思議な感じですね。
次はイガイ タカハのピノノワール。
日本人の方が作るピノノワールってなんでこんなに生産量が少ないのか...美味しくてもなかなか手に入らないのは切ない。
とてもエレガントで滑らかなピノノワールで、国内で作る最上のピノノワールにボディを付加させたような味わい。スパイスやハーブ、黒系果実の果皮の華やかさを併せ持っている。抽出も国産ピノと比べるとかなり強めではあるものの、カリピノと比較すると、かなりエレガントなタッチに感じます。その分酸味が際立っており、シャープな印象を受けます。
最後キスラーのピノノワール最高峰のキャサリン(最上位はエリザベス)。
非常に毎度高評価のピノではあるのですが、キスラーのピノノワールにはあまり良い印象はありません。今回のキャサリンも出来は素晴らしいものの、キャスリーン同様価格に見合うものがといえば、個人的には微妙だと思っています。一言で言うととてもシャンボールミュジニー的な印象を受ける、どっしりとしたボディではなく目が細かく高密度、それでいて繊細な作り。
ハーブやジャミーな赤系果実、紅茶、スミレなどの風味が感じられる。樽のローストは中庸で過剰なわけではなく、均整の取れたバランス感の良いピノノワールではあると思う。
ただインパクトで言うのであれば、ブルゴーニュやカリフォルニアのピノノワールと比べると、どこか小ぶりにまとまっており、シャンボール的とはいえミネラル感に劣るし、果実味では言わずもがなカリピノに劣っている。器用貧乏な作りだな、と思う。決定的な欠点は無いが、明確な個性も無いピノノワール。これだけ綺麗にまとめられるのも素晴らしいけれども、個人的にはもっと規模感の大きいピノノワールを期待したかった。
まぁ、ただ2010年のキスラーは今ひとつという話もあるので、今後も要検討ですね。
2011年のシャルドネはとても良かったので。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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