【ブルゴーニュ:45】綺羅星が如きブルゴーニュルージュの生産者が作るカルト シャルドネを検証する。


こんにちは、HKOです。
本日もブルゴーニュでございます。
デュガ ピィとポンソ。でも両方とも白でございます。
デュガ ピィはシャサーニュモンラッシェ1級モルジョ、ポンソはコルトンシャルルマーニュ。赤のスター生産者の白ワインにフォーカスしております。はたして赤の生産者が作る白はどの様な特徴があるのか。それを追ってみたいと思います。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はなしでアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。今回はレアな白、シャサーニュモンラッシェの一級畑です。

ドメーヌ ポンソは1872年にウィリアム ポンソによって設立されたモレ サン ドニに拠点を置くスター生産者。
基本的には有機農法にて栽培を実践しており、畑での剪定を厳格に行い、収穫は極限まで遅らせて葡萄が完全に熟した状態で収穫します。
醸造および熟成時に新樽は一切使用せず旧樽のみ使用し、長時間の高温発酵、SO2をなるべく添加しない、など技術革新と葡萄にキチンと手を入れる事が出来るドメーヌです。ただ全体的にお値段は高め。フラッグシップはシャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ ド ヴージョ、クロ ド ラ ロッシュ、クロ サン ドニ、白はモンラッシェです。

では、いってみましょう。

生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ モルジョ 2010

15000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は高く幾分かの浮遊物がある。
メチャクチャリッチでオイリーなシャサーニュモンラッシェ。ものすごく樽が効いている。オイルやローストナッツ、強いバター、五香粉が全体に漲っている。樽とともに強いミネラル感。カリンやパイナップルの酸味を伴う果実味。そしてその奥に糖蜜を思わせる新世界のシャルドネの様な凝縮した濃厚な甘露さも感じさせる。シャンピニオン、白胡椒、バニラ、ドライハーブなど。
赤ワインの方程式で作ったかの様な樽と果実の凝縮感が際立ったワイン。
酸のシャープさこそ控えめだが、厚みや重量感、余韻に残るローストナッツと果実の膨らみが素晴らしい。長熟できるワインだが、今見ても十分に偉大さは伝わってくる。
とにかく凄まじく強いボディを持ったワインだ。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2010

40000円、WA90-92pt(2009)
外観は澄んだ淡いストローイエロー、粘性は高い。
石を砕いた様なミネラル感、石油っぽさとともに、糖蜜や干した洋梨、マンゴーの様な凝縮な果実味が感じられる。強烈に果実味が主体となっている。(ややキャンディ香っぽさもある)、まるでシロップのようだ。
そしてフレッシュハーブ、バター、白い花や白胡椒、ノワゼットの香りが感じられる。
そして急激に現れるミネラル感。
酸味は柔らかくきめ細やか。口当たりにも甘露なフルーツの余韻が残っていく。コルトンシャルルマーニュという印象からは考えられない位濃厚かつ瑞々しい果実味がありながら、ミネラリーさとも、とても均整が取れている。美しいバランスだ。ボディもしなやかだと思う。

つくづく思ったのがこれらの生産者の白って赤と同じ方程式で作ってるな、と。デュガ ピィは新世界並みの濃厚さで、樽も過剰な程効いているし、ポンソはピーキーで華やか、伸びていく様な果実味がある。それぞれの赤にも共通している味わい。勿論そのまま赤ワインっぽい味という訳ではなく、その醸造哲学や思想がそのまま反映されている。
こういった生産者の醸造哲学や思想が全く異なるテロワールでも感じられるのは非常に面白い。いわば醸造栽培は画風でありテロワールは描く対象であるというのが良く分かるんですよね。
では個別に。
まずデュガピィのシャサーニュ1級モルジョですが、こちらは先述した通り強めのローストをかけた樽をかなり効かせています。コント ラフォンも樽は強めの方ですが、ロースト香がメチャクチャ強いあたりこちらの方が濃厚に感じますね。そしてオイルの様なミネラル。
またそれらの要素で蓋がされている状態ですが、奥にしっかりと熟した果実味が感じられます。超低収量か古木に由縁する要素だと思います。栽培醸造から見ると赤と同じような要素を持っている事がわかります。赤も古木低収量、樽香がしっかりと効いていますからね。
次にポンソのコルトンシャルルマーニュ。
これも素晴らしくて、赤と同様に純粋で綺麗なストラクチャーのコルトンシャルルマーニュだと思います。
コルトンシャルルマーニュらしい石を砕いた様なミネラル感、石油っぽさとともに、とても甘露な果実味や糖蜜などのニュアンスが感じられます。キャンディ香もあり、ほぼ樽香は感じられず(軽いノワゼットは感じますが)とても純粋な果実味が前に出ています。
そして急激にミネラルが現れるドラマティックさがある。とても均整が取れている。美しいバランスだ。いかにもポンソらしい作りで彼のクロ ド ラ ロッシュを味わった時の印象に極めて近い。
無論白なのでシャルドネの要素だが、随所に見られる赤との醸造の共通性が白中心の生産者には無い個性を持っていると思いました。

以上。
どちらとも驚異的なレベルの高さでした。
ポンソはクロ ド モンリュイザンが有名ですが、個人的にはやはりコルトンシャルルマーニュの方が素晴らしかったですね。あれはそもそもスタイルも品種も違いますので同列には並べられないのですが...
いやー作りの上手さを堪能できました。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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