【ブルゴーニュ:52】ヴォーヌロマネにまつわる3生産者、フラッグシップの特級を利く


※カレーは遊びじゃない。

こんにちは、HKOです。
更新が押しておりましてすみません。
いや、遊びじゃねえ事案に巻き込まれておりまして...なんとか解決出来ましたが。解決できたというかいい感じの落とし所で落としたというか...難しいですね。

さて、本日はブルゴーニュの3つの老舗ドメーヌをレポートします。
モンジャール ミュニュレは特級グランエシェゾーを、ドメーヌ アンヌ グロは特級クロ ヴージョ グランモーペルテュイを、アンヌ フランソワーズ グロは特級リシュブール。
全てがほぼフラッグシップ級になります。

モンジャール ミュニュレはヴォーヌロマネでは伝統のある老舗の大ドメーヌでリュットレゾネを1990年から実践しています。一時期評価を落とした時期もある様ですが、2000年に入ったヴィンテージで致命的にダメなワインには当たったことはありません。樹齢は大体30年から50年で、エシェゾーのVVで70年。グリーンハーヴェストを行い、30hl/haに収量を抑えます。除梗は100%。低温浸浸を4,5日と軽く行い、アルコール発酵は12日程度行われます。圧搾は空気圧で行い、過度のタンニンの抽出は抑えます。新樽比率は一級で30%、特級で100%。22ヶ月熟成後瓶詰めします。

ドメーヌ アンヌ グロはフランソワ グロの一人娘。ミシェル、ベルナール、アンヌ フランソワーズとはいとこになります。
1984年よりボーヌとディジョンでぶどう栽培学とワイン醸造学を学び、1988年にドメーヌを引き継いでいる。以降精力的に畑の拡張やワインセラーの新調を行い、革新に取り組んでいます。
アンヌが保有するクロ ヴージョの区画はシャトー ド クロ ヴージョの上部斜面にある最上級の小区画グラン モーペルテュイ。そこに植わる樹齢90年以上の古木のピノノワールによってアンヌのクロ ヴージョは作り出されます。
収穫した葡萄は100%除梗。少し濾過処理するが清澄処理せず、80~90%新樽発酵を行い瓶詰めがなされます。

アンヌ フランソワーズ グロは伝説的な生産者であるジャン グロの3人の子供(ミシェル、ベルナール、アンヌ フランソワーズ)のうちの一人。上のアンヌ グロは従姉妹となります。ドメーヌ設立は1988年。96年にはジャン グロからリシュブールを相続しています。(薄い表土の東向斜面にある0.6ha)。年間生産量約2400本~3000本程度。
収穫されたブドウは100%除梗され、コンクリートタンクとステンレスタンクを併用し発酵。熟成は複数の種類の樽で行われ、一級畑が新樽50-70%、特級は新樽100%にて約18か月間熟成を経てリリースされます。

ちなみに次男ベルナールのグロフレの特級はリシュブール、エシェゾー、グランエシェゾー、クロ ヴージョ。長女アンヌ フランソワーズはリシュブール、エシェゾー。従姉妹アンヌ グロはリシュブールとクロ ヴージョ、エシェゾー。
...リシュブールとエシェゾーはどの兄弟も持っているんだけど、なんと長男のミッシェル グロはクロ ヴージョのみ...(その代わりの単一所有畑クロ デ レアなのかもしれませんが)
なんか微妙な感じがしますなー。


生産者: モンジャール ミュニュレ
銘柄: グランエシェゾー グランクリュ 2011

約20000円
やはり2009、2010に比べると若干の密度の低さはあるものの、2011年のモンジャールミュニュレは比較的堅調と言える。例年通り力強いヴォーヌロマネで、しっかりとした樽香と抽出が感じられる。
外観はやや濃いめのルビーで、粘性は高い。ダークチェリー、ブルーベリーの黒系ベリーや黒砂糖のような豊かな果実味、スミレの風味が広がる。そしてコーヒー、シナモン、トーストなどの強い樽香。燻製肉、ミルクティー、クローヴの風味など。強い抽出による赤い花の華やかさ、樽の複雑なニュアンスが顕著。
酸味は穏やかで、品のいい厚いタンニンがある。果実味自体は2011年とはいえ豊かで、シロップと果皮の風味が大変調和が取れていて心地よい。例年のモンジャールと比べると果実味に見劣りはあるものの、比較的成功した生産者と言えるかも。


生産者: ドメーヌ アンヌ グロ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ ル グラン モーペルテュイ 2007

約21000円
外観は赤みの強い淡いルビー、粘性は強い。
若干熟成を帯び、複雑味が増している。若いアンヌのワインに見られる強い樽香は落ち着いているものの、まだまだ果実味主体の作り。
強いアーシーさが際立っており、粘土、スーボワ、枯葉のニュアンスが現れている。また熟したダークチェリーやプラムの果実味。トリュフや燻製肉、なめし革の風味。スパイシーなクローヴ、リコリス、コリアンダーなど。そして徐々にコーヒーや黒砂糖、葉巻の様な要素も現れてくる。野生的な土の様な熟成香がしっかりと感じられる。
タンニンこそ穏やかになっているものの、酸はまだ十分にあり、ミルクティーや華やかなスミレ、プラムの豊満な果実味が口内に広がる。


生産者: アンヌ フランソワーズ グロ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2011

約56000円。
外観は赤みの強いルビー、粘性は強い。
抽出がかなり強く効いており引き締まった華やかさが全面に出ている。華やかさに主軸が置かれたユドロ ノエラと比べると断然力強くパワフルに作られている印象。
甘露で凝縮したラズベリー、ダークベリーの果実味。オレンジや濃厚な花の蜜、スミレやクローヴ、薔薇などの華やかな要素が僅かにキャンディ香を含み結合している。そして紅茶や燻製肉。そしてクローヴ、ローリエ、ジンジャーブレッドなどのハーブ感。松の木や五香粉の様な樽香が感じられる。徐々に甘露なキャラメルやオリエンタルなスパイスが感じられるようになる。
酸味、タンニンは柔らかく、穏やかに広がっていく味わい。熟したラズベリー、花の蜜の余韻が広がっていく。凝縮感があり、余韻も長い。


さて、特級グランエシェゾー、特級クロ ヴージョ(グラン モーペルテュイ)、特級リシュブールとはいきなり豪華なラインナップでした。
まずモンジャール ミュニュレのグランエシェゾー。
クロ ヴージョのプティ モーペルテュイ、グラン モーペルテュイの上部、エシェゾー デュ ドュス、レ ロアシャウスの下部にあたる区画。生産者の性質かもしれませんが力強いヴォーヌロマネのスタイルとなっています。
外観は濃い目のルビーで強い抽出を感じさせるダークチェリー、ブルーベリー、スミレの風味。樽に起因するコーヒー、シナモン、トースト、五香粉の風味。果実味も豊かで黒砂糖のような風味も感じられます。
2010年のモンジャールに比べると密度の低さや果実味の不足感があるのですが、2011年も比較的堅調な作りで、2010より抑え気味でありながら樽のロースト香はしっかりとあるし、華やかな果皮の香りも感じられ大変品良くまとまっている様に感じます。

次にアンヌグロのクロ ヴージョ。
最上の区画と言われるグラン モーペルテュイです。
この中では2007年と比較的熟成を経ている為、あまり比較にはなりませんが、ドメーヌ アンヌ グロらしい素晴らしいワインを作っていると思います。
アンヌのワインは若いヴィンテージだとかなり強い樽香があるのですが、さすがに2007年にもなると幾分か樽が溶け込んだ印象を受けます。スーボワや枯葉、トリュフを感じさせるものの、まだまだダークチェリーやプラムの様な熟した果実味が主体の味わいです。
燻製肉、なめし革の風味など官能的な要素も。そして徐々にアンヌらしい強烈なコーヒーや黒砂糖、葉巻の様な個性も現れてくる。
タンニンはわずかに穏やかさを見せていますが、全体的にはまだまだ濃厚が残るワインとなっています。どちらかというとかなり重心が低めのブルゴーニュワインですね。
ヴォーヌロマネの生産者というよりクロ ヴージョやニュイ サンジョルジュの生産者の作り方ですね。とはいえ、キッチリと生産者の中では作り分けは出来ていると思います。

最後、アンヌ フランソワーズ グロのリシュブール。ブルゴーニュ最上クラスの特級畑ですが、AFグロの作るリシュブールも最上級と言える作りだったと思います。
アンヌの重心の低いワインと比べると、華やかさ、凝縮感が主軸となったスタイルの生産者で、このリシュブールも例に漏れず極めて強い凝縮感、華やかさを感じさせるワインなっています。
強い抽出によるスミレ、薔薇などの華やかさもさる事ながら、大変成熟した果実を使用しているからか甘露で凝縮したラズベリー、ダークチェリーの果実味がしっかりと感じられます。僅かにキャンディ香も伴っています。
徐々に樽によるキャラメルや五香粉の要素、クローヴ、ローリエ、ジンジャーブレッドなどのハーブっぽさも。華やかさを主軸に置きながら高い熟度とエキス感を保持したリシュブールだと思います。ヴォーヌロマネのスタイルに則っている。素晴らしいリシュブールでした。ヴィンテージとして良い訳ではないですが、さすがのリシュブール、エネルギーに満ちた作りになっていると思いました。

ヴォーヌロマネの2011年ヴィンテージは意外とスタイルにあっていたのか、さほど悪い出来のワインに出会いませんね、そういえば...勿論2010年並ではないのですが、十分いい出来だと思います。
まあ、ただ、その、高いんですけどね...。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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