【ブルゴーニュ:51】コート ド ボーヌの高品質の赤白を利く


※正直正月気分が抜けない。

こんにちは、HKOです。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
実は新年一発目はコトーシャンプノワで幕を開けた訳ですけれども、去年書いた記事だったので改めて。よろしくお願いします。

まず年明け一発目はコート ド ボーヌの重鎮、マトロ、ラモネ、メゾン ルロワの3ワイナリーです。

ドメーヌ マトロはムルソーに拠点を置くドメーヌ。現在はティエリー、パスカル夫妻が栽培醸造を行っています。
ムルソーが主軸となる生産者ですが、一部赤ワインもつくっており、そのフラッグシップとなるのが、ムルソー村に存在するACヴォルネイの1級畑ヴォルネイ サントノ。発酵、漬浸の温度は樹齢は32年の古木を使用しています。新樽比率は10-20%。澱引きは基本的に行わない。

ルロワ。マダムルロワが手がけるのは次の3つのライン、ドメーヌ部門のドメーヌ ルロワ、個人所有のドメーヌのドーヴネイ、そしてネゴシアン部門のメゾン ルロワ。目下最も手に入りやすく価格も安いのがメゾン ルロワですが、それでも並のドメーヌとは比べものにならないほど高品質かつ高額です。ブルゴーニュ最上のネゴシアンと言って差し支えないでしょう。栽培は厳格なビオディナミを行っている生産者のものから買い付けを行ない、新樽率100%で熟成、無清澄、無濾過で瓶づめが為されます。今回のボーディンヌはサントネイに隣接する高い標高に位置する1級畑です。

ドメーヌ ラモネはブルゴーニュ白においてルフレーヴ、コシュデュリ、コントラフォンに匹敵するスター生産者。ただし例の如く球数がべらぼうに少ないです。
平均樹齢はブドリオットで55年、ビアンヴニュで50年程度の古木。18年以下の葡萄に関しては除外しています。収量制限はヴァンダンジュヴェールは実施せず、春先の摘芽で代用。アルコール発酵はタンクと木樽を併用してやや低めの温度で行います。ピジャージュは1日3回程度機械で行われます。新樽比率は一般的に30%程度(モンラッシェは100%)。18ヶ月の熟成の後、軽い清澄と濾過を行い瓶詰めされる。フラッグシップは特級ル モンラッシェ、シュヴァリエ、バタール、ビアンヴニュ。特にシュヴァリエらわずか1haのにも満たない占有面積から産出されるワインで、ほぼ入手不可。

ではいってみましょう。


生産者: ティエリー エ パスカル マトロ
銘柄: ヴォルネイ プルミエクリュ サントノ 2009

約9000円
とてもヴォルネイらしいアーシーでスパイシー、そして繊細なタッチのワインだ。
果皮に由縁した華やかな薔薇やスミレ、そして紅茶や濡れた土や樹木のアーシーな香り。溶剤やタイム、コリアンダー、クローヴなどのスパイシーさ。ダークチェリーやブラックカラントなどの瑞々しい果実味が感じられる。マルキ ダンジェルヴィーユやパスカルブレに通じるヴォルネイの王道らしいピノノワールの味わい。繊細だがシャンボールほど洗練されていない牧歌的な味わい。
酸は柔らかく、タンニンは果皮のニュアンスがしっかり感じられるものの、収斂性や厳しさは感じられない。紅茶やダークチェリー、花の香りの余韻を残す王道的ヴォルネイ、王道的サントノである。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ レ ボディーヌ 2008

約15000円。
外観は浮遊物のある、やや濃い目のストローイエロー、粘性は中程度。
適度な熟成感がある。きめ細やかで繊細なタッチ、荒々しさとは真逆の味わいである。豊かなライチや洋梨の果実味、白い花、ドライハーブ、甘露な黒砂糖のニュアンスにマロラクティック発酵に起因するバターやバニラ、塩ナッツ、控えめなミネラル感がある。
ブルゴーニュブランの王道的な味わいであり、シャサーニュらしい果実味を中心に据えた味わいだ。受ける印象はルフレーヴにも近いがこちらの方がきめ細やかだと思う。
酸と旨味は分厚いが、とにかくきめ細やかでささくれだった味わいはない。カリンや柑橘系のアフターが余韻を残す。


生産者: ドメーヌ ラモネ
銘柄: バタール モンラッシェ グランクリュ 2011

約50000円。
外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
ミネラルが液面を漲っていた2010年に比べるとかなり柔らかい印象を受ける。確かにしっかりとしたミネラルは感じるが、果実味が主軸でボリューム感のある作り。ミシェル コラン ドレジェのシュヴァリエを想起。
濃密なシロップやバニラ、チョーキーなミネラル。カリンや洋梨のコンポート、フレッシュバター、白胡椒。素焼きのナッツやバターの風味。ハーヴィーかつシロップの風味に満ちたバタールで、バターやナッツは控えめ。
酸は穏やかで柔らかく、また厚みも中庸だが、緻密かつ高密度。バニラやカリンの豊かな風味が口に広がる。2010程の熟成は期待できないが、今飲む分としてはとても良くできている。


マトロのヴォルネイ。
以前飲んだことあるような気もしますが、まあ、改めてでもいいかと。そんな感じで購入しました。この生産者、白がとても美味いのですが、赤もなかなか良いです。
パスカル ブレやマルキ ダンジェルヴィーユの様な伝統的なスタイルのヴォルネイを作っていて、垢抜けないっちゃ垢抜けないんだけど、とても樹木や濡れた土、赤い花のアーシーさやスパイシーさが感じられる、繊細で素朴なヴォルネイだと思います。
果実味爆弾ではなく、ダークチェリーやブラックカラントなどの瑞々しい果実味があり、酸は柔らかく、タンニンは果皮のニュアンスがしっかり感じられる。やはりヴォルネイはこうでなくては、と思う味わいですね。
ラフォンやアントなどの凝縮感のあるスタイルも良いですが、ヴォルネイといったらこんな感じだよなあ。
次にメゾン ルロワのシャサーニュモンラッシェ1級。メゾンとはいえ、なんせルロワ。しかもプルミエクリュだったらそりゃあ美味いだろうと思ったのですが、果実味が過剰にある訳ではないし、樽が強い訳でも効いていたり、マロラクティック発酵のまろやかなニュアンスがあまり強く感じられないからなんですね。ごく自然な仕上がり。
ただ全体に漲る香りの強さやボディの強度は流石でしなやかでナチュラルな仕上がりだと思います。豊かなライチや洋梨の果実味があり、白い花、ドライハーブ、甘露な黒砂糖のニュアンスにマロラクティック発酵に起因するバターやバニラ、塩ナッツなどの要素。
ある種ブルゴーニュブランの王道的な味わい。ルフレーヴに近いがこっちの方がきめ細やか。ただドメーヌ ルロワのマジックを考慮するとちょっと普通な出来かな...というのも正直なところではある。
最後、ラモネのバタール。
今年もとても良い出来で一安心。ただ去年とはちょっと様子が違っていて、強固なミネラルに要素が蓋されていた2010年に比べると、より近づきやすい味わいだと感じました。ミネラルは控えめで果実味重視でしっかりとしたボリューム感がある。
感覚としてはミシェル コラン ドレジェのワインを思い出しました。2010年は明らかな長期熟成型ワインでしたが、比較的若いタイミングで飲んでも美味しいのが2011年ラモネの特徴と言えるでしょう。
ヴィンテージ特性を見ると2010年ほどの果実味がないのですが、樽やミネラルを考慮して相対的に見ると、濃密なシロップやバニラ、カリンや洋梨のコンポートなどの果実味が際立って感じられるのかもしれません。
そしてフレッシュバター、白胡椒。素焼きのナッツやバターの第二アロマ、第三アロマ。
酸のシャープさが際立った2010年に比べると穏やかで柔らかい印象を受けます。トレードオフとして厚みも失っていますが。
ただ緻密かつ高密度な作りであることは間違いないでしょう。
ワインとしての力は2010年ではあると思います。きっと熟成するとラモネの本懐である熟成ニュアンスと果実味の美しい統合が楽しめることは間違いなさそうですが、あくまでフレッシュな段階で飲むなら間違いなく2011年ですね。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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