【ブルゴーニュ:42】2011年、ドニモルテとロベールシリュグを利く


こんにちは、HKOです。
今回は久々に最近控えめになったブルゴーニュレポートです。
特に熱意が消えたわけではないのですが、極端に値段が上がっているので、手が出しにくくて...
本日はドニ モルテのラヴォーサンジャック、オー ボー ブリュン。そしてシリュグのプティ モンでございます。

ロベールシリュグは1960年創業の小規模ドメーヌ。某コミックで偉大なワインとしてグランエシェゾーが紹介されていましたが、まあ、今ではちっとも手に入りません。元からレアですが...
今回はプティモンです。
平均樹齢は45年。栽培はリュットレゾネで行われ、収穫はすべて手作業。収穫後の果実は100%除梗を行った上で、30℃から32℃の温度に維持したまま、ステンレスタンクによる発酵が行われる。プティモンは新樽比率50%で18~20ヶ月熟成される。熟成中の澱引きは2回程度。無濾過、無清張で瓶詰めされる。フラッグシップは前述の通り、グランエシェゾー。

ドメーヌ ドニ モルテは93年から類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げた。
しかしながら故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及したかった様で、現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級ラヴォーサンジャックは80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。

さて、ではいってみましょう。


生産者: ロベール シリュグ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ レ プティ モン 2011

11000円。
外観は明るいルビーで粘性は中庸。
2011としては果実味が非常に濃密で、程よい樽の香りを纏っている。かつしなやか。
素晴らしいヴォーヌロマネだ。
スミレの華やかなニュアンス、ラズベリーやアメリカンチェリーのコンポート、なめし革、松の樹皮やヒノキの樽香が中心となり、シナモン、クローヴ、徐々にワッフルやバニラの様な風味が感じられる。樽の焼き加減は強くないみたい。
タンニンは柔らかく、酸も厚みがあるが毛羽立った風味ではない。なめらかで瑞々しくしなやかな味わい。口の中で樹木やイチゴ、ベリーの香りが広がっていく。非常に綺麗なワイン。よくまとまっている。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ オー ボー ブリュン 2011

20000円、WA91pt(2009)
外観はジュヴレと比べてやや薄めのルビーだが、濃いと思う。粘性は高い。
明らかにラヴォーサンジャックと比べると瑞々しい香り。抽出や樽を少し弱くしているのか。コーヒーの香りは控えめに、より果実味が強く前に出ている。それでも黒系果実を感じるのはスタイルゆえか。
強いスミレの香り、バニラを感じさせる樽香。ダークチェリー、プラムの瑞々しい果実味、ロースト香と結合したフルーツケーキの様な甘露さが中心となり、燻製肉、シナモンなど。
シャンボールらしくドニモルテの中ではかなり瑞々しい味わい。樽はしっかり効いているし、他のシャンボールと比べるとかなり体躯は強いが。
酸味、タンニンは非常に柔らかい。滑らか。
口の中で熟したベリーやロースト香が広がる。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2011

20000円、WA92-94pt(2009)
外観は濃いルビーで粘性は高い。
2011年としてはこちらもしっかりした出来。抽出と樽が強く効いており香りはかなり力強い。
トーストやコーヒーの様な樽香。八角の甘露なスパイシーさ。ブラックベリーやプルーン濃密な黒系果実。シナモンや赤い花の蜜の香りを主体として、生肉やスミレ、バニラのニュアンスが追随してくる。クローヴの風味も感じられる。
タンニンも強めだが、どちらかといえば酸味が際立っている様に感じる。口の中で樽香と果実味が合わさって焼きたてのフルーツケーキの様な風味が口内に広がっていく。
2011年としてはしっかりとした骨格も果実味もあり、成功したワインと言えるのではないか。ただ2010年と比べると、やや弱い。


ううむー2011年のシリュグ、ドニ モルテ、両方ともかなりいけてますねー。美味しいです。2010年ほどの果実味はありませんが、十分に果実味を有していますね。
まずシリュグから。
2010年のプティモンは甘露でありながら黒系果実のニュアンスと樽香が強く、明らかな長熟スタイルでしたが、2011年ヴィンテージは幾分か瑞々しい印象を受けました。
赤系果実のコンポートやスミレのニュアンス、程よく効いた樽香。2010年ヴィンテージで前に出ていた樽と果皮のニュアンスが穏やかになり、よりコンポートの様な果実味と花の香りが前に出ています。それでいて樽もしっかりと存在感がある。
性質としては明らかなヴォーヌロマネのスタイルで、よりテロワールを尊重していると思います。2010年は香りで言えばジュヴレシャンベルタンにも思えましたので。
ただもう一方で酸が立っており2011年ならではの特徴も出ています。良し悪しは別として2010年ほどの熟成はしないと思います。どちらが偉大かといえば、2010年でしょうね。それでもここまでの果実味が出たのは、ひとえに肉厚なワインを作るプティモンのテロワールによるものだと思います。

次にドニモルテ。
まずジュヴレシャンベルタンから。
09年からの一級畑を見ていくと今回の2011年は2010年を僅かにグレードダウンさせたような味わいだと思います。
2011年の特徴としては果実味は十分にあり、それに09年、10年に比べると常識的な樽香(トースト、コーヒー)、果皮成分に由来する華やかさがあり、フルーツケーキの様なニュアンスを感じさせます。果実味の出方は2010に近い。比較的均整が取れている印象。2010年は2011年より強い果実味があり、しっかりした樽香と結合してチョコレートやモカの様なニュアンス、ダークチェリーやプルーンなどの黒系の果実の風味、2009年は膨大な果実味がありながら膨大な樽のニュアンスを付加させており、抽出も強いため2010、2011年と比べるとややキャッチーさに欠け長期の熟成が必要となるワインでした。
従って2011年のドニモルテのジュヴレシャンベルタンは十分に良い出来であり、飲みやすいワインに仕上がっていると思います。
ドニモルテ自体が強い抽出、樽香、果実味を持つのでそれなりに熟成も期待できます。もちろん群を抜いている2009年と比べたら短いでしょうが。
テロワールの差異もありますが、概ね方向性は間違っていないと思います。こ ひょっとしたらラヴォーサンジャックだからこそよく出来たのかもしれませんが。ちなみに2009年は1級シャンポー、2010年は1級混醸を参考にしています。
次にシャンボールミュジニー。球数が少なく(かといって引き合いが強い訳ではないのですが)なかなか飲めませんでした。何せジュヴレシャンベルタンの生産者が作るシャンボールなので、ちょっとレアです。
一級のオー ボー ブリュンはマイナーな一級畑でポテンシャルとしてもそこまで高くはありません、ただ当然、どの畑でもそうなんですが生産者によって化けます。
ジュヴレシャンベルタンの様な強い樽、抽出を行わず、それらを控えることで繊細なシャンボールのテロワールを表現している。外観からしてジュヴレシャンベルタンより薄い。そして果実味はより瑞々しく、樽の香りもコーヒーというよりバニラ。多分ローストが弱めだからでしょう。
ただあくまでドニモルテのワインの中において。シャンボールというテロワール目線で見ると、かなり色調濃い方ですし、併せて抽出も強めではあります。キャンディ香はなく、黒系のフレッシュフルーツ、スミレの香り。
あくまでジュヴレシャンベルタンの生産者が作ったシャンボールミュジニー。しっかりとした体躯があります。
グロフィエやヴォギュエが好きでドニモルテのシャンボールを飲んだら、やや力強すぎると感じるかもしれませんね。

以上。
ブルゴーニュはやっぱり深いなー、全然理解できた気にならない。
美味いかっつったら美味いですよ。2009年のドニモルテをリリース当時に飲むより全然いいと思います。シリュグも2010より2011の方が好きかもだ。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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